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三日月家の掟
呪われた運命
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「世も末だな。」
二人の接吻を見つめながら、吐き捨てるように言った。
ここから、長きに渡り兆珠は、一条と宝亀を呪い続けるのだった。
「一条、ちゃんと口を開け」
「宝亀、それは出来ませぬ」
「駄目だ」
ギリギリと親指を噛み続けた。
呪いが産まれたのを、この目で見た兆珠。
【不届き者だな。兆珠】
「お久しぶりですね」
【血が出ておるぞ】
「あー。これは」
その方は、兆珠の親指を口に含み傷を治した。
【呪いが産まれたな】
「そのようです」
【あやつが、子孫をつくった時には、躊躇わず殺るのだ】
「はい、わかっております」
【兆珠、そなただけが、我が味方だ。永遠に、そなたと我は繋がり続けよう】
ドボドボと、その方は兆珠に血を飲ませた。
兆珠は、その方に次の世もずっと先の世も捧げる事を決めたのだった。
「三日月の掟を侮辱するなど、あってはならぬ事」
【その通りだ。兆珠】
一条の汚い言葉を直してやったのも、わしだ。
なのに、あんな裏切りをするなど許せぬ。
「兆珠さん」
「カエちゃん」
「何を話てるのですか?」
羽柴野カエ、のちの成木楓である。
「何も心配せんでいい。体にさわるぞ。」
「お医者様が、順調だって」
「そうか、帰ろうか。カエちゃん」
兆珠は、その方に頭を下げてカエを連れていく。
「兆珠さんのお子を産めるなんて、幸せ者です。」
「カエちゃん、可愛いのー」
「お医者様に聞いてきました。その、お口でぐらいならしてさしあげますよ。」
「まことか?」
「はい、大丈夫ですよ」
カエは、兆珠を心から愛していた。
兆珠は、子を授かれない妻に悩んでいた。
カエは、兆珠の子を産む約束をしてくれたのだ。
そして、その願いを叶えてくれたのだった。
カエは、長屋の鍵を開ける。
「もっと、いい暮らしをさせてやりたい。カエちゃん」
「いいんですよ」
小ぶりな唇を濡らしながら笑った。
まだ、16の娘を誑かし、唆した兆珠。
悪霊を払ってやるとカエに近づいたのだった。
妊娠がわかり、カエは、両親から絶縁されてしまった。
「お茶いれますか?」
「いらぬ、カエちゃん。」
「はい」
ガラガラと扉を閉めると、カエは兆珠を部屋にあげる。
兆珠の着物の紐をスルスルとほどく。
「カエちゃん、またしてくれるのか?」
「はい」
兆珠の股間に顔を近づけるカエ。
兆珠は、カエを征服するのが大好きだった。
どれだけ、宝亀の事で振り回されても、一条を殺したく思っても、カエの小さな口に、自分のを咥えさせ、頭を押さえつけるだけで、満足だった。
カエは、そんな事をされていても兆珠を愛していた。
だから、どんな卑猥な事も、暴言も、受け入れられた。
「お前は、汚(きたな)いおなごよな」
「んんっ」
「これが、欲しくてたまらんのか?」
「んんっ」
「ならば、くれてやる。ちゃんと飲み干せ」
カエは、兆珠を潤んだ瞳で見上げてから頷いた。
「カエちゃん、よかったよ。」
「はい」
いつも、吐き気を押さえながらそれを飲み干した。
飲み干さなければ、兆珠は怒った。
飲み干すまで、何度も何度もされるのをカエは知っていた。
今日も泣きながら、飲み干した。
「カエちゃん、お茶をもらおうか」
それは、口をゆすいで戻れという命令だった。
カエは、お茶を沸かす。
その間に、口をゆすいだ。
最初から、わかっている。
カエは、ずっと大東功(だいとういさお)を好きだった。大東功は、のちの満月豊澄(まんげつとよす)だ。
功を見ていて、兆珠に声をかけられたのだった。
最初は、怖くて堪らなかった。
払う方法は、肌を重ねる事だと言われて、初めてを捧げたあの日に功への気持ちを断ち切ったのだった。
「お茶をどうぞ」
カエは、兆珠にお茶を渡した。
「お熱いですから、お気をつけて」
「ああ」
カエを自分のものにするのは、計画の一部だった。
これから先の世の為の計画の一部だ。
「カエ」
「はい」
舌をねじ込まれるようにキスをされる。
兆珠にとって、カエの気持ちなどどうでもいいものであるのをカエは知っている。
でも、カエはいつからか兆珠でいっぱいになってしまった。
だから、受け止める事しか出来なかった。
二人の接吻を見つめながら、吐き捨てるように言った。
ここから、長きに渡り兆珠は、一条と宝亀を呪い続けるのだった。
「一条、ちゃんと口を開け」
「宝亀、それは出来ませぬ」
「駄目だ」
ギリギリと親指を噛み続けた。
呪いが産まれたのを、この目で見た兆珠。
【不届き者だな。兆珠】
「お久しぶりですね」
【血が出ておるぞ】
「あー。これは」
その方は、兆珠の親指を口に含み傷を治した。
【呪いが産まれたな】
「そのようです」
【あやつが、子孫をつくった時には、躊躇わず殺るのだ】
「はい、わかっております」
【兆珠、そなただけが、我が味方だ。永遠に、そなたと我は繋がり続けよう】
ドボドボと、その方は兆珠に血を飲ませた。
兆珠は、その方に次の世もずっと先の世も捧げる事を決めたのだった。
「三日月の掟を侮辱するなど、あってはならぬ事」
【その通りだ。兆珠】
一条の汚い言葉を直してやったのも、わしだ。
なのに、あんな裏切りをするなど許せぬ。
「兆珠さん」
「カエちゃん」
「何を話てるのですか?」
羽柴野カエ、のちの成木楓である。
「何も心配せんでいい。体にさわるぞ。」
「お医者様が、順調だって」
「そうか、帰ろうか。カエちゃん」
兆珠は、その方に頭を下げてカエを連れていく。
「兆珠さんのお子を産めるなんて、幸せ者です。」
「カエちゃん、可愛いのー」
「お医者様に聞いてきました。その、お口でぐらいならしてさしあげますよ。」
「まことか?」
「はい、大丈夫ですよ」
カエは、兆珠を心から愛していた。
兆珠は、子を授かれない妻に悩んでいた。
カエは、兆珠の子を産む約束をしてくれたのだ。
そして、その願いを叶えてくれたのだった。
カエは、長屋の鍵を開ける。
「もっと、いい暮らしをさせてやりたい。カエちゃん」
「いいんですよ」
小ぶりな唇を濡らしながら笑った。
まだ、16の娘を誑かし、唆した兆珠。
悪霊を払ってやるとカエに近づいたのだった。
妊娠がわかり、カエは、両親から絶縁されてしまった。
「お茶いれますか?」
「いらぬ、カエちゃん。」
「はい」
ガラガラと扉を閉めると、カエは兆珠を部屋にあげる。
兆珠の着物の紐をスルスルとほどく。
「カエちゃん、またしてくれるのか?」
「はい」
兆珠の股間に顔を近づけるカエ。
兆珠は、カエを征服するのが大好きだった。
どれだけ、宝亀の事で振り回されても、一条を殺したく思っても、カエの小さな口に、自分のを咥えさせ、頭を押さえつけるだけで、満足だった。
カエは、そんな事をされていても兆珠を愛していた。
だから、どんな卑猥な事も、暴言も、受け入れられた。
「お前は、汚(きたな)いおなごよな」
「んんっ」
「これが、欲しくてたまらんのか?」
「んんっ」
「ならば、くれてやる。ちゃんと飲み干せ」
カエは、兆珠を潤んだ瞳で見上げてから頷いた。
「カエちゃん、よかったよ。」
「はい」
いつも、吐き気を押さえながらそれを飲み干した。
飲み干さなければ、兆珠は怒った。
飲み干すまで、何度も何度もされるのをカエは知っていた。
今日も泣きながら、飲み干した。
「カエちゃん、お茶をもらおうか」
それは、口をゆすいで戻れという命令だった。
カエは、お茶を沸かす。
その間に、口をゆすいだ。
最初から、わかっている。
カエは、ずっと大東功(だいとういさお)を好きだった。大東功は、のちの満月豊澄(まんげつとよす)だ。
功を見ていて、兆珠に声をかけられたのだった。
最初は、怖くて堪らなかった。
払う方法は、肌を重ねる事だと言われて、初めてを捧げたあの日に功への気持ちを断ち切ったのだった。
「お茶をどうぞ」
カエは、兆珠にお茶を渡した。
「お熱いですから、お気をつけて」
「ああ」
カエを自分のものにするのは、計画の一部だった。
これから先の世の為の計画の一部だ。
「カエ」
「はい」
舌をねじ込まれるようにキスをされる。
兆珠にとって、カエの気持ちなどどうでもいいものであるのをカエは知っている。
でも、カエはいつからか兆珠でいっぱいになってしまった。
だから、受け止める事しか出来なかった。
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