神々にもてあそばれて転生したら神様扱いされました。

閑話

ソレスという生き物

　「ねぇ、グレース。不思議なんだけど、ソレスって何？」

ソファでグースカ寝こけているソレスの鼻先をチョンと突いて

都はその身体を見た。

「リャーレは龍種って言ってたよな？しかも純血。」

「龍種かぁ。おっきくなるのかな？どう思う？」

「さぁな。でも、オルポーツとは違うんだよな。多分。」

都はソレスをそっと横に抱き、その愛らしい姿を愛でた。

「ふふふ。双葉思い出すなぁ。可愛い。」

プスプスと鼻を鳴らして太い手で都の胸元をフミフミと揉む姿見に

都はたまらなくなって頬擦りして抱きしめた。

「超可愛い！この鱗の肌もさ、ちょっと蛇っぽいけど触り心地良いし、このぶっとくて短い手足！最高！背中の立髪もフワフワで素敵！」

ぎゅうぎゅうに抱きしめられてソレスは「ぐえっ」と目を見開いた。

「何だべ！グレース様でねーが。なんでオラグレース様に抱かれとるんだ？」

「ぷっくくくくくっ！この顔でこの訛りよ。可愛いなぁ」

寝ぼけ眼のソレスは大きく欠伸をすると、スルリと腕から抜け出して

太い足でボテボテ、尻尾をフリフリ、ソファに戻って二度寝を始めた。

「ちょっと都さ、こいつ本当に護衛する気あんのかな？いっつも寝てねーか？」

「ふふふ、なんかずっと結界とか魔術監視、権能やらの鑑定して攻撃されてないかずっと見ててくれてるんだから、そんな事言わないの！今はアガットさんや近衛の人もいるから休んでていいんだよ。」

「都はソレスには甘いからなー。」

都はソレスの足元で腹を撫でて微笑んだ。

「あーーもう！可愛い！食べちゃいたい！」

「この手足！」

両足で頬を包んでその足裏を堪能し、ぴこぴこ動く髭を指で突く。

ソレスへの可愛がりが止まらない都に、思わずステルス中の

特務隊員が吹き出した。

「‼︎え⁉︎嘘⁉︎見てました⁉︎」

辺りをキョロキョロしながら都は絶叫した。

「恥ずかしい！！！！誰！？特務の誰⁉︎」

ステルス中の隊員は、それでもステルスで隠れ続けた。

翌日から、グレースの部屋の前には動物のぬいぐるみや、動物の形を

したお菓子などが山積みされていたとかいないとか。