俺のご主人様になれ!

秋山龍央

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第5話

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九澄は今、リビングに据えられた応接テーブルの上に仰向けで寝ころんでいる。
だが、ただ寝転がっているわけではない。全裸でテーブルの上に仰向けの体勢でいるため、正面のソファに座っているおれからは九澄の顔、胸、腹、股間……すべてが丸見えの状態だ。
しかも、先ほどおれが九澄に命令して、もっと股間の部分が見えやすいように足を肩幅ていどに開かせているので、勃起した陰茎、その根本の二つの陰嚢、そしてその奥の窄まりすらありありと見えている状態である。

こんな格好を他人に見せるとなる、大抵の人間は羞恥や緊張のあまり、すぐに萎えさせてしまいそうなものだが、九澄の陰茎はいまだに勃ちあがったままである。

でも、それは九澄の陰茎の状況もあるかもしれない。

先程もってきた3つのローター。
まず、その2つは九澄の陰嚢の部分につけられていた。マジックテープでそれぞれの陰嚢にしっかりとくくりつけられている。
そして最後のローターは、これもまた九澄の陰茎の亀頭部分にしっかりとマジックテープでまきつけられ、外れないようにされている。

その3つのローターは微弱な振動をぶるぶると続け、九澄の陰茎に絶え間ない刺激をもたらしているのだ。どんなに恥ずかしくても、この刺激に対して抗うのは困難だろう。

「ふっ……はぁ、ぁ、ンあっ……!」

……とうの九澄はむしろ、そんな羞恥すら歓びの内のようだが。

「確かにおれが言ったことだけどさ。アンタが昨日、どうやって一人でシてみせたかやってみて、って。でも、ここまでとは思わなかったな」
「あっ……ん、ふぅ……ッ、だって、」
「ん?」
「……あの時の一ノ瀬が、俺の理想すぎたから……んンッ、だから、俺、あの時のことを思い出したら全然おさまんなくなっちまって……ぁッ、くぅ……!」
「……理想、ねぇ」

嬉しいんだが嬉しくないんだか、ビミョーな気分だな……。
あ。でも、おれなんかの言動で、あの九澄がこんなに乱れてるっていうなら、それは気分がいいな。まぁ、でも理想なんていうのは、先生の買いかぶりってもんだ。
なにせおれ、童貞だぜ?
あの時は学校内って特殊なシチュエーションだから、お互いに気分が盛り上がってただけだろう。

「悪いけど、おれはそんなんじゃないしさ。前も言ったけど、九澄先生はすぐにガッカリすると思うよ。……ま、今はおれも試したいことが色々あるから、しばらくは頑張るけどね」
「んっ……ふ、ぁ……」

九澄はおれの言葉を理解しているのかしていないのか、とろんとした瞳をこちらに向けてくる。
その額から汗がひとしずく、瞼の上へと垂れている。おれは身体をソファからわずかに起こして、指先でその汗をぬぐってやった。

「……ぁ、一ノ瀬……っ」
「なに、九澄先生?」
「……そろそろ、後ろ、ほぐれたから……」

そう。九澄は今、陰茎にローターを3つ巻き付けつつ、自分で後肛に手を伸ばして、ローションを使って指先でそこをほぐしていたのである。おかげで、おれの位置からは九澄の真っ赤な蕾に指がぐちゅぐちゅと出し挿れされる様を特等席でバッチリ拝見させていただいた。
もっと時間がかかると思ったのだが、あんがい、短かったな。連日、後ろにオモチャを入れて自慰をしているから、他人よりはほぐれているのかもしれない。

「わかった。じゃあ、入れてみて。ちゃんと、昨日一人でやったみたいにしろよ?」
「…………はい」

なぜか敬語で頷く九澄。
だが、嫌な気分はしない。むしろその逆だ。

おれは再度ソファに腰を下ろす。深く座ってしまうと九澄の顔が見えなくなってしまうので、浅めに、少し前かがみの姿勢で腰掛ける。そして、ソファの傍らに置いてあった、先程のシリコンの大人のオモチャ――九澄いわく、アナルパールというんだそうが――を手に取り、九澄へと渡した。

九澄はおれの顔を一瞬ちらりと見たが、羞恥が勝ったのか、ぎゅうっと瞼を閉じた。

そして、九澄はとうとうそのアナルパールを自分の後肛へと差し入れた。

「ひぅっ……」

うわ、すごい。
本当に、あんなのが入っちゃうんだ。

「んっ、ぁ、はぁ……んぁッ!」
「九澄先生、気づいてる? 後ろがボールを飲み込む度、先っぽからぴゅって先走りがすごい溢れてるの」
「ぁ、ふっ、んンっ……! い、言うなよ、そんなの……ッ」
「どうして? 先生は、言葉にされた方が恥ずかしくてイイんだろ? おれが実況すると、嬉しそうに後ろの口がパクパクするじゃん」
「ッあ、それは、ッ……ぁンっ」

それとも、嫌よ嫌よも好きのうちということなんだろうか。ちょっと違うかな。
どうも九澄の様子を伺う限り、「あられもない姿を見られる」ことに性的興奮は覚えるようだが、まっとうな羞恥心がないわけじゃないらしい。だから、人並みに恥ずかしさは覚えるけれども、そのシチュエーションに逆に興奮してしまう……という感じのようだ。

そのため、おれがソファに座って九澄が自分の後ろにアナルパールを埋めているのを見るだけで、九澄の陰茎からは面白いぐらいにだらだらと先走りがこぼれ、テーブルの上に小さな水たまりを作ってしまうほどだった。
陰茎にはローターが巻き付いて振動を繰り返しているものの、それのメモリはいまだに「弱」だし、おれは指一本触ってないのに、すごい有様である。

……色々とすごいな。本当に。
っつーか先生、おれとのこと思い出して、こんなすごいコトしてたんだ?

普通だったら、同性にオナネタに使われるとか、すごい気分が下がることなのかもしれないけど……なんでだろう。今のおれは、すっごい興奮してる。
その興奮のままに、おれは九澄の後肛に指を這わせてみる。アナルパールをぐぽぐぽと飲み込んだそこは、シワがなくなるほど広がりきって、アナルパールを美味しそうに飲み込んでいた。そのギチギチに広がりきった穴の縁を、指先でゆっくりとなぞってみる。

「ッア、ぁ、んああッ! い、一ノ瀬、そんな……今、そこ、触れるんの、やばいっ……!」
「え? おれ、指で軽くなぞってるだけだぜ? これだけでそんなにイイの?」
「ひぅッ、んンッ……!」
「じゃあ、爪でこういう風にカリカリするのはどう?」
「アァあッ、ンああぁァッ! い、いいッ! そこ、気持ちいいッ……!」

おれが穴の縁を人差し指の爪でカリカリと軽くひっかいてやると、九澄がそれに合わせて後肛に埋めているアナルパールの挿き差しを早めた。九澄の後肛からは、ぐちょぐちょと濡れた音が響く。

「ぁ、だめ、一ノ瀬、俺、もうイくッ……!」
「――あ。それはダメ」
「っ!!!???」

あっぶねー。
九澄の興奮に煽られちゃったぜ。危うく、おれが九澄をイかせるところだった。

だが、すんでの所でそれはなんとか防げたようだ。
九澄の後肛をいじっていた手を離し、慌てて九澄の陰茎の根本を片手で握りしめたのである。それによって尿道口が押さえられ、九澄の射精をなんとか止めることはできたようだ。
よかった。実験としては、おれが九澄をイかせちゃダメなんだよ。あくまでも九澄が「おれの命令に従って自慰を行う」ことで、頭の上に表示されているオナニーカウントが進むのかどうか、を見たいんだ。

「ぁ……な、なんで、一ノ瀬ぇ……」
「うん? ほら、最初に言っただろ? 今日は九澄先生に、あくまでも自慰をして欲しいんだよ。おれがイかせちゃダメなんだよなー」
「ぅ……」

途中で射精を無理やり止められたせいか、九澄が切なげな顔でおれを見上げる。
うーん、やっぱり本当にイケメンだな、九澄は。おれが同じような表情をしても、姉ちゃんあたりに「なによ? ドッグフードでも食べたいの?」とか言われるだけだ。イケメンはどんな顔をしても様になるなぁ。

だが、そんな顔で見られてもダメなものはダメなのだ。
おれは実験を行わなければいけないのである。

「ほら、さっさと続き。ご主人様の命令だぞ?」
「……ぅ……」

おれの言葉に九澄は観念したのか、再び、アナルパールをじゅぽじゅぽと自分の後肛に挿き差しを始めた。
イきかけの途中だったからか、その顔は再び真っ赤になってとろけ始める。

「っあ……ん、あッ、ふぁッ……!」
「イく時はちゃんとおれに教えてね」
「んっ、……ふぅッ……」

目をとろんと潤ませて、はぁはぁを荒い息をこぼす九澄。

……すごい、ぞくぞくする。
九澄はいつも学校で――どんな時でも余裕綽々の、頼りがいのあって隙のない、けれど奢ったところのない気さくな教師だ。非の打ち所がない完璧人間だ。しかも、その容姿や体格だって、同性ですら見惚れるようなほどのものだ。

そんな九澄がおれの前で、こんなあられもない姿を晒してるなんて。
有り体に言って――すごく、興奮する。

「九澄先生は、学校では完璧超人のイケメン教師なのに……家では、一人でこんなことしてるんだ?」
「っ………」

おれの言葉に、九澄が顔をますます真っ赤にさせて顔をそらす。
その顎をつかまえて、無理やりに自分の方を向かせる。

「家だとこんなにいやらしい格好で、一人遊びばっかりしてるんだ、九澄先生」
「ん……っ……は、はい……んンッ!」

会話の合間も、九澄は自分の後ろにアナルパールを突き入れるのを止めようとしない。
だんだんと九澄の吐息が荒くなってきた。もう、絶頂も間近なんだろう。

「ふぅん。でもおれは、今のアンタの方が好きだな。学校での九澄先生は、なんか仮面でも被って演技してるみたいで、今まであんまり好きじゃなかったんだけど」
「っ……!? ぁ、……い、一ノ瀬……ッ!」
「ん?」
「それ……本当か? ンッ……い、今の俺なんかの方が、いいなんて、本気で思うのか……ッ?」

……?
九澄先生の質問の意味がよく分からないが、言葉通りの意味でいいのだろうか?

「うん。今の九澄先生の方がおれは好き」
「ん、うァッ……あ、ァ……ぁ――ッ!」

――あ、イった。

おれが答えるのとほとんど同時に、九澄は射精した。
しかし、陰茎に直接的な刺激を与えての射精ではなかったためか、陰茎から吐き出される白濁液に勢いはなかった。まるで、アナルパールの蠕動に押し出されるようにして、先端からドロドロとゆっくり白濁液が流れ出てくる。

「ふッ、ァ……ん……」

九澄は肩で息をしながら、ぼんやりと虚空を見つめている。絶頂の余韻からまだ意識が戻らないのだろう。

えーっと……とりあえず、実験結果か。
九澄の頭上に浮かんでいるオナニー回数のカウント数――それは、今回はカウントされていなかった。
ふむ……。この前の結果で、「オナニーによる射精の回数で数字が進む」というのは証明されている。しかし、今回は数字がカウントされていない。
つまりこれは、「他人に命じられての自慰行為は、厳密なオナニーとはカウントされない」ということか。セックス間のプレイ行為に該当するということだろう。
よしよし、これでおれの能力の把握には成功したな。
……でもこれ、成功したはいいけど、将来的にこの能力を活用する時って来るんだろうか?
というか活用したが最後、おれは社会的に死亡するような事態になるのでは?

…………。

……と、とりあえず、九澄をなんとかしてやるか!
陰茎に取り付けたローターがまだ可動しっぱなしだったので、それのスイッチは切る。
後肛に差さったままのアナルパールは……触っていいものなのか、まるで分からん。変に触って、九澄に痛い思いをさせるのも悪いし、これは手をつけないでおこう……。
えっと。じゃあローターだけは外すか。で、濡れタオルでも持ってこよう。九澄はシャワー浴びるかもしれないけど、机とか床とか、いろいろ拭かないといけないだろうしな、うん。
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