異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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7章 更なる強さを求めて

224 運搬

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「ねぇサリサリ。グリーンドラゴンの解体はお願いしていいのかな?」


 ペルもグリーンドラゴンの死体も街に入れられる大きさでは無いので、街の前でまったりしながらサリサリに提案する。


「勿論構わないさ!むしろ、グリーンドラゴンの素材以外、全部こっちで貰っちゃって良いってのがね。貰いすぎだよ。
 ただでさえ白金貨4枚の仕事だっていうのに、これじゃあ更に白金貨が増えちまいそうだ!」

「そっか。じゃあその素材代で解体をお願いね。グリーンドラゴンの素材を持って帰るにはどうすっかなぁ。
 ちょっと街のゲート使いにも協力してもらわないと駄目かも」


 んー、ゲートでは荷物の運搬は出来ないけど、ストレージはゲートの影響を受けないんだよな。
 つまりは俺がストレージで往復するしかないってこったな?


「じゃあ銀の乙女の皆にはグリーンドラゴンの素材の解体と防衛を頼むよ。奪われたり盗まれたりとか気をつけてね?
 その間に俺たちはトルネの治療と、運搬の準備を整えてくるから。
 あっと、ストレージの中にいっぱい食い物買い込んであったんだわ。全部放出していくから、解体の合間にでも食ってくれよ。
 リーネは残って解体作業を見学しつつ、洗浄とか土魔法で皆さんを手伝ってあげて。あと熱魔法使えば食事も暖められるからさ。
 じゃ行ってくるよ……っと、もしペルがグリーンドラゴンの肉を食べるなら、多少なら食べさせてあげてね。
 リーネがいれば、加熱調理くらい出来るから」


 ギュギュー!

 
 ペルが大きい体ですりすりしてくる。猫と言うより、ピューマとかジャガーとかの大型肉食獣って感じだけど、懐かれたら可愛いに決まってる。
 さっきからグリーンドラゴンのほうを見つめてたから、もしかしてと思ってたんだよね。


「ペルもありがとね。ペルがいなかったら凄く大変だったよ」


 大きくて真っ黒なもふもふにすりすりし返して、トルネを抱いて魔法治療院へ。街の案内はポースンと呼ばれていた団員が担当してくれた。
 なんでもまだ新人なので、解体にしても護衛にしても、他の団員と比べると少し力になれないかもしれないということで、ならば俺たちの用件をスムーズにこなせるようにと案内に回した方が、結果的にお互いのためになると判断したようだ。

 トルネの治療には金貨14枚。俺がトルネに色々刺し込んだ時よりも高かった。
 致命傷とまではいかなかったけれど、全身満遍なく損傷していたために、治療費が嵩んでしまった様だ。ま、生きてりゃ安い。

 治療のために下着姿になったトルネを見て、今回はエロいと感じたな。


 商工ギルドに向かう前に救貧院へ。ポースンに話を聞くと、力こそ全てのカルネジア領では、戦う力を持たない子供達への待遇はあまり良く無いらしい。
 とりあえず白金貨1枚を寄付して商工ギルドへ。

 荷物の運搬を行いたいので、白金貨5枚で魔力の続く限りベイクへのゲートを開き続けて欲しい、という内容で交渉してみたら、あっさりOKを貰えた。
 今日はゲートの利用者がいなかったのでありがたいとのこと。

 皆には一足先に俺のゲートでベイクに戻ってもらい、荷車などの手配や、マーサに素材の扱いや保存方法などを確認してもらう。
 俺自身はターミナルを往復するだけになるので、ターミナル付近で荷物を監視する役、自宅に素材を運搬する役など、シンに指揮を取ってもらう。

 ボールクローグ側の素材運搬は、引き続き銀の乙女が担当してくれる。
 人が引ける大きさの荷車も大量にあるらしい。流石は狩人、ってことなんだろうか。


「お、戻ったか依頼主殿。あれ?他の仲間は一緒じゃないのかい?」

「ああ、俺たちの拠点はベイクっつう街だからな。そっちの方での素材受け入れ準備を進めてもらうために、先に帰したんだよ」

「はぁ~。豪快っつうか無用心っつうか。
 こっちは26人いるんだよ?素材が奪われるとか思わないのかい?」

「ん?26人ならグリーンドラゴンに勝てる自信があるっていうなら試してみれば?」

「……だよねぇ。絶対馬鹿な真似起こさせないよう徹底させるよ。
 解体はもうちょっとで終わるから、順次運んで行こうか。どうせ全部を一度には運搬できないからね。
 ターミナル広場で構わないんだろ?」

「うん。頼むよ。あっと、先に白金貨3枚渡しておくよ。銀の乙女に頼んでよかった。ペルも可愛いしな」


 サリサリと会話している間も、実はめっちゃすりすりされてます。めっちゃ可愛いです。
 ゲートの使用魔力を節約するため、ふわわとつららはみんなと一緒に帰還済みだからなぁ。ペルをもふもふして差し上げよう。


「ペルがそんだけ懐く男って初めて見たよ。グリーンドラゴンの肉も旨そうに食ってたからねぇ。
 じゃあ解体組と運搬組で分けようか。ターミナルには依頼主殿がいるんだろ、っていうかごめん。依頼主殿の名前ってなんだっけ?」

「ん?トーマだよ。ターミナルには俺が居るから大丈夫。解体が終わったらリーネも一緒に連れてきてね」


 ターミナル広場に着くと、銀の乙女を紹介してくれた狩人ギルドの職員が待っていた。


「あ、トーマさん!グリーンドラゴンの素材を全部持って帰るってほんと!?
 ちょっとでもギルドに卸して欲しいんだけど!?」

「ん?狩人ギルドに素材を卸さなきゃいけない義務とか無いだろ?ウチで必要だったから持って帰るだけだよ。
 そんなに必要なら自分らで狩ればいいじゃん。6等級冒険者にだって狩れたんだからさ」

「あんな魔物ホイホイ狩れるような奴、狩人にだってそうそういないんだって!!
 っていうかむしろどうやって狩ったのさ!?銀の乙女だけで狩るのはどう考えても無理だろ!!」

「こんな広場で手の内晒すわけ無いだろ。
 もしうちで使い切れなかった場合は、余った分はそのままそっくり銀の乙女に譲るから、交渉ならそっちとしてくれ。
 つうことで話は終わり。これ以上話しかけてきたら意地でも全部持ってくから」


 取り付く島もなしと悟ったのか、トボトボと離れていった。
 むしろそんな稀少素材、簡単に譲るわけねーだろ。世話になった銀の乙女ならともかく。


 その後ゲート使いに頑張ってもらって、ストレージいっぱいに素材を詰め込みベイクで下ろし、またボールクローグに戻って素材を詰めて、という作業を20回ほど繰り返したところでゲート使いが魔力切れ寸前になった。
 金板3枚を20往復で白金貨5枚は、むしろ俺が得した気がするんだけど、拘束時間的には短かったかな?

 お礼を言ってゲート使いは退場。自前でゲートを開いて運搬を再開。24往復ほどしたところでマーサからストップがかかって運搬が終了。
 どうやらこれ以上は工房に入りきらないとのこと。

 頭部や内臓、爪や背中の魔力体なんかは優先的に運び込んであるので、肉とか血液とか鱗なんかの、比較的大量に取れる素材が余った。予定通り銀の乙女に全部譲る。

 ベイク側には何の素材か一切公表していないので、ウチを敵に回すリスクを冒してまで奪いに来るとは考えにくい。工房には最低限の警備魔導具は既に設置してあるらしいしな。


 24回往復したけど、まだ魔力切れを起こすほどじゃないかな?
 ただ10回を超えるごとに消費魔力が倍くらいに増えていったので、30回往復した瞬間に魔力切れ、とかありえそうだ。

 最後にトルネにジェネレイトをもう一度かけてもらって、ボールクローグ側でゲートを一度閉じた。

 銀の乙女とも話がしたいし、リーネまだ回収してないしね。
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