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神話編
異文化交流
しおりを挟む「ソレス、ソレスの体って依代なの?魂は?」
朱雀に黙って抱かれているソレスは大きな欠伸をするとムニャムニャと口を動かして口からポロッと蒼い塊を吐き出した。
「これだで。これと魂が繋がっとるでね、依代も肉体とリンクしとるだ。オラ達は他所の血をいれらんねぇんだ。だから七つの家だけで番うだ。そんだから、他所の血が入んねぇように村の外に出る者は依代を使うだよ。」
都はソレスを朱雀から受け取るとまじまじとソレスを眺めた。
ムニムニとした暖かい身体は依代には思えない程、生き物のそれ
だった。
「へぇ、俺にもこんな依代欲しいなぁ。」
「都様は無理だべ。」
「何で?」
「本体に魔粒子核がねぇからだべ。」
「やっぱりその問題デカいなぁ。残念。」
「ソレス、可愛い!ギュー!」
「都様はオラの依代好きだべな。いっつも手やら足やら触っとるだ。飽きねぇだか?」
「飽きないよー。しっとりムニムニで、お目々もクリクリでさ可愛い過ぎだ!」
「で、ソレス。お前は神域結界大丈夫なのか?」
サリザンドも興味深げにソレスの身体を鑑定し始めた。
「オラ達に神域結果は意味無ぇだ。加護があるでな。」
「え?加護ってテュルケットの?」
「オラ達の始祖は玄武様だ。聖獣でも一番神力への耐性や抵抗力が強いだよ。神核は誰も引き継いでねぇんだけんど、加護だけは何でか村のモン全員が引き継いどる。」
「え?玄武?あれ?玄武って天界でまだお仕事してたよね?朱雀。」
「あれは四代目だ。原始の玄武は放逐された訳では無かったが行方知れずだった。ここに居たのか」
「朱雀に、青龍、白虎に玄武。揃ったね、、、」
「朱雀は天界にいる。我は今はただの獣人だ。名前はまだ無い、、」
都は思わず朱雀を見て瞬きした。
「あ!本当だ!名前、どうする?つける?グレースに頼む?」
「まぁ、どちらでも構わん。」
「音は同じで漢字変える?」
「漢字って何?都。」
「あ。前世の世界の文字だよ。」
「漢字だと、こう書くんだ。」
「朱、黄色味のある赤を意味する漢字がこれで。雀、スズメっていう鳥を意味する象形文字だね。」
「ほう、面白い。俺達もその漢字とやらで名を表せるのか?」
サリザンドは背後から都をハグしながら紙に書かれた漢字をみて
面白そうにしていた。
「うーん。当て字なら。」
「沙里斬怒…ヤンキーみたい。」
「俺は?」
「えと、流羽那とか月でルーナって読んだりできるかな?本当はルナだけど。」
「都は?どう書くのさ。」
「都、こう書くよ。これは中心地とか人の集まる場所って意味だよ。左が者、人を意味してて、右が大きな場所や領地を表してる。」
漢字で盛り上がり、外国人あるあるだな、、そんな事を考えていたが
部屋をノックする音で皆我に返った。
「はい!どうぞ!」
「失礼します。」
部屋を訪れたのはアガットだった。
わぁーお。何でまたこのタイミング。アガットさんもねー、
グレースに似た所あるんだよなぁ。こう、すぐ物事はっきりさせたがる
所とかね。
「ははは、皆んなも穏やかにいこう!」
それでも睨み合うアガット達に都はソレスを抱きしめ溜息を吐いた。
「都様、少しお話しをさせて頂いても宜しいでしょうか?」
「あぁ、二人がいいですよね?ソレスは一匹だからステイだよ?」
「オラ居ていいだか?」
「出来ましたら…二人が…まぁ、ソレスなら。」
「ルーナ、サリザンド、朱雀さん。また、後ででいいかな?二人で話がしたいんだ。」
アガットと都を残し、サリザンド達は部屋を出たが、すれ違い様に
サリザンドが「自己満足の為ならやめておいた方が良いですよ」そう
呟いたのが都にも聞こえた。
あーあ。もう、何でこんなことになったかなぁ。
グレース、君の所為だぞ?後でサリザンドのドSプレイ堪能させて
やろうかな。ははははは…はぁ。
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