僕は隣国王子に恋をする

泡沫の泡

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第7章 僕は女の嫉妬が一番怖い

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執事長に珍しく用事があったエイダン。
暗い廊下を歩いていると、ある一室から男達の声と甲高い少年のような声が聞こえてきた。

結月の声に似ているような。
そう思い、ドアを少しだけ開けて中を確認する。

「……っ」

驚きのあまりエイダンは声が出ず、小さく息が漏れた。
とにかく報告をしなければ。
そう思ったエイダンはルークに一報入れると、ドアを開けて勢いよく中に入っていった。

一方、エイダンからの連絡を受けて焦るルーク。
まさかそんな事態になるとは。
ルークはつるぎと火薬を持って、結月のいる部屋へと駆けていった。

真っ暗な廊下を辿ると、一室からエイダンの唸った声と何かを切り裂く音が聞こえる。
ルークは剣を握りしめ、その部屋へ駆け込んだ。

分裂した触手に苦戦するエイダン。
その傍らで結月は全裸になり、ビクビクと痙攣している。

目の光を失った結月に、ルークは歯を食いしばった。
怒りに任せ、火薬に火をつけて触手に投げつける。
触手であろうと、植物は植物。
みるみるうちに火が燃え移り、触手は灰となり姿を消したのだった。

「ユヅっ……」

ルークは急いで駆け寄ると、自分の肩に羽織っていたマントで結月を包んだ。
あとから駆けつけた第一騎士団に、男達は無事捕えられた。
今回の黒幕に心当たりのあったルークは、至急その人物を調べるようにエイダンに伝えると、結月を連れて去っていった。

結月を横抱きにして、ルークは自室へ向かう。
歩くごとにその振動がつらいのか、結月は頬を染めてつらそうにうめく。
艶っぽい表情に耐えながら、ルークはしっかりと結月を支えた。
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