神々にもてあそばれて転生したら神様扱いされました。

咲狛洋々

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新生編

絶望

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 「副隊長!秘匿です!」

リャーレの通信具からピショットの声がが響く。

「こちらウィンドウ。」

「リャーレ!!騎士棟会談室にクーレガとお前、特務と魔道、近衛からランクB以上集めろ!CTカウント300だ!急げ!グレースが消える!!」

「カウントスタート ラジャー。ライン繋ぎます。」

グレース様が消える?その言葉にリャーレはビクリと身体が震えたが、
ビクトラの聞いたことの無い程の焦りを感じて、リャーレは通信に並行して軍部ヘッドラインを起動した。

「ナイトより コード21 CTカウント300、オーバーBαアルファ 騎士棟会談室 オーバー」

「マジ了解 CTSカウントスタート オーバー」
「ガード了解 CTSカウントスタート オーバー」
「SM了解 CTSカウントスタート オーバー」

ビクトラはリャーレに指示を出しながら、少しでも肉体の分解を止める為グレースの口に指を入れて魔粒子を流し続けた。朱雀は受肉が完了しておらず、魔粒子が扱えずに出来る事を探した結果、神々へ声をかけるという出来る事をし続けている。
リャーレへの通信から3分程度で集められた各隊の隊員が集合し始めた。

「マジ Bαアルファオーバー15名緊急招集に応じて現着。」濃紺のマントの中に騎士服を着た隊員が部隊へ連絡した後、入り口で敬礼して入室する。その後ろからは近衛、特務班の隊員が集まり総勢60名が室内と通路に整列した。

「ランクSから入ってそれ以外は外で待機!急げ!」

指示を受け即座に魔粒子測定値Sランクの隊員10名が部屋に残り、他は退出した。そして、ビクトラはその中から顔見知った豹人のアガットを呼んだ。

「アガット、この方は神子のグレース様だ!受肉前に解離が始まってしまった!この方は黒素地だ!魔粒子の質が問われる、お前らまず馴染ませろ!」

説明しながらビクトラは魔粒子を更に濃く流し込む。

「了解した。特務からやる。アルダン、ルナー、ペルト来い」
「他も馴染ませ合っとけ」

「「「了解」」」

特務の隊員は手を浄化魔道具で浄化して、2人1組になって互いの心臓に手を当てて魔粒子を流し合った。そして、また別の隊員と組んで魔粒子を流し合って互いの魔粒子の質を均一に馴染ませた。

「ビクトラ、どけ。」

アガットに言われて手をグレースの口から引き抜いた。間髪いれずにアガットが指を三本グレースの口に入れて魔粒子を流し始めた。

「ビクトラ、解離から何分だ。」

「15分だ。」

「お前はどれくらい流した。」

「75%だ」

「‼︎死ぬ気か⁉︎」

「俺はこの方と隷属を結んでいる!この方が解離したら俺も時を置かずに死ぬ!」

「…。マジ!ビクトラにそれぞれ10%流せ!」

魔道隊の騎士はマントを脱いで、肩で息をするビクトラに急いで
魔粒子を流した。

「大隊長、無茶しすぎですよ。」

息が整わず、返事も出来ぬほど疲弊したビクリトは無言でソファに沈んで目を瞑った。

「月読命!グレースが!グレースが死んでしまう!すぐ来てくれ!」

やっと天界と繋がった朱雀が泣きながら月読命に懇願し、窓に額をつけてグレースから目を逸らした。

「何故だ!何故これない!グレースが死んでいいのか!?」

朱雀の言葉にビクトラは飛び起き朱雀の肩を掴んで叫んだ。

「どうなってる!グレースの魂は今どこだ!」

朱雀は月読命と交信しているのか、暫く黙った後目を見開いた。

「魂が消えた……この世界にも、天界にも無い…。嘘だ、嘘だ、嘘だ!!」

ビクトラは眼を見開き床に崩れ落ちた。

「マジ、続けろ。」

アガットは冷静に魔粒子をグレースに流し続けながら、横目でビクトラを見ながら魔道隊へ指示を出した。

「大隊長。ソファに。」

ビクトラの両脇を魔道隊の隊員が腕を回してソファへ移動させた。ビクトラは放心して涙を流したままソファに倒れ込んだ。

「ソレスを中に入れますが良いですか?」

特務隊のコレットがアガットに提案すると、アガットは頷いて了承した。

「ソレス、入ってこい。」

黒のマントにソガットという魔粒子の流入放出を防ぐ仮面を付けた隊員が入室した。

「ソレス、この方の魔粒子の流れを追えるか?」

コレットがソレスに聞くと同時にビクトラがか細く答えた。

「この方に魔粒子核は無い。魔粒子は追えない。」

全員がビクトラに振り返り愕然としていた。

「んだが、この方神核もっとらすだ。んや、今出来初めとるね。」

そして、ソレスの言葉にまた全員目を見開いた。

「な!!神核だと?そんな物どうやって!」

コレットがソレスの肩を掴んで揺すった。

「ど、どういうことだ?おい!グレースは大丈夫なのか!?」

朱雀が小柄なソレスをコレットの後ろから掴み上げると、ソガットが外れソレスの顔身体が顕になった。その姿は獣体の龍であった。


































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