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第四部:郊外の屋敷

(雑記:第四部までの登場人物まとめ)

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++++++++++(第一部から登場した人物)++++++++++

< ライノ・クライス :旅の破邪/勇者 >

一年前から師匠の家を出て遍歴修行中の破邪で、肉体年齢は十八歳。
養父母は『生みの親は不明』だと言っていたが、それはライノを守るための嘘で、実はエルフ貴族の家系を継ぐ耳先の丸いハーフエルフ。

故郷の村で、十歳の時に養父母を魔獣ブラディウルフに殺されるが、その討伐を行った破邪グレッグ・エフィンジャーの弟子になって村を出る。
その後、五年越しの修行を経てエドヴァル王国ロンザ公爵領の師匠筋から一人前と認められ、証となる『印』を貰った。

ハーフエルフとして生まれつき魔力や身体能力共に優れていたが、アスワンの手によって勇者の魂を解放され、人族の限界を突破。
実はその魂は、いにしえの『ライムールの悪竜』を倒したとされる勇者そのものでもある。
アスワンから与えられた魔鍛オリカルクムの刀『ガオケルム』を振るうと共に、各種の精霊魔法を取得し、水・熱・力・土など、『現世』を構成する多様な属性を操って戦う。

また戦闘時は自身や周囲に防護結界を張り巡らすと同時に、通常の数倍から数十倍の速度で周囲を知覚して動くことが出来る(加速率や防御力は投入する魔力量で変化する)


< パルミュナ :大精霊 >

元々はガオケレナの樹(世界樹)の周囲に芽生える回復と癒しの植物たちを守護する大精霊のひとり。
現世うつしよに顕現する時にお気に入りの姿は、銀髪のエルフの美少女。
見た目は変えられるらしいが、現状ライノと一緒の時は人間族換算で十三~十四歳ぐらい(ライノ談)の姿を取り、ライノの妹または従妹いとこおよび婚約者を自称する。
ライノの妹を自称する理由は、ライムール時代のライノの妹の『迷える魂』を取り込んで顕現していたから。

アスワンがライノに与えた魔鍛オリカルクムの打刀(通称:ガオケルム)の鞘と柄は、パルミュナのもたらしたガオケレナの若木の枝から削り出したもので、凄まじい魔力と魔法が込められている。
表面に刻まれている緻密な模様のレリーフも、ある種の魔法陣。


< アスワン :大精霊 >

ポルミサリアの守護者を自認する大精霊。
出自は不明だが、かなり古くから存在しており、歴代の勇者は彼の力を受け取ってきたらしい。
ライムール王国の勇者だったかつてのライノに剣と力を渡したほか、リンスワルド家の祖先でもある南方大陸出身の勇者に力と武具を渡していたのもアスワン。

過去に『良かれと思ってやったことが思わぬ結果になった』経験があり、その反省から、ライノに勇者であることを出来るだけ秘密にするように依頼した様子。
魔術に長けているだけで無く、器用でモノ作りが好きらしく、転移魔法の箱や魔鍛オリカルクムの武具、空間魔法を封じた革袋などは、すべて彼が制作している。


< ラスティユ村の人々 >

・ラキエル&リンデル :双子の狩人で、もうじき結婚する。
 ラキエルの奥さんがミレアロさん、リンデルの婚約者がルシンさん。

・エスラダさん :ラスティユの村長。

・アルメロアさん :村長の姪。村に新しいエルフの血を入れたいという思いでライノに近づこうとするが、その発想を嫌ったパルミュナに阻止される。


< レビリス・タウンド :フォーフェンの破邪 >

フォーフェンの破邪衆寄り合い所で知り合ったハーフエルフの破邪仲間で、ガルシリス城においてライノとパルミュナの真実を知り、ライノの友人となった。
父親がラスティユの村出身のエルフ族で、母親は旧街道沿いにあるホーキン村出身の人間族。
母親の血で耳先は丸い。かなりの男前ハンサムだが顔つき自体は人間族風で、これも母親の血らしいので、恐らく母親はかなりの美形と推測される。
ラキエル&リンデルの従兄弟であり、辿ればエスラダ村長やアルメロアさんとも親戚関係にある。


< マルク・ウェインスさん :破邪衆寄り合い所の世話役 >

ミルシュラント公国の北側に横たわる北部山岳地帯の、さらに向こう側にある北の国「シュバリスマーク」出身。
日頃は温和な紳士という物腰だが、実は歴戦の元遍歴破邪で、危険な大型魔獣の闊歩する北部大山脈を単独で越えたほどの凄腕。
ライノに旧街道の調査を依頼し、結果としてガルシリス城跡と旧街道の怪事件を解決へと導いたライノには深く感謝しており、何かと便宜を図ってくれた。
後日、北部山岳地帯のエキスパートしてライノとレビリスに誘われ、ドラゴンキャラバンに参加。


< そのほかの人々 >

・山賊化したフォーフェンの破邪五人組 ~ 魔獣討伐の依頼を受けて山に入っていた五人組だが、エルスカインの実験の一部で、思念の魔物的な存在に精神を乗っ取られて魔獣化し、山賊となっていた。ライノの精霊水の魔法で浄化されて復帰し、街に戻った。

・アルフライドさん ~ 魔獣の目撃者が出たワンラ村の村長。

・ルーオンさん ~ 噂に詳しいマスコール村の民宿の主。

・エドヴァル出身の盗賊五人組 ~ エドヴァルのとある街で酒場の用心棒や取り立て屋をやっていたが、店が潰れ、食い詰めてミルシュラントに流れてきた。いまはパルミュナの宣誓魔法で悪いことが一切出来なくなっている。

・ガルシリス辺境伯(叛乱伯) ~ 故人。二百年前に、それまでの敵国ルースランドと組んで、ミルシュラント公国の転覆を謀ったが、甥っ子に裏切られて計画が露呈し、当時の大公に討伐された。

・『銀の梟亭』の給仕の娘さん ~ 調理人の兄共々に実は凄い逸材。

・ハートリー村の村長さん ~ エルスカインの操る魔物に精神を乗っ取られて遠隔操作の操り人形と化していたが、ライノに浄化されて復帰。


< 回想 :ライノ・クライスの「親たち」 >

ライノの産みの母は、エルフの王族が統治するアルファニア王国の、とあるエルフ貴族の姫である、シャルティア・レスティーユ。
お家騒動に巻き込まれて襲われた姫たちと旅の途中に偶然出会い、シャルティア姫を刺客から守った遍歴破邪のランス・ウィンガムが実の父。
行きがかりから脱出行を助けるうちにシャルティア姫と愛し合うようになり、姫は亡命先でライノを身籠った。

育ての親は、シャルティア姫の護衛騎士だったフルーモア・クライスと侍女のリリルアで、姫が襲われた時に唯一生き残った家臣。
二人とも、姫と同じ地域の一族なので、耳先が尖っておらず、容易に人間社会に溶け込めていた。
二人はライノを庶民の子供として育てて欲しいというシャルティアからの言伝を守り、流民の夫婦として、遠いエドヴァル王国の農村に潜り込んで生活していた。

本当の夫婦になっていた二人に子供が生まれなかったのは、単に出生率の低いエルフの夫婦だから。



++++++++++(第二部から登場した人物)++++++++++

< ルマント村のアンスロープ族の兄妹 >

ミルバルナ王国・ルマント村出身の狼系の獣人族。
毛色は濃い灰色で頭に獣の耳があり、尻尾も同色。
太古の世界戦争の時代に、闇エルフと呼ばれる勢力が戦闘奴隷とするために呪いで産み出した種族で、完全な狼の姿に変身できる。
狼形態でのサイズと戦闘力はブラディウルフを圧倒するが、人族形態でも強力な戦士だと言われている様子。
三人とも故郷では狩人で、視覚・聴覚・嗅覚などは異常に強い。
忠義心に熱く、レミンを破傷風から救ってくれたライノをナチュラルにリーダーと見做している。(ライノは友人として上下関係を否定している)

長兄『ダンガ』 :かっこいい
妹『レミン』  :可愛くて賢い
末弟『アサム』 :お茶目さん

ライノと行動を共にして居ることから様々な形で精霊の力を体内に取り入れつつあり、一般的なアンスロープ族に較べて、変身時のボディサイズや戦闘力は『常識外れ』に強化されている模様。


< 公国軍治安維持部隊・遊撃班 >

治安維持部隊は公国軍の直下として各地に配属され、警察組織に相当する活動を行っているが、その中でも『遊撃班』はミルシュラント公国全域を活動範囲とする特殊部隊群の総称。
大公の勅命によって領主・貴族の犯罪行為も摘発する権限を持つため、各地の貴族階級の腐敗防止に欠かせない存在。

ケネス・テリオ :遊撃班リーダー、経験豊富で頼れる中年ナイスガイ。
ハース・ジット :参謀役だが格闘技にも優れる。
アンディー・ルカウ :若い剣の達人、意外と優しい。
ロベル・デンス :直情型で涙もろい人情型。ウッカリ者。


< レティシア姫 :リンスワルド伯爵家当主 >

フルネームは、リンスワルド伯・レティシア・ノルテモリアで、ミルシュラント公国リンスワルド伯爵領の領主で実は耳先の丸いエルフ。
以前、エルスカインの手によって、彼女の両親(役の影武者)が事故に見せかけて暗殺されかけたが、その事件とエルスカインの関わりにライノが興味を抱いたことから姫様と出会うことになった。
膨大な魔力保有量を誇ると共に、ライノさえ勇者の力を封印した状態では圧倒されかけるほどの『二刀流小具足取り術』の名手。
演武大会の際は、シーベル家の騎士団に『姫様に勝てそうな奴を思いつけない』と言わしめた。

仲良しの従姉妹で分家のエイテュール家の当主、リンスワルド子爵・フローラシア・エイテュールが、旧街道地域を含むミルシュラントのキャプラ公領地の現在の長官で、互いに協力し合って統治を進めている。
(紛らわしいので領民達はエイテュール子爵と呼称している)

アスワンから血族の由来を教えられた後、南方大陸出身の勇者(リンスワルド家の先祖)が使っていた二振りのオリカルクム製小太刀を拝領した。


< コーネリアス・ヴァーニル :リンスワルド家騎士団護衛隊長 >

厳つい体躯の温和な紳士。
姫様専属の護衛騎士隊長なので、視察などの外出時には必ず姫様と同行する役どころ。
一見、脳筋の武闘派のように見せているが、実は鋭い。


< シンシア・ジットレイン :リンスワルド伯爵家筆頭魔道士 >

実は勇者の血筋に連なるリンスワルド家現当主レティシアの娘(嫡子)で、本名はシンシア・ノルテモリア・リンスワルド。
そして父親は現ミルシュラント公国の君主である「ジュリアス・スターリング大公」だが、公式には伯爵家に雇われた魔道士として振る舞っており、将来の爵位継承を踏まえて対外的には父母双方ともに親子であることを隠している。

父親のジュリアス大公は人間族なのでシンシアはハーフエルフ。
母親と同じく魔力保有量が非常に高いせいで肉体的な成長が遅い。
ライノと出会った時点での実年齢は十三歳だが、その才能と知能からライノは、シンシアの若さは見かけだけで、実は自分より年長ではないかと疑っていた。
耳先が尖っているのはエルフ感の演出らしい。


< フローラシア・エイテュール :エイテュール・リンスワルド子爵家当主 / 侍女のエマーニュ >

姫様の侍女を演じる時に名乗っている『エマーニュ』は幼少期のあだ名で、本来の名前はリンスワルド子伯(副伯爵)バイカウント・フローラシア・エイテュール。

レティシア姫の従妹にあたり、ノルテモリア・リンスワルド伯爵家の分家であるエイテュール・リンスワルド子爵家の当主で、ミルシュラント公国キャプラ公領地の行政長官でもある。
領民達は混乱するので単純に『リンスワルド伯爵』と『エイテュール子爵』と呼び分けているが、本人達はまったく気に留めていない模様。
見た目的には姫様と同世代らしきグラマラスな美女で回復魔法の名手。
清楚なレティシア姫とは対照的に華やかな雰囲気があるため、ライノは彼女のことを『薄桃色の薔薇のよう』と評した。


< そのほかの人々 :第二部 >

・ヒギンズさんとバイロンさん ~ 養魚場の関係者。

・お兄さん ~ 岩塩採掘場の作業員で、同僚の悪党二人にそそのかされてライノ一行に絡んできた王都出身の若造。

・ロイド・カーソンさん & マクミランさん ~ 岩塩採掘場の当番破邪でレビリスの同僚。

・ファーマさん ~ レティシア姫を狙ったエルスカインの罠に利用され、スパインボアの畜産に手を出していたポリノー村の村長。

・ローザック氏 ~ リンスワルド家の騎士でヴァーニル隊長の部下。護衛部隊に所属していたが街道の襲撃で大怪我を負い、混濁した中でダンガとアサムに剣を向けたとして謝罪に訪れた。
その後、怪我の回復後にフォーフェンの騎士団連絡所に常駐する分隊長に任ぜられ、連絡所の厩をライノ達の転移場所として管理することになった。



++++++++++(第三部から登場した人物)++++++++++

< ミルカ・シルヴァン :リンスワルド伯爵家の騎士 >

剣の達人で、北の国、エストフカ王国出身の元遍歴騎士。
仕えていた男爵家が凋落して騎士団も解散となったために失職。
同僚達はほとんどが同じエストフカ王国内の貴族の元に再仕官したが、それらの話は断って『見聞を広める』という理由で故郷を出て遍歴の騎士となった。
ミルシュラント公国をあちこち旅した後、レティシア姫の目に留まってリンスワルド家に正騎士として雇用された。
シーベル家騎士団との懇親演武大会で優勝。
姫様からライノとパルミュナの乗る馬車の護衛に任じられていたが、ドラゴンキャラバンの出立に合わせてメイドのテレーズさんと共に本城に戻り、ライノが譲り受けた『離れ』の警護責任者となった。
ライノはシルヴァンさんを『ヴァーニル隊長を上回る強さの持ち主ではないか』と睨んでいる。


< サミュエル・スタイン :リンスワルド家騎士団護衛隊員 >

リンスワルド家騎士団の若手ホープ。
シーベル子爵家を訪れた際に、姫様に促されて恋人のトレナちゃんと正式婚約。
婚約式の介添人となったライノから、記念にアスワン謹製オリカルクムの短剣をプレゼントされた。
感激して『家宝にする』と言ったが、ライノから『道具はただの道具』と諭され、以降は常時佩刀はいとうしている
また、その際パルミュナからの婚約記念として、邪気を払いちびっ子たちを呼び寄せる『精霊の祝福』を婚約者のトレナちゃんと共に受けている。


< トレナちゃん :リンスワルド家のメイド > 

姫様付の雑用係をしている小間使いで、相思相愛だった騎士のサミュエル君と婚約し、パルミュナから婚約記念に『精霊の祝福』を受けて幸せの絶頂。
幼く愛らしい見た目に反して? 超有能らしい。
サミュエル君が常時オリカルクムの短剣を佩刀しているのは、いつなんどきでも彼女を守るという決意。


< シーベル卿 :シーベル子爵家当主 >

シーベル子伯(副伯)・フランツ・ラミング。
爵位はフローラシアと同じく子爵(副伯)バイカウントなので、伯爵より一つ下。
白髪をきっちりと撫で付けたダンディな中年貴族で、レティシア姫のファン。
リンスワルド家とは違う方向性で貴族的なビジュアルを重視する美的感覚の家風だが、心根はやさしく誠実。

一人息子のゲオルグ青年が重い病(に見える呪い)に伏していることが懸案だったが、ライノとパルミュナによって救われた。
シンシアによる魂への宣誓魔法を受諾してリンスワルド家と勇者の真実、そしてエルスカインとの戦いの全容を知った。


< ゲオルグ・ラミング :シーベル子爵家の跡取り >

シーベル子爵の一人息子で爵位継承者。
裏切っていた従僕のカルヴィノの手によって、エルスカインの罠に利用されて長らく病床に伏していたが、パルミュナに解呪されて健康を取り戻した。


< カルヴィノ :ゲオルグ青年の従僕 >

魂を持つ『ホンモノ』のホムンクルス。妹の死に直面して悲哀にくれていたところをエルスカインにつけ込まれ、自ら望んでホムンクルスになっていた。
ホムクルスになったタイミングを利用して宣誓魔法をすり抜け、ゲオルグ君の謀殺計画に加担していたが、ライノとパルミュナによってシーベル城から追われる。
その後、仲間である偽オットーを頼ってギュンター邸に逃げ込んでいたがライノに見つかり、エルスカインと離れることを条件に放逐された。


< ギュンター・ラミング卿 :シーベル子爵家の次男 >

シーベル子爵の実弟で、領地や国家運営に関する発言権を持たない『名誉子爵』となっている。
兄から譲られたシーベル家の狩猟地で静かに暮らしていたが、エルスカインの謀略に巻き込まれて騙され、あやうく騒乱の中心人物として犠牲になるところだった。
ライノとパルミュナの活躍によって救われ、兄のフランツとも和解。


< スライ・グラニエ :傭兵 >

七人組のドゥノス傭兵団のリーダー。
傭兵団のとりまとめ役で、知己の紹介を通じて偽オットーから連絡を受け、傭兵達を集めた。
ライノに雇われることになったことから、全員をまとめて一つの傭兵団と見做す必要があると、スライの発案で『シャッセル兵団』を名乗ることになった。
以降、事実上のシャッセル兵団リーダーとなる。
博識で経験豊富。
本人は口にしないが、良家の坊ちゃん出身という疑惑あり。


< ジュリアス・スターリング公 :現大公陛下 >

ミルシュラント公国建立の祖で初代大公であるウィリアム・スターリング公の直系の子孫。
そして実はシンシアの父親だが、リンスワルド家の血の問題からレティシア姫と正式に結婚してはいないので表だって公表はしていない。
レティシア姫も、大公を自らの夫ではなく『かつての恋人』であり『シンシアの父親』であると位置づけている。
ライノ達はシンプルに『ジュリアス卿』と呼ぶが、レティシア姫だけは親しく『ジュリア』と呼びかけている。


< そのほかの人々 :第三部 >

・ブレーズさん ~ ライノとパルミュナが姫様からあてがわれている馬車の専属御者。ポリノー村までスパインボアを誘導する時の馬車を動かしていた人でもある。

・ハルトマン氏 ~ シーベル子爵家騎士団の護衛隊長。

・アドラー氏 ~ ライノと手合わせしたシーベル子爵家騎士団一の猛者で好漢。演武大会ではシルヴァン氏と優勝争いをして敗れた。

・ボーマン氏 ~ シーベル家の家令で、筆頭執事的な存在。

・ライネリオ・モンタルバン / マチルド・オランジュ / トリスタン・パイヤール ~ シーベル子爵家の魔道士。
三人とも、シーベル卿の亡き妻の実家であるポルセト王国の貴族の家から紹介を受けてシーベル家に仕えるようになった外国生まれの魔道士。

・偽オットー ~ 本来はギュンター卿の家令だったオットー氏の亡骸を元に創り出された『ニセモノ』のホムンクルス。

・バルテルさん ~ ギュンター卿の狩猟地の番人。狩猟地の環境や生態系を守ることを専門とする、いわゆる『ゲームキーパー』で、一時的にカルヴィノのモヤにあてられたが、ライノに浄化されて無事に復帰した。


ー 閑話 :大公家とリンスワルド家の祖先 ー

< シルヴィア・ノルテモリア・リンスワルド :初代リンスワルド伯 >

アルファニア王国を出てミルシュラントに移住した伯爵家の始祖。
ミルシュラント公国を建立したウィリアム公の護衛騎士となって幼少の頃から常に側に傅き、大戦争時には全ての戦場でウィリアム公と行動を共にした。
戦中の多大な功績によって伯爵に叙爵され、かつてのゲルトリンク王国とシュマイヤー王国の二つの小国、およびガルシリス領の一部を領地として下賜される。(代わりにガルシリス家は大穀倉地帯だった旧ツベルナ王国をそっくり拝領して領地を西にずらした。それが現在のキャプラ公領地)

後にウィリアム・スターリング公の恋人となって娘を産み、現在のリンスワルド領の礎を築く。(女児しか産めないリンスワルド家の事情から、ウィリアム公と正式な結婚をしなかったため)
実は祖父がアスワンの力を承けた南方大陸出身の勇者の一人であり、同時に『二刀流小具足取り術』をリンスワルド一族に伝授した師範だった。


< ウィリアム・スターリング公 :初代ミルシュラント大公 >

当時は小国の一つであったミルシュラントの盟主アルバート・スターリング卿の長男として生まれ、後に大戦争の渦中で家督を相続。
周囲の小国や部族連合を次々と味方に付けて大戦争を勝ち抜き、一代にしてミルシュラントを大国に育て上げた傑物。
統一国家としてのミルシュラント樹立後も『王』を名乗らず、自ら『大公』と称したのは、大戦争において連合を支えてくれた様々な勢力への気遣い。

シルヴィアの子孫であるリンスワルド一族は、実はウィリアム大公の血を引いている存在でもあり、特にシンシアは父方と母方の双方からウィリアム大公の血を受け継いでいることになる。



++++++++++(第四部から登場した人物概要)++++++++++

< クルト・ラミング卿 >

シーベル子爵の末弟で、兄のギュンター卿と同じく爵位継承権を放棄し、さらに名誉子爵位も辞退して公国軍治安部隊の連隊長に就任している。
本来、貴族家による不正行為なども摘発する『遊撃班』の上位組織の長であることから貴族出身の者は連隊長に就任できないが、爵位を完全に放棄したことを大公に認められて抜擢された。


< テレーズさん :リンスワルド家のメイド >

リンスワルド家の古参メイドの一人。当初は世話係としてアスワンの屋敷に派遣されたが、ドラゴンキャラバンの出発に当たり、『手紙番』として騎士のシルヴァンさんと一緒にリンスワルド城に戻っている。


< シャルロットさん :リンスワルド家のメイド >

姫様の部屋付メイドのトップで、言うなればトレナちゃんの上司。
現在は王都別邸の手紙番を任ぜられている。


< ダーフト・インメル :ドルトーヘン代官代行 >

北部地域の領主であるヒューン男爵の血縁者を名乗る男。立場を利用して勝手な徴税法をでっち上げ、街を通過する商人から金をゆすったり、女性を屋敷に連れ込んだりの悪行を重ねていたようだが、街を訪れたレティシア姫に目を付けたのが運の尽きとなった。
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