異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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4章 2人のために出来ること

064 デスマーチ3日目

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 冒険者ギルドに行こうと思ったけど、カズラさんのところに行くのを忘れていた。

 昨日使用した分の空き容器を返却し、本日分のポーション50本を改めて受け取った。


「2人を助けるためとは言え、あんたも無理しすぎるんじゃないよ」


 カズラさんは心配してくれているらしい。ありがたいことだ。


「無茶してるとは思うけど、無理してるように見える?」


 カズラさんは答えてくれなかった。



「トーマ。体調は大丈夫なのか?もう丸2日ひたすら回ってるんだろ?」

「おはようオーサン、大丈夫だと思うよ。
 これが昨日出たスクロールね、一応鑑定しておいて。あとはこれがソロで回した分ね。
 それじゃあみんな、今日も宜しくね」

「「「「「宜しくお願いします!」」」」」


 ポーターの子達はすっかり素直に言うことを聞いてくれるようになった。
 素直な子供って本当に可愛いよねぇ。


 彼らを見ながら考える。

 9階層、10階層に1人で潜っていた時の稼ぎは、大体ではあるがリュック一杯分で15000~20000リーフくらいだった。
 今回ポーターのみんなには戦闘してもらってないから、俺がソロで回していた時とは違って、背嚢いっぱいにアイテムを詰め込んでもらっているので、25000リーフくらい行っているかもしれない。

 少なくとも20000リーフ、最大に見積もって25000リーフ、それを50回分で1日100万リーフから125万リーフ。
 このままのペースで続ければ300万リーフは射程圏内のはずだ。
 振込みに毎回銀貨1枚取られてるはずだけど、これは無視していい、ハズ。

 俺がぶっ倒れては元も子もないので、絶対に無理はしないようにしないとな。


 現時点でスクロールは4つほど手に入っているが、出来ればこれは売らずに使ってしまいたいんだよなぁ。
 勿論2人には代えられないんだけどさ。


 2人を無事救出できた場合、また一緒に迷宮に入る可能性は高いと思う。
 犯罪奴隷となった2人に他の選択肢があるとは考えにくいしね。

 そうなった場合、まだ魔装術を使えない2人は、俺と同じ階層で戦うには力不足なことだろう。
 恐らく装備品も新たに揃えないといけないだろうし。

 もし確保してあるスクロールの中に攻撃魔法が含まれているのであれば、魔装術を覚えるまでの火力を補うのにちょうど良いと思うんだよねぇ。

 ステータス確認が出来ないから、2人の現在SPがどのくらいかも分からないからなぁ。
 祝福の儀を受けても魔装術を習得できるとは限らない気がするんだよね。

 まぁまずは2人を無事に購入できないと皮算用にしかならないけど。


 昨日の経験を元に今日の探索予定を決める。
 まずは8階層から始め、2回探索するごとに階層を上げ、10階層まで周回する。

 10階層を2度回った後は8階層に戻り、1回ごとに階層を上げる。
 
 10階層を終えたら最後に8階層を探索し、10回のノルマは終了する、といった予定だ。




「トーマさんはなんで冒険者になったの?」

「トーマはどうやって強くなったのか教えてくれよ!」

「おなかいっぱい食べたなんて久しぶりだったから、このお仕事請けて本当に良かったよー!」


 流石に2日目にもなると慣れてきたのか、みんな俺に頻繁に話しかけてくるようになってきた。


「あー!私それ覚えてるよ!棍棒持って1人で2階層に来てた人!あれトーマだったの!?」


 それは思い出さんでいいっつうの。
 っていうかやっぱりあの時にすれ違った奴らが混ざってたのか。


「俺も最初はかなり苦労してたんだよ。お前らが1階層無視してくれてたおかげで、なんとか生き延びることが出来たって感じだな」

「ええええ!?1階層回る人なんて初めて聞いたよ!」


 マッドスライム先生は泣いても良いと思う。


「まぁ俺が1階層回ったのも偶然っていうか、2階層に行けなかったからだしな。
 ただそういう人の目が向いていない場所にこそ、儲け話が転がってたりするもんさ」


 暢気に会話しているが気を抜いてはいない。
 2人を助けるまでは気を抜いたり出来るはずもない。

 ただなんだが五感が普段よりも鋭敏になっているというか、周囲の状態が鮮明に把握できている。
 今ならオーサンとも良い勝負が出来る気がする。
 今回は訓練日が流れてしまったが、次回の訓練日はボコボコにしてやるぜオーサン!
 実際に出来るかどうかは別にして、言うだけなら自由ただだ!

 ってそうか、ギルドの指導訓練をこいつ等に受けさせるのは良いかもな。
 オーサンも最近は誰も受けに来ねぇとか言ってたし。


「そういやこの依頼って深夜までかかってるけどさ。
 お前らまだかなり若いだろ?問題ないのか?
 依頼してる俺が言うのもなんだかなーと思うけど」

「ああそれは全然問題ないよ?僕達はみんな救貧院でお世話になってるんだけど、院のほうには冒険者ギルドからちゃんと説明されてるし、ギルドの中に休憩できる場所も用意してもらってる。
 普段より快適なくらいだよ」

「だよねー。おなかいっぱい食べられるし、ちゃんとお金だって貰えてる。
 それにトーマは私たちのこと怒ったりしないし、ずっとこの仕事していたいくらい!」


 高いお金を払っただけあって、なかなか印象が良いようで何よりである。


「この仕事は予定通り明日で終わりなんだけどさ、俺が仕事頼んだらお前らまた請けてくれんの?」

「当たり前だよ!むしろ他の人には声かけないで欲しいくらいだよ!」

「お前らに連絡取ろうと思ったらどうすりゃいいんだ?救貧院通せばいいの?冒険者ギルド?」

「ん~……。院のほうに直接来てくれても良いけど、迷宮に入る仕事なら冒険者ギルドを通した方が良いと思うな。
 仲介が多いと中抜きも多くなっちゃったりするけど、必要な手順を勝手に省略するとトラブルになりやすいし」


 中抜きとか子供と話したくない話題だわ……。



 参加者が全員動きに慣れてきて、俺自身も護衛を意識しながらの戦闘に慣れてきたのもあってか、昨日よりも明らかに速いペースで回ることが出来た。
 10週目が終わったのは結局深夜になってしまったけれど、それでも昨日よりは大分早い。


「今日もお疲れさん。明日で最後だから、朝までゆっくり休んで明日に備えてくれ」



 そして解散した後は、ソロでまったり虐殺プレイの始まりだ。

 やっぱり昨日よりも速いペースだったようで、夜明けまでに2周することが出来た。

 明日は最終日だ。
 稼いだ額は全く把握していないけれど、明日もぶん回せば必ず目標額に手が届くはず。


 迷宮の魔物は犠牲になったのだ。
 恨むならどっかの貴族と盗人野郎を恨んでくれて構わないよ。
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