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02 一人の朝
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ふ、と
何かに起こされ目を開ける。
だるい体を動かし、時計を見る。
日もまだ出ていない,早朝。
それでも起こされたからには、起きなければ。
身を起こすと、ベッドの上にそれはいた。
「おはよう、スシャータ」
シュー、と静かに鳴く。
体を動かすと、おとなしくベッドから下りる。
蛇独特の動きに、ぼんやりと紅い鱗が光る。
小さいころからずっと一緒にいるが、いつ見ても綺麗だ。
スシャータは純粋なヘビ種のテイムだが、紅の鱗を持つ。
これが、俺の昔からの自慢だった。
「はいはい、分かってるって」
床に足を下ろすと、すぐにスシャータがよってくる。
足に巻きつくようにじゃれて、急かしてくる。
踏まないように,引っかからないように気をつけながらクローゼットまで歩く。
戸を開けると、大きなガラス瓶に液体が満たされていた。
(……昨日の夕方には、ほとんどなかったよな、)
どうやら、ルームメイトの仕業らしい。
上段から底の浅い皿を取り出し、液体を注ぐ。
スシャータの前に置くとシュルシュルと足から離れ、皿へ向かう。
ピチャピチャと舐める音を聞きながら、部屋を仕切るカーテンを開く。
向こうのベッドには,誰もいない。
昨日と変わらない状態が、そこにはあった。
「…何してんだか」
あいつがベッドで寝ている姿を見たのは、一体いつだろう。
十年以上この学園のこの部屋にいるが、いつも机に向かっているか薬水を調合している。
それ以外の姿は、ほとんど印象がない。
ため息を一つ吐いて、窓を開けた。
何かに起こされ目を開ける。
だるい体を動かし、時計を見る。
日もまだ出ていない,早朝。
それでも起こされたからには、起きなければ。
身を起こすと、ベッドの上にそれはいた。
「おはよう、スシャータ」
シュー、と静かに鳴く。
体を動かすと、おとなしくベッドから下りる。
蛇独特の動きに、ぼんやりと紅い鱗が光る。
小さいころからずっと一緒にいるが、いつ見ても綺麗だ。
スシャータは純粋なヘビ種のテイムだが、紅の鱗を持つ。
これが、俺の昔からの自慢だった。
「はいはい、分かってるって」
床に足を下ろすと、すぐにスシャータがよってくる。
足に巻きつくようにじゃれて、急かしてくる。
踏まないように,引っかからないように気をつけながらクローゼットまで歩く。
戸を開けると、大きなガラス瓶に液体が満たされていた。
(……昨日の夕方には、ほとんどなかったよな、)
どうやら、ルームメイトの仕業らしい。
上段から底の浅い皿を取り出し、液体を注ぐ。
スシャータの前に置くとシュルシュルと足から離れ、皿へ向かう。
ピチャピチャと舐める音を聞きながら、部屋を仕切るカーテンを開く。
向こうのベッドには,誰もいない。
昨日と変わらない状態が、そこにはあった。
「…何してんだか」
あいつがベッドで寝ている姿を見たのは、一体いつだろう。
十年以上この学園のこの部屋にいるが、いつも机に向かっているか薬水を調合している。
それ以外の姿は、ほとんど印象がない。
ため息を一つ吐いて、窓を開けた。
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