神々にもてあそばれて転生したら神様扱いされました。

咲狛洋々

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新生編

RE BORN

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 「はい、一旦休憩です。数値が落ち着きました。」

ルーナは計器を見ながら声をかける。その声に、隊員はやっと解放されたとばかりに床に倒れ込む。それほどに体力と魔粒子を使用して、快楽とは程遠い、まるで苦行を終えた僧侶かの様な面持ちである。サリザンドは眠るグレースの瞼を開いて眼を確認し、魔道具の確認をする。最後に神核を鑑定して息を吐き安堵する。もう、安心だ、そう確信した。

「一か八かでやりましたけど、これで肉体は出来上がりました。後は様子を見ましょう。」

ビクトラはタオルでグレースの体を拭き、水を口移しで飲ませて髪を撫でながら額に口付けを落とす。心からその瞳をもう一度見たいと願い祈っている。

「グレース、早く起きてくれ。もう、こんなのはごめんだ、全然気持ちよく無かったぞ。起きたらご褒美くれよ?」

涙を瞳に溜めてビクトラはグレースの手を取り、枕元に座ってグレースの顔を見つめた。視界がチカチカと発光し、視界が遮られビクトラは思わず眼を瞑ってしまった。その時、まだ耳に記憶が新しい声が聞こえる。

「ご褒美なんて貰えると思ってるの…?待ってるのはお仕置きだよ。」

ゴゴゴゴゴッ

禍々しい黒の光が渦を巻いてグレースを包んだ。

「グレース!!!」

ビクトラはガバッと抱きついてぎゅうぎゅうに抱きしめた。

「おい、ヴィク。お前らもそこに並べ。」

まさかの反応にビクトラは驚き床に転び落ちた。そしてグレースのオーラのあまりの禍々しさに、思わず全員一列に並び敬礼する。でなければ殺されそうな勢いだった。グレースの神力は部屋を包みビリビリと空気が振動させ皆を恐怖で包み込んでゆく。

「おい、お前。俺の喉奥まで突っ込んでくれてありがとな。気持ち良かったか?ん?返事は?」

急に指を指されたコレットは涙目で天を見つめ叫んだ。

「大変具合が宜しくありました!!!」

皆、「ぐっ」と軽く唸り目を瞑った。

「おい、お前。俺の乳首散々こねくり回してくれてありがとな?でもな、テメェの手遊びの道具じゃ無いんだよ。暇だったんか?ん?」

リャーレは耳を押さえて俯いて叫んだ。

「指が私の一族は性感帯の一部でございます!」

「はぅっ!」とまたもや全員腹を押さえて苦しむ。まさに拷問。

皆つぎは自身の番かと震え涙目になり天井を見つめた。

「おい、お前。名前は?」

グレースは睨みを効かせてアガットを呼びつけ躙り寄る。

「は、私は特殊任務部隊 隊長 アガット•ボーゲンと申します。」

アガットは瞬時に冷静さを取り戻し敬礼し、グレースの後ろに視線を定めて眼を合わせない様に直立して固まった。

「アガット、君は俺が嫌い?ずっと眉間に皺寄せてさ、ゴシゴシって節くれた指で歯列なぞってくれちゃって。分かってるよ。助けてくれたんだって。みんなには感謝してしてる。でも、俺はさ。見えてたんだ。皆んながさんっざん俺を可愛がってくれたのをさ。」

グレースは満面の笑みでアガットのシャツの襟を掴んだ。
そして思い切り顔を寄せてキスをした。

「!!!」

アガットは目を白黒させて両手を上げて固まっている。

な、何だこの状態は!このグレース様は何をお考えになっているんだ!?これは、罰か!?うぉ!舌が入ってきた!助けろビクトラ!!

「んーー!んんんん!んむーー!(ビクトラ!たすけろ!これ!)」

ビクトラはうわー。と残念な顔をしてアガットに手を合わせた。

「はぁ。ヴィクの次に君、キスが上手かったよ!受けのセックスも初めてだったのにさ、朱雀とやった時位に君の責めは気持ち良かったよ。ここにいる皆んなさ、あ、そこのピンク毛の君と、青髪のおにーさんもね?」

「俺の恋人兼巡行隊に入れるな?いいよな?助ける為って言ってもやって良い事と悪い事ってあるじゃない?それガン無視してやりたい放題でさ、俺気持ちよく無かったよ。気分的に。だから、原書手に入れたらあんたらの魔粒子空っぽになるまで可愛がって貰うから覚悟してな?」

ツンと顔を横に向けて頬を膨らませたグレースは恥ずかしげに皆を見ながら「ありがと、助けてくれて。」そう言い捨てると部屋を出た。

精一杯の照れ隠しがとんでもなくビッチであった事にグレースは気付かず、都は頭を抱えて絶句していた。
グレースの去った後の部屋では、サリザンドとルーナはポカンと口を開けて立ち尽くし、皆その場に座り込んで灰となった。そして脱隊を検討する隊員もいたと言う。

廊下にはグレースの心浮かれて晴れやかな声が響いている。

「朱雀ーーー!可愛い俺の小鳥!ただいまーー!!」

その声にビクトラは声を殺して咽び泣いた。

「こんなに泣いたのいつぶりだよ。お前の所為で大隊長形なしだぜ。」
「よく帰って来てくれた。」

一瞬でグレースに飲み込まれた人生。新しく生まれ変わった自分をビクトラは嫌いじゃないなと笑った。



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