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王女の重圧。
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きつね色の衣を纏うそれをフォークで突き刺すと、サクッとした小気味良い音がして中から汁が滲み出す。それを口に放り込んで舌の上で転がし、上下の刃で切断すると閉じ込められていた濃厚な肉汁が溢れ出した。食事が美味しいと人は笑顔になるねぇ。
王様の過剰サプライズの後に別室へと案内された私達。教室を二つ繋げたくらいの広さの部屋には、二十人は座れるであろう長さのテーブルと椅子が並べられていた。真っ白で繊細な手触りがするテーブルクロスの上には、数多の食器が煌びやかに並べられていて、その皿の上には今後もお目に掛かる事もないだろう食事が湯気を立てて待ち構えていた。
「コレ、凄く美味しい」
「それは『ランニングガリナ』の貴重な部位ですわね」
「ランニングガリナ?」
「対岸の街、『クサントス』より西に広がる草原に生息する鳥の魔物ですわ」
「へー」
魔物。といえば、肉食を思い浮かべるだろうがこの魔物は草食で大人しいそうだ。しかし、一度全力で走られると、エルフ以外では仕留められない程に素早いのだという。
「貴重な部位って何処?」
マグロで云う所のカマの部分だろうか? 一匹につき一つしかないから貴重だよねあれ。
「それは、その。……ですわ」
え? 声が小さくて聞こえないんだけど?
何故かモジモジしているリリーカさん。その内に着替えの為に退室していたエリシア王女が戻って来た。街で会った時はホント六歳児にしか見えなかったが、頭にティアラを乗せた淡い緑のドレス姿は一国の王女としての威厳が感じられた。
「どうですか? 食事は口に合いました?」
「はい王女殿下。これなんかとても美味しいです」
手の平で今食べた食事を指し示す。
「ああ、ランニングガリナの『睾丸』ね。私もそれは好きよ」
へぇ、それは確かに貴重な……え? こ、こうがん?! って事はつまり、これはその鳥のき──。私はソコで思考を停止させた。させざるを得なかった。
「ところで、カーンっていうのは偽名よね? 本当の名前はなんて言うのかしら?」
私の対面に座り、出されたこうが……うぉっほんっ。食事を口に運ぶエリシア王女。私は慌てて席を立った。
「大変失礼をしました王女殿下。私の名前はカナ=アユザワ。縁あってリブラ様と親しくさせて頂いている者です」
「ふうん、そうなの。それで? どうして男の格好なんてしているの?」
「それは、その……」
チラリ。と隣に座るリリーカさんに目を向ける。リリーカさんもまた私に視線を向けていた。その瞳からは、『言うなよ? 絶対に言うなよ? いいか? 絶対だぞ?』というプレッシャーが放たれていた。
「申し訳御座いませんが、お教えする事が出来ません」
「ふうん、そうなんだ。『王女』の私にも言えない事をしているのね?」
エリシア王女は殊更『王女』を強調する。そのプレッシャーたるや、先程のリリーカさんとは段違いの重圧だ。冷や汗が止まらない。
「リブラ」
「はい、殿下」
「『アリエス』の名に於いて命じます。アナタが隠している事を話しなさい」
更に増した重圧。さっき謁見の間で放っていた王様を既に超えている。
「申し訳ありません。これは私自身の問題ですので、王女殿下のお手を煩わす訳には参りません」
「あら、冠一位の命令にも従えないというの?」
「はい。左様です殿下」
く、空気が重い。息苦しい。折角の楽しい食事が水面下で地獄絵図になってる。貴族中の貴族であるリリーカさんならそのプレッシャーは受け流せるだろうが、一般市民。それも、この世界に来てまだ半年も経たない私には耐え難い。
「り、リリーカさんはフォワール卿から結婚を迫られているのです」
「お姉様っ?!」
だからつい、喋ってしまった。
「結婚? なる程。あのサヒタリオが考えそうな事ね。それで親しいカナさんに男の格好をさせていたのね。噂を流して諦めさせる為に」
もしかして、エリシア王女って頭の回転が早い子!?
「は、はい。左様です」
「でも、それだけでは不十分じゃないかしら?」
やっぱり王女もそう思うか。『婚約者が居てビックリ作戦』(リリーカさん命名)には欠陥があり過ぎる。そもそも成功例が無いに等しい(少女漫画ですらも)のだ。
「彼、今回は見送られたけど、次回の会議では冠を外される可能性が高いわ。死物狂いで迫って来る彼をどうやって退けるつもりなの?」
「今は学業に勤しんでおりますが、卒業後には冒険者となって『カルキノス』様のように世界を旅するつもりでおります」
「そうね。旅に出てしまえば探し出す事は困難だけど不可能じゃないわ。寧ろ、国外へ出る事で危険度が増すわね」
「危険度が増す?」
「あるのよ。強制的に従わせる方法が」
そんな方法が……? あっ! あった。対象者を従わせる方法。名前は確か『奴隷の枷』。装着者に強烈な電撃を浴びせる事が出来る首輪。
「あら、カナさんは知っているのね。そんな顔をしてる」
あの痛み。あの苦しみは、忘れようにも忘れられない。そしてあの女の顔も。
「この国では禁止されている物だけど、他では平然と行われているのよ。もし、国外で嵌められてしまったら、この国の生まれであっても法によって保護する事は出来ない。嵌めた者の所有物になるからね」
カチャリとナイフとフォークを置いたエリシア王女は、ナプキンで口を拭うとテーブルに両肘をついて、組んだ手の平の上に顎を乗せる。
「だけどね、もっと良い方法があるの」
王女の瞳が怪しく輝いた気がした。リリーカさんが旅に出るよりも良い方法? そんなのが本当にあるの?
「そ、その方法とは何でしょうか?」
「簡単よ。この私が手を貸せば良いの」
確かに、冠一位である王女の言う事ならフォワールも受け入れるしかない。これはチャンスじゃないか?
「リリーカさん。私には良い案だと思うけど?」
俯き加減で考えていたリリーカさんは、私の言葉に首を横に振った。
「王女殿下の申し出、大変有難く存じますが、お断りさせて頂きます」
「何故?」
「これくらい自身で処理できなくば、『リブラ』の名を継ぐ資格は無いからです」
その言葉を聞いて唖然とした。私の見積もりが甘かったとも言える。貴族といえば、マンガやアニメでの知識しかない私。冠七位としての矜持。冠を戴く。というのは、それ程までに重いモノなのか。
「そ、分かったわ。だけど、何時でも相談に乗るから、困ったら頼ってね」
寧ろ、今頼れオーラがもの凄いんだが?
「はい、有難う御座います。その時が参りましたらお言葉に甘えさせて頂きます」
こうして夕食会は終了を告げた。終わってみれば胃が痛くなっただけだなぁ。
パカパカという音。ガラガラという振動を伴った音が馬車内に響いていた。隣に座るリリーカさんは、頬杖をついたままで窓の外を眺めている。行く時の緊張で満たされた空間とは打って変わり、帰りは気不味い雰囲気で満ちていた。
「お、美味しかったね食事」
実際美味しく味わえたのは最初の方の数品。メインからデザートと、あの重苦しい空間内で味わう余裕など無かった。
「どうして、お話になられたのですか?」
窓の外を眺めながら、リリーカさんは呟く様に言う。
「リリーカさんを助けたかったのよ。契約では祭りが終わるまで。って事になっているけど、それじゃ何の解決にもならない。王女っていう強力な後ろ盾があれば、フォワールもちょっかいを出せなくなるって思ったの」
プレッシャーに耐えかねた。っていうのもあるけど。
「ホラ、冠一位の権限で諦めさせる事もできる訳だし」
「いいえ、事はそう簡単にいきませんわ。腕力や権力で場を収めても、それは一時凌ぎにしかなりません。一度生まれた不満は塵の様に積り続けて山と成し、何かの拍子で山崩れを起こして周囲を巻き込みます」
おおよそ十六歳とは思えない答えに、私はただ驚くだけだった。私が彼女の頃には、カレシ欲しい、とか。ケーキバイキングぅ、とかバカな事ばかり言っていた気がする。
「それにこれ以上、彼を追い詰めてはいけません。お姉様を亡き者にし、失意の水底に落ちた私を手に入れる。そういう選択をさせてはいけないのです。ですから、当人に諦めて頂くのが最良なのです」
リリーカさんの言う通り、なまじ権力があるが故にそういう暴挙に出そう。
再び窓の外を眺めているリリーカさんの横顔を眺めながら、何か平和的解決策が無いかと思案を続けていた。
王様の過剰サプライズの後に別室へと案内された私達。教室を二つ繋げたくらいの広さの部屋には、二十人は座れるであろう長さのテーブルと椅子が並べられていた。真っ白で繊細な手触りがするテーブルクロスの上には、数多の食器が煌びやかに並べられていて、その皿の上には今後もお目に掛かる事もないだろう食事が湯気を立てて待ち構えていた。
「コレ、凄く美味しい」
「それは『ランニングガリナ』の貴重な部位ですわね」
「ランニングガリナ?」
「対岸の街、『クサントス』より西に広がる草原に生息する鳥の魔物ですわ」
「へー」
魔物。といえば、肉食を思い浮かべるだろうがこの魔物は草食で大人しいそうだ。しかし、一度全力で走られると、エルフ以外では仕留められない程に素早いのだという。
「貴重な部位って何処?」
マグロで云う所のカマの部分だろうか? 一匹につき一つしかないから貴重だよねあれ。
「それは、その。……ですわ」
え? 声が小さくて聞こえないんだけど?
何故かモジモジしているリリーカさん。その内に着替えの為に退室していたエリシア王女が戻って来た。街で会った時はホント六歳児にしか見えなかったが、頭にティアラを乗せた淡い緑のドレス姿は一国の王女としての威厳が感じられた。
「どうですか? 食事は口に合いました?」
「はい王女殿下。これなんかとても美味しいです」
手の平で今食べた食事を指し示す。
「ああ、ランニングガリナの『睾丸』ね。私もそれは好きよ」
へぇ、それは確かに貴重な……え? こ、こうがん?! って事はつまり、これはその鳥のき──。私はソコで思考を停止させた。させざるを得なかった。
「ところで、カーンっていうのは偽名よね? 本当の名前はなんて言うのかしら?」
私の対面に座り、出されたこうが……うぉっほんっ。食事を口に運ぶエリシア王女。私は慌てて席を立った。
「大変失礼をしました王女殿下。私の名前はカナ=アユザワ。縁あってリブラ様と親しくさせて頂いている者です」
「ふうん、そうなの。それで? どうして男の格好なんてしているの?」
「それは、その……」
チラリ。と隣に座るリリーカさんに目を向ける。リリーカさんもまた私に視線を向けていた。その瞳からは、『言うなよ? 絶対に言うなよ? いいか? 絶対だぞ?』というプレッシャーが放たれていた。
「申し訳御座いませんが、お教えする事が出来ません」
「ふうん、そうなんだ。『王女』の私にも言えない事をしているのね?」
エリシア王女は殊更『王女』を強調する。そのプレッシャーたるや、先程のリリーカさんとは段違いの重圧だ。冷や汗が止まらない。
「リブラ」
「はい、殿下」
「『アリエス』の名に於いて命じます。アナタが隠している事を話しなさい」
更に増した重圧。さっき謁見の間で放っていた王様を既に超えている。
「申し訳ありません。これは私自身の問題ですので、王女殿下のお手を煩わす訳には参りません」
「あら、冠一位の命令にも従えないというの?」
「はい。左様です殿下」
く、空気が重い。息苦しい。折角の楽しい食事が水面下で地獄絵図になってる。貴族中の貴族であるリリーカさんならそのプレッシャーは受け流せるだろうが、一般市民。それも、この世界に来てまだ半年も経たない私には耐え難い。
「り、リリーカさんはフォワール卿から結婚を迫られているのです」
「お姉様っ?!」
だからつい、喋ってしまった。
「結婚? なる程。あのサヒタリオが考えそうな事ね。それで親しいカナさんに男の格好をさせていたのね。噂を流して諦めさせる為に」
もしかして、エリシア王女って頭の回転が早い子!?
「は、はい。左様です」
「でも、それだけでは不十分じゃないかしら?」
やっぱり王女もそう思うか。『婚約者が居てビックリ作戦』(リリーカさん命名)には欠陥があり過ぎる。そもそも成功例が無いに等しい(少女漫画ですらも)のだ。
「彼、今回は見送られたけど、次回の会議では冠を外される可能性が高いわ。死物狂いで迫って来る彼をどうやって退けるつもりなの?」
「今は学業に勤しんでおりますが、卒業後には冒険者となって『カルキノス』様のように世界を旅するつもりでおります」
「そうね。旅に出てしまえば探し出す事は困難だけど不可能じゃないわ。寧ろ、国外へ出る事で危険度が増すわね」
「危険度が増す?」
「あるのよ。強制的に従わせる方法が」
そんな方法が……? あっ! あった。対象者を従わせる方法。名前は確か『奴隷の枷』。装着者に強烈な電撃を浴びせる事が出来る首輪。
「あら、カナさんは知っているのね。そんな顔をしてる」
あの痛み。あの苦しみは、忘れようにも忘れられない。そしてあの女の顔も。
「この国では禁止されている物だけど、他では平然と行われているのよ。もし、国外で嵌められてしまったら、この国の生まれであっても法によって保護する事は出来ない。嵌めた者の所有物になるからね」
カチャリとナイフとフォークを置いたエリシア王女は、ナプキンで口を拭うとテーブルに両肘をついて、組んだ手の平の上に顎を乗せる。
「だけどね、もっと良い方法があるの」
王女の瞳が怪しく輝いた気がした。リリーカさんが旅に出るよりも良い方法? そんなのが本当にあるの?
「そ、その方法とは何でしょうか?」
「簡単よ。この私が手を貸せば良いの」
確かに、冠一位である王女の言う事ならフォワールも受け入れるしかない。これはチャンスじゃないか?
「リリーカさん。私には良い案だと思うけど?」
俯き加減で考えていたリリーカさんは、私の言葉に首を横に振った。
「王女殿下の申し出、大変有難く存じますが、お断りさせて頂きます」
「何故?」
「これくらい自身で処理できなくば、『リブラ』の名を継ぐ資格は無いからです」
その言葉を聞いて唖然とした。私の見積もりが甘かったとも言える。貴族といえば、マンガやアニメでの知識しかない私。冠七位としての矜持。冠を戴く。というのは、それ程までに重いモノなのか。
「そ、分かったわ。だけど、何時でも相談に乗るから、困ったら頼ってね」
寧ろ、今頼れオーラがもの凄いんだが?
「はい、有難う御座います。その時が参りましたらお言葉に甘えさせて頂きます」
こうして夕食会は終了を告げた。終わってみれば胃が痛くなっただけだなぁ。
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「お、美味しかったね食事」
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「リリーカさんを助けたかったのよ。契約では祭りが終わるまで。って事になっているけど、それじゃ何の解決にもならない。王女っていう強力な後ろ盾があれば、フォワールもちょっかいを出せなくなるって思ったの」
プレッシャーに耐えかねた。っていうのもあるけど。
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おおよそ十六歳とは思えない答えに、私はただ驚くだけだった。私が彼女の頃には、カレシ欲しい、とか。ケーキバイキングぅ、とかバカな事ばかり言っていた気がする。
「それにこれ以上、彼を追い詰めてはいけません。お姉様を亡き者にし、失意の水底に落ちた私を手に入れる。そういう選択をさせてはいけないのです。ですから、当人に諦めて頂くのが最良なのです」
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