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7章 更なる強さを求めて
202 久しぶりのソロ探索
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いつもの時間に目が覚める。まだ薄暗くて夜明け前。
今までは2人に悪戯したり、朝食の準備をしたりしていたが、今日からちょっと違う時間の使い方をしよう。
身支度を終えて、部屋を出る……、前にひともみふたもみ。改めて部屋を出る。
朝食の準備は他の人に任せてしまって、俺は今日から朝イチのこの時間は、ソロでSPを稼ごうと思ったのだ。
おっと、迷宮に着く前にジェネレイトかけて、っと。
ディオーヌ様からちょっと不穏な情報を聞いて、更には装備の更新がすぐには行えそうもないことを考えると、他の分野での強化を検討しなければならないわけだ。
そしてすぐに思い至ったのが、早朝のソロ探索というわけである。
ちなみに怒られそうなので、仲間には内緒にしてある。
まぁ今日以降は普通にバレるだろうから、今日の朝食のときにでもちゃんと伝えるつもりだけどね。
50階層に到達。スキップを使用しても、まったく魔力に不安はなくなった。
魔力量増加スキルが中になったのもあるだろうが、未だにちゃんと魔力が伸び続けているんだろうな。
成長限界とかあるんだろうか?
ストレージを覚えたので、荷物を持つ必要がなくなったのは単純に快適だ。
攻撃範囲拡張を覚えたことで、グランドドラゴンを含む50階層の魔物全てを一撃で倒せるようになったことも大きい。
そういえばソロ探索って久しぶりだよなぁ。最後にソロったのっていつだっけ?
デスマでポーターを雇ってからは、一度もソロで潜って無いんだっけ?
そう思うと、ほんと久しぶりのソロ探索なんだなぁ。
オンラインゲームをプレイするとき、俺は主に野良プレイを好んでいた。
拘りを持ってソロプレイをしているワケではなく、面倒な人間関係をあまり構築しないように、特定のユーザーとはあまり積極的に絡まずに、その時その時に出会ったユーザーと一緒に遊ぶことが多かった。
もちろん、特別仲が良かったフレンドさんもいないわけではなかったけれど。
俺にとってソロプレイと野良プレイは表裏一体で、ソロをしているからこそパーティプレイが楽しくて、パーティを組んでいるとソロで色々試したくなったものだ。
あ、あの人の状況、俺だったら仲間にこう動いて欲しいと思うだろうな、とか。
お!あの人の動き面白いな。今度俺も練習してみよう、とか。
もちろんリンカーズはゲーム世界じゃないのだから、ワンミスで死んでしまったら生き返ったりすることは出来ない。ゲームみたいに気楽にソロで探索なんてするものでは無いんだけど。
それでもやっぱりソロってのは開放感があるんだよなぁ。誰にも気を使わず、場の全てを俺のためだけに動かして良いんだから、こんなに楽しいこともそんなにない。
仲間と連携して、やっぱり仲間がいるとありがたいなぁと思うんだけど、ソロ探索に爽快感と開放感を感じてしまうのは、また別の話だと思うのだ。
それに一応、パーティ全体の強化のためにも役立つと思っての行動でもある。
異邦人である俺はステータスが閲覧できて、スキルの詳細とスキルツリーの1つ先が確認できる。
前回の祝福の儀で、トルネとシンが魔力付与を覚えたのだけれど、魔力付与の先のスキルツリーは、あの2人は確認することができないのだ。
スキルツリーの確認というアドバンテージを活かす為には、なるべく仲間に先んじてスキルを取得していく必要があると思う。だからこそのソロ探索だ。
まぁ半分以上趣味が入っているのは否定できないけど?
複合センサーを全開にして場の全てを掌握する。
魔法範囲拡張:中のおかげか、それとも日々の訓練の賜物か、知覚範囲はどんどん広がりを見せている。
今はもう、グランドドラゴンを仕留めるのに頭を下げさせる必要もない。
風魔法で追い風を発生させながら首に飛びつき、ロングソードを一閃して首を落す。
空中にいる俺を殆どの魔物が捉えきれていないが、万一補足されても土魔法で瞬間的な足場を作り、風魔法で姿勢制御の補助をすれば、空中でもほんの少しだけ身動きが出来る。
仮にブレスを放たれても、俺にはジャンプが使えるので、何の危険性も無い。
大型魔物を殺し尽くしたら、ダガーに持ち替えて、手数重視で殲滅していく。
ロングソードを持っている時と比べて移動がスムーズなので、ついついゲーム的発想で、いかに効率よく安全に素早く敵を全滅させられるか、なんてことを考えながら戦ってしまう。
ソロ探索のときの一番面倒な作業、ドロップアイテムの回収も、音魔法で好きだった曲を再現しながら行うだけで、面倒どころか楽しくて困る。
まぁ魔力が回復しないので、ドロップアイテムの回収が済んだら止めないといけないのだけど。残念。
最高にスムーズで快適なソロプレイって、時間の感覚が融けるんだよな。
ストレージがいっぱいになっているけど、どの程度の時間が経ったのか、自分では良く分からない。
ま、ストレージがいっぱいになったんなら帰るだけだけど。
冒険者ギルドではオーサンがまだ来ていなかったので、普通に換金と鑑定を済ませる。
待っている間に確認したら、SPが3000ちょっと増えていた。
5人+2匹の時に、ストレージ+背嚢×5がいっぱいになるまで探索して、540SP前後って所だったから、ソロ探索だと6倍弱くらいのSPが稼げるようだ。
自宅に入る前にもう一度ジェネレイトをかけ直して帰宅する。ちょうどこれから朝食のようだ。
時間的にもちょうどいいな。これからは毎日これやろう。
「あ、トーマおかえり。ちょうどこれからご飯だよ。どこ行ってたのさ?」
「ああ、メシ食ったら話すよ。まずは頂こうぜ」
なんかこれ、黙ってたらバレない気がするなぁ?
ま、隠し事なんてする気無いけどね。
ソロが楽しいことと、仲間が大切な事は、やっぱり別の話なのだから。
今までは2人に悪戯したり、朝食の準備をしたりしていたが、今日からちょっと違う時間の使い方をしよう。
身支度を終えて、部屋を出る……、前にひともみふたもみ。改めて部屋を出る。
朝食の準備は他の人に任せてしまって、俺は今日から朝イチのこの時間は、ソロでSPを稼ごうと思ったのだ。
おっと、迷宮に着く前にジェネレイトかけて、っと。
ディオーヌ様からちょっと不穏な情報を聞いて、更には装備の更新がすぐには行えそうもないことを考えると、他の分野での強化を検討しなければならないわけだ。
そしてすぐに思い至ったのが、早朝のソロ探索というわけである。
ちなみに怒られそうなので、仲間には内緒にしてある。
まぁ今日以降は普通にバレるだろうから、今日の朝食のときにでもちゃんと伝えるつもりだけどね。
50階層に到達。スキップを使用しても、まったく魔力に不安はなくなった。
魔力量増加スキルが中になったのもあるだろうが、未だにちゃんと魔力が伸び続けているんだろうな。
成長限界とかあるんだろうか?
ストレージを覚えたので、荷物を持つ必要がなくなったのは単純に快適だ。
攻撃範囲拡張を覚えたことで、グランドドラゴンを含む50階層の魔物全てを一撃で倒せるようになったことも大きい。
そういえばソロ探索って久しぶりだよなぁ。最後にソロったのっていつだっけ?
デスマでポーターを雇ってからは、一度もソロで潜って無いんだっけ?
そう思うと、ほんと久しぶりのソロ探索なんだなぁ。
オンラインゲームをプレイするとき、俺は主に野良プレイを好んでいた。
拘りを持ってソロプレイをしているワケではなく、面倒な人間関係をあまり構築しないように、特定のユーザーとはあまり積極的に絡まずに、その時その時に出会ったユーザーと一緒に遊ぶことが多かった。
もちろん、特別仲が良かったフレンドさんもいないわけではなかったけれど。
俺にとってソロプレイと野良プレイは表裏一体で、ソロをしているからこそパーティプレイが楽しくて、パーティを組んでいるとソロで色々試したくなったものだ。
あ、あの人の状況、俺だったら仲間にこう動いて欲しいと思うだろうな、とか。
お!あの人の動き面白いな。今度俺も練習してみよう、とか。
もちろんリンカーズはゲーム世界じゃないのだから、ワンミスで死んでしまったら生き返ったりすることは出来ない。ゲームみたいに気楽にソロで探索なんてするものでは無いんだけど。
それでもやっぱりソロってのは開放感があるんだよなぁ。誰にも気を使わず、場の全てを俺のためだけに動かして良いんだから、こんなに楽しいこともそんなにない。
仲間と連携して、やっぱり仲間がいるとありがたいなぁと思うんだけど、ソロ探索に爽快感と開放感を感じてしまうのは、また別の話だと思うのだ。
それに一応、パーティ全体の強化のためにも役立つと思っての行動でもある。
異邦人である俺はステータスが閲覧できて、スキルの詳細とスキルツリーの1つ先が確認できる。
前回の祝福の儀で、トルネとシンが魔力付与を覚えたのだけれど、魔力付与の先のスキルツリーは、あの2人は確認することができないのだ。
スキルツリーの確認というアドバンテージを活かす為には、なるべく仲間に先んじてスキルを取得していく必要があると思う。だからこそのソロ探索だ。
まぁ半分以上趣味が入っているのは否定できないけど?
複合センサーを全開にして場の全てを掌握する。
魔法範囲拡張:中のおかげか、それとも日々の訓練の賜物か、知覚範囲はどんどん広がりを見せている。
今はもう、グランドドラゴンを仕留めるのに頭を下げさせる必要もない。
風魔法で追い風を発生させながら首に飛びつき、ロングソードを一閃して首を落す。
空中にいる俺を殆どの魔物が捉えきれていないが、万一補足されても土魔法で瞬間的な足場を作り、風魔法で姿勢制御の補助をすれば、空中でもほんの少しだけ身動きが出来る。
仮にブレスを放たれても、俺にはジャンプが使えるので、何の危険性も無い。
大型魔物を殺し尽くしたら、ダガーに持ち替えて、手数重視で殲滅していく。
ロングソードを持っている時と比べて移動がスムーズなので、ついついゲーム的発想で、いかに効率よく安全に素早く敵を全滅させられるか、なんてことを考えながら戦ってしまう。
ソロ探索のときの一番面倒な作業、ドロップアイテムの回収も、音魔法で好きだった曲を再現しながら行うだけで、面倒どころか楽しくて困る。
まぁ魔力が回復しないので、ドロップアイテムの回収が済んだら止めないといけないのだけど。残念。
最高にスムーズで快適なソロプレイって、時間の感覚が融けるんだよな。
ストレージがいっぱいになっているけど、どの程度の時間が経ったのか、自分では良く分からない。
ま、ストレージがいっぱいになったんなら帰るだけだけど。
冒険者ギルドではオーサンがまだ来ていなかったので、普通に換金と鑑定を済ませる。
待っている間に確認したら、SPが3000ちょっと増えていた。
5人+2匹の時に、ストレージ+背嚢×5がいっぱいになるまで探索して、540SP前後って所だったから、ソロ探索だと6倍弱くらいのSPが稼げるようだ。
自宅に入る前にもう一度ジェネレイトをかけ直して帰宅する。ちょうどこれから朝食のようだ。
時間的にもちょうどいいな。これからは毎日これやろう。
「あ、トーマおかえり。ちょうどこれからご飯だよ。どこ行ってたのさ?」
「ああ、メシ食ったら話すよ。まずは頂こうぜ」
なんかこれ、黙ってたらバレない気がするなぁ?
ま、隠し事なんてする気無いけどね。
ソロが楽しいことと、仲間が大切な事は、やっぱり別の話なのだから。
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