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転生 始まりの街

お腹減りまして

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ぐぅーとお腹の虫が空腹を訴えるように大きく泣いた。

とりあえずお腹をみたそうと家の中なのだからキッチンがあるのではないかと考え、部屋を出ると部屋を出て、ついでに探索する。

斜め横の部屋を開けるとベットとテーブルと椅子と棚には裁縫道具が、置かれていた。

「誰かと住んでた痕跡のためかな。うーん、母親にしておこうかな。怪しまれるし」

少しずつ自分の生い立ちを作り上げるしかない。ボロが出ない設定を。

下へ続く階段を降りると一階は共有スペースのためか扉がないようだ。
キッチンとテーブルがある部屋と、お風呂と脱衣所兼洗面所があった。

キッチンがある部屋は結構広く、窯とコンロと作業スペースがあった。アイドリングキッチンのような作りでコンロは二口コンロで横並びで使い勝手が良いだろう。

窯には扉がついており温度管理や埃を防げれるだろう。その横には赤い丸い石がつけられていた。コンロにも当然のように赤い石がつけられていた。

シンクにもお風呂場や洗面台のところには青色の石がついていた。

「ネェージュ、この石は何ー?」

曰く魔石だそうだ。属性によって色が異なるそうで赤は火、青は水だそうだ。

「まあ、わたしには水の魔法が使えるから関係ないけど……」

「ホォー…」

否定する声で鳴きフクロウ特有の首振りをして擦り寄ってくる。
ふわふわな毛は気持ち良く、毎回マリも頬擦りしてしまう。

水回りなど、日常的に使う所には魔石が取り付けられるのが近代の基準だそうだ。

昔は、井戸や川や隣近所や火打ち石などのでやっていたが、人工的に魔石が作れる安価で手に入るようになり、この魔石を使った調理器具としてコンロや、水栓、なんと冷蔵庫も普及したそうだ。

その結果、火事や水を介した病気などが減ったそうだ。

「なるほどねー結構地球と変わらないみたい。……水道光熱費かからないの最高って思っけど魔石にお金かかるじゃん」

魔石が透明になり吸石に戻ると、店に返却し新しい魔石を買う。一個銅貨2枚程度らしく、銀貨一枚あれば一ヶ月持つという。

「じゃあ、ためしにシンクの方を使ってみるねー」

使い方は魔力を流せばいいらしい。魔法を使えば自然と流し方を覚えるらしく間隔で出来る。

マリも魔法の練習をしたおかげかすんなりと使え、水が出てきた。
ネェージュは流れた水を器用に飲み始めた。

満足してマリの方に戻ってきたところでグッと押し込んで魔石の効力を止めた。魔力を流したとき奥に沈んだのでもしかしてとやってみたところビンゴ。

「うん、使いやすい。勢いも多分レバーで調節できるぽいし」

魔石の横に左右にスライドさせるレバーがあるからそれだろう

「さて、何作ろうかな」

アイテムスペースで食料や調味料を確認すると、卵とパン、マヨネーズ、塩と胡椒にがあった。

「うん、たまごサンドにしよう」

ポイポイと取り出し、キッチンの収納棚にマッシャーと小さな鍋を取り出した。

「あれ?普通に取り出したけど、もしかして女神の仕業」

「ホォー!」

「うん、その顔大当たりか、可愛いからゆるす」

頭をグリグリとふわふわな胸あたりに押し付けるとやめてーとばかりに突かれた。

「ネェージュはどうする?」

「ホォ!」

バサバサと窓のところに飛んでいくと器用に嘴で開けると飛んでいった。

「あー、人目につかないところで食事は正直ありがたい、猛禽類の食事ってえぐいからねぇ」

慣れた手つきで、沸いたお湯に卵をいれて茹でていく。

砂時計も用意されていたのでひっくり返して目に入る場所に置いておく。

ボウルにマヨネーズ、バジル、塩胡椒を入れて、あらかじめ混ぜて置く。

パンの耳は小皿に置いてからアイテムスペースに戻した。マスタードを薄めに塗ったところで、砂が全部落ち火を止めてシンクに持っていく。

「水よ流れよ」

魔法媒体は首に下げたままなので魔法で水を出し熱いお湯を押し流すように鍋から流れ出るといい温度になった。

そこに氷魔法で氷を浮かせ卵の熱を取っていく。

生ゴミ用の入れ物を用意して卵を殻を剥くと先程とは違うボウルにいれるとマッシャーで潰していき、作ったマヨネーズをペラで混ぜて最後にパセリを加えパンに乗せて完成。

料理は凝ったものはできないが簡単なものなら作れるがさほどレパートリーは多くないので、一ヶ月過ぎると売店や屋台があれば、買ってアイテムスペースに入れていくことになるだろう。

「まあ、お金はかかるけどね……さて。食べますか」

出来上がったたまごサンドをテーブルに持っていく。

食器棚から木のコップを取り出すと冷蔵庫らしき腰あたりぐらいまでの大きさのこちらの冷蔵庫を開けた。

中には水差しに入ったレモンによく似た果実が入った水が、申し訳ない程度にそれだけ入っていた。

女神はすぐに歩き回ると思って用意してくれていたのだろう。

テーブルまで持っていきコポコポとついで行き、一息ついた。

「いただきます」

こちらにきて初めての食事に頬を綻ばせた。
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