異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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序章 始まりの日々2 マグエルを目指して

023 プレート決済の欠点 (改)

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 野盗のアジトだった洞窟で丸1日休息を取った俺達は、改めてフォーベアを目指して出発した。

 フォーベアに向かうことについては、アッチン出身の女性も特に口出ししてくることはなかった。何か言われても聞いてやれる余裕なんてないけどさ。


 野盗が貯め込んでいた硬貨は、女性陣4名、ティムル、俺とニーナのパーティで6等分にして分配した。1人当たり金貨7枚くらいにはなったので、当面の生活費としては充分でしょ。
 女性達はお金を分けられるとは思っていなかったようなので、俺達にすごく感謝してくれた。

 現金を分配した代わりに、野盗の装備品やアジトから回収したアイテムの権利は俺たちに譲ってもらったけどね。


 全員で話し合った結果、野盗討伐の報奨金は俺が全部受け取っていいことになった。
 だけどティムルには荷物の運搬の対価として、野盗の荷物をティムルの店で売却すること、売り上げの半分のお金をティムルに渡すことに決まった。

 ダガー2本は先に貰って、俺に1本、ニーナに1本装備する。



 ダン
 男 25歳 人間族 戦士LV11
 装備 ダガー 木の盾 皮の靴


 ニーナ
 女 16歳 獣人族 旅人LV9
 装備 ダガー 
 状態異常 呪い(移動阻害)



 ようやく。ようやくニーナにも武器を持たせることが出来た……!
 防具に関しては俺もほぼ裸みたいなもので大差ないしなっ。

 ダガーを両手で握り締めたニーナが、決意に満ちた表情で俺に宣言する。


「微力ではありますが……、これで戦闘でもご主人様のお役に立てます! 頑張りますねっ!」


 荷物番は保護した女性陣にお任せして、フォーベアまではニーナも戦闘に参加することになった。野盗討伐の報奨金次第では、ニーナに装備品一式を揃えてあげる事もできるかもね。


 フォーベアまでは、休憩を挟みながらも一気に進む。

 日が落ちてナイトシャドウの襲撃が始まると、ニーナが元気いっぱいに暴れまわっていた。
 ニーナは旅人にも関わらず、ナイトシャドウを1撃で葬っている。なぜだろう?


 旅人のLVが俺より高いから?

 獣人族は人間族よりも素の攻撃力が高い?

 ナイフとダガーでは、これくらいの性能差がある?


 色んな可能性が考えられるなぁ。


 ドロップアイテムは6等分で分けると決めてあるので、同行人たちも文句も言わずにこちらの指示に従ってくれる。

 大した額にはならなくても、報酬には変わりないもんね。


「あ、ご主人様! 見えました! 街ですっ、フォーベアですよ!」


 徹夜で歩き、幾度の魔物の襲撃を撃退し、夜が明けてからも休憩しながら進み続けて、なんとか次の日の昼前くらいにフォーベアに到着することが出来た。

 色々あったけど、終わってみればアッチンに向かった時よりは大分楽だったかな?


「それじゃまずは冒険者ギルドに行きましょう」


 フォーベアに到着すると、宿を取ったりティムルの商会に行くよりも先に冒険者ギルドに向かうことをティムルに提案される。


「ギルドにこの人たちの保護をお願いして、野盗討伐の報告をしましょう。野盗のせいで移動を躊躇ってる人は多いでしょうから、討伐報告はすぐに済ませるべきだわ。来て、こっちよ」


 なるほど。行商人のティムルらしい着眼点だな。それに救出した女性達だって俺じゃ扱い切れない。ここは素直に従おう。

 ティムルの案内で、フォーベアの冒険者ギルドへ向かった。


 冒険者ギルドの職員に事の顛末を報告する。

 野盗に襲撃され、それを無事に撃退できたこと。アジトの詳細な場所も報告し、最後に捕まっていた4名の女性の保護を引き継いでもらう。


「報告は分かった。ステータスプレートも間違いないな。一応お前達のステータスプレートも確認させてくれ」


 ここでゴネても仕方ないので素直に提示する。
 案の定、ニーナのプレートを見た時には少し驚いた仕草を見せたが、取り乱すことなく対応してくれた。

 どうやらこのギルド職員は有能みたいだ。


「うむ。全員犯罪職でないことも確認できた。報奨金を用意するから少しここで待て」


 野盗たちのステータスプレートを持ってギルドの奥に引っ込もうとした職員さんだったけど、何かを思い出したように俺たちのほうに振り返った。


「報奨金の支払いはどうする? 現金で受け取るか、ステータスプレートへの入金にするか、好きな方を選べるぞ」


 へぇ? 選べるんだ。
 選べるなら、現金で受け取るメリットってないよな?


「それなら入金の方でお願い。報奨金がいくらか知らないけど、持ち歩くお金は少ないほうが良いよ」

「入金希望だな。了解だ。それでは済まんが、少しの間待っていてくれ」


 今度こそ職員さんはカウンターの奥に引っ込んでいった。


 ま、多少待たされるのは仕方ないか。

 待っている間にドロップアイテムの換金を済ませ、報酬は約束通りに全員で6等分にした。


 それでもまだギルドの職員は戻ってこなかったので、冒険者ギルドに併設されている簡易的な食堂で遅めの朝食を取る事にした。


「ふぅ。無事に報奨金も受け取れそうだね」


 なんだかんだ言って緊張の連続だった。街の中で朝食を取ったことで、なんだか気が抜けてしまった気がするな。


「そういえばさっき職員が犯罪職って言ってたけど、そういう職業にもギルドって存在してるの?」

「んー、少なくとも私は聞いたことがないわ。犯罪職には犯罪を犯せば勝手になっちゃうし、職業ギルドなんて必要ないんじゃない?」


 ふむ。強制的に職業変更されるから、専門のギルドは必要ないと。
 商売人として長年生活しているティムルが知らないんだったら、無いと判断していいと思う。


 ……犯罪職には上位職とか派生職は無いのかな?

 あったとしたらどうやってなるんだ? まさかの法王待ち?


「ティムルさん。全ての職業に専門の職業ギルドがあるわけじゃないですよね?」


 あ、ニーナが俺の疑問を察して質問してくれた。


「確か断魔の煌きには『救世主』なんて職業についている人もいると聞きました。ギルドが無いような職業に転職する方法って、どうやってるんですか?」



 救世主とは、これまた随分大層な職業だなぁ。職業なの? 救世主って。

 私の仕事は世界を救うことです、なんて?


「んと、確かフォアーク神殿ってところで転職すると、自分に合った職業になれるみたいよ。なんの職業になるのかは、なってみないと分からないらしいけどね」


 フォアーク神殿。そしてランダム転職かぁ。

 ランダムと言っても、自分に合った職業にってことだから、転職条件を満たしていない職業になることはなさそうかねぇ。


「それでも殆どが普通の職業らしいんだけど、たまに珍しい職業になる人が居るらしいわね。世界に1人しか確認されていないような職業はユニークジョブなんて呼ばれてるみたい」


 ユニークジョブか。そりゃ救世主が巷に溢れてたら困るわ。

 でも、この世界にユニークジョブなんてありえるのかねぇ? 職業に関してはわりと公平に思えるんだけど。


 現時点で確かめる方法は、無いか。


「そう言えば聞きそびれてたけど、商人は他人からの悪意を感知する能力なんてあるんだな。それってティムルの勘とかじゃないの?」

「ええ、職業スキルよ。商人たる者、他人の悪意を見抜けないと出し抜かれちゃうからね」


 商人の職業スキルは、確か『目利き』だっけ。
 あれって物の価値を判別するスキルじゃなくて、他人の悪意を察するスキルなのか。


 ……って、あれ?


「え、でも今ティムルって行商人なわけだろ? 商人のスキルが使えるのって、変じゃないか?」


 鑑定しなおしても、やはりティムルは行商人だ。


「ああ、なるほど。ダンは記憶喪失だったわね」


 うんうんと何度も頷いているティムル。

 記憶喪失だから知らなくても仕方が無い?
 それって逆に言えば、記憶があれば誰でも知ってるレベルの知識ってことだよな?


「これは別に変じゃないのよ。職業を変えても、転職前の職業スキルを失わずにいられるケースは珍しくないの」


 ……職業スキルを失わずに転職するケースは、そこまで珍しくない?

 事例が多いのならランダム要素じゃなくて、そこには何らかの法則性があるんじゃ?


「一般的には、長い年月をかけてその職業で研鑽を積んだ人ほど転職後もスキルを失わずに済むと言われてるわね。こう見えて、私も商人でいた期間は長かったのよー?」


 ティムルの商人はLV30。
 キリもいいし、豪商に転職可能なことを考えると、商人の最大LVは30なのかもしれない。


 ……って、まさか。


 最大LVまで育成した職業は、累積する……!?



「失礼する。待たせてしまったな。入金の準備が出来たぞ。受け取る者のステータスプレートを提示してくれ」


 おおう、職業スキルの継承と累積について考察していたら、ギルドの職員が近寄ってきていたのに気付かなかったよ。


「あっと。今出すからちょっと待ってね」
 

 深く考えるのは用事を済ませて、ニーナと相談しながらの方がいいな。内容が内容だけに、絶対に人には聞かれたくないし。

 ステータスプレートをギルドの職員に渡すと、ステイルークでも見た例のスタンプ型のマジックアイテムを押された。


「今回の報奨金は盗賊8名、荷運び人1名で構成された野盗の討伐。報奨金は全部で26万3000リーフだ」


 報奨金は犯罪職のステータスプレートを専用のマジックアイテムに読み込ませると、自動で算出されるらしい。

 つまり、荷運び人は今回の報奨金に換算されていない。


 26万3000……。

 なんとなく、1LV1000リーフで計算されてないかなぁ? LV20~50弱くらいの集まりだったし


「この度はご苦労だった、治安維持の協力に感謝する」


 冒険者ギルドの職員の男性は、固い口調のままで俺達に礼を告げてくる。


「救出された女性たちは冒険者ギルドが責任を持って保護すると約束しよう。何かあればまた頼む」


 報奨金の受け渡しが終わると、ギルド職員はあっさり去っていった。


 ステータスプレートを確認する。

 おお、入金されてるぅ。26万リーフかぁ。一気に小金持ちになれたよぉ。


 俺も体防具無しで靴だけ履いてるってマヌケな感じだったし、ニーナにだって装備を用意してやれそうだ。これから更に、ティムルの店で野盗の装備を処分するわけだし。


「それじゃ我がシュパイン商会に案内してあげるわ。装備品の処分もだけど、折角お金が入ったんだからうちでなにか買っていって欲しいところね?」


 俺の思考を読んだかのようなタイミングで、ティムルが席を立った。

 流石はベテラン商人。客の思考を読むのはお手の物ってか?


「いえ。ご主人様が分かりやすくワクワクした表情をされていました。あれなら私でも分かりますよ」


 ありゃ、そんな分かりやすい表情しちゃってたかぁ。


「でも私も楽しみです。ようやく生活に余裕が出来そうですねっ」


 はは。ニーナも買い物をしたそうな顔をしてるな。
 なるほど、俺もこんな表情をしてたわけね。


 早速ティムルに案内してもらって、シュパイン商会に到着する。

 大きい商会と言うだけあって、案内されたのはかなり大きいお店だった。商品は旅に必要な雑貨がメインで、どうやら装備品は扱っていないらしい。


「あ~~、やっと荷物を下ろせたわ~~」


 ティムルが巨大リュックを下ろして、肩を回している。

 いくらスキルで荷物の重量が軽減されても、凄まじい量を運搬してくれてたもんなぁ。


「それじゃ今から野盗たちの装備品の査定を行うわ。ああ、そのダガーはサービスにしておくから」


 おお、流石は大商人。太っ腹だね。

 ここはありがたくご厚意に甘えておこう。ダガー2本でも10万リーフ近いからね。


「うちの商会じゃ装備品は扱ってないけど、懇意にしてる職人も多いし査定だけなら問題ないわ。信用してもらえるかしら?」

「今さら疑うも何もないよ。全面的に信用するさ」


 ティムルがいなかったらフォーベアまで辿り着けなかったかもしれない。

 アッチンでは胡散臭いとか思ってて悪かった。


「それじゃティムル。マグエルでの物件の話、忘れないでくれよ? あとフォーベアにも数日滞在したいから、オススメの宿を紹介してくれると嬉しい」

「そうね。査定してる間にパパッと紹介状書いちゃうわ。あ、忘れないうちに5000リーフも渡しておくわね。銀貨支払いでいいかしら?」


 あ、そういえばこれ護衛依頼だった。ティムルから言い出してくれなかったら、報酬受け取るの絶対忘れてたよ。

 銀貨50枚を受け取り、宿の場所も教えてもらう。
 査定にはもう少し時間がかかりそうなので一旦失礼し、先に宿の予約を取る。


 そんな感じでニーナと2人、ティムルに紹介された宿に来たのはいいんだけど……。

 え、2人で1泊450リーフ? マジで……? け、結構な高級宿を紹介されてしまったようだ……!


 値段にちょっと足踏みしてしまったけど、結局この宿に部屋を取る事にした。

 宿を出た後に、心なしか少し青い顔をしたニーナが確認してくる。


「ご、ご主人様。本当にあの宿で良かったんですか? い、いくらなんでも高すぎでは……?」

「いいんだよ。今回は大幅な黒字だったし。来年の納税のアテも出来た。だからここでは少し贅沢してみよう」


 正直言って、高級宿にも興味があるんだよねぇ。

 今までは1泊100~150リーフくらいの宿に泊まってたから、違いを楽しんでみたいのよ。


「んーと、そうだなぁ……。ティムルから報酬の5000リーフを受け取ったから、フォーベアでの滞在費は5000リーフに設定してみようか」


 清潔感溢れる高級宿だったし、今回は対人戦もこなして精神的にも疲れたからね。少しのんびりゆっくりしたいんだよぉ。


 無事に宿が取れたので、シュパイン商会の店舗に戻る。

 店に入るとティムルがすぐに気付いて、俺たちに声をかけてきた。


「あ、お帰りなさい。査定は済んでるわよ。っとまずはこれ、紹介状ね。はい」


 ティムルから手紙を渡される。

 よっし、無事に紹介状を手に入れる事ができたぞっ。これでマグエルに拠点を構える事ができそうかな?


 スポットってのがどんな場所なのか次第だけど、レベリングに向いた場所なのであれば、俺のレベリングを優先した方が呪いを解除する可能性が高いかもしれない。

 回復魔法とか、状態異常回復スキルとか、あると思うんだよなぁ。


「それと、9名分の装備品だからなかなかの金額になったわ」


 今回持ち込んだ装備品のリストを見ながら、ホクホクとした顔で説明してくれるティムル。


「買い取り査定額は、合計142万3500リーフ。私の取り分は70万リーフでいいわ。端数は譲ります」


 わぉ、やっぱり太っ腹だなティムル。長身でモデル体系なのに。

 つまり72万3500リーフが俺達の取り分になるのね。
 ただしこれから俺たちは欲しい装備があれば貰うつもりなので、貰う数によっては、逆に金を支払う必要が出てくる。


 なんて思ったけど、野盗が着けていた防具を身につける気にはなれなかった。

 それに野盗は対人戦しか想定していなかった為なのか、あまり防具は多くなかったみたいだしね。


 俺は鋼鉄のロングソードを、ニーナはブルーメタルダガー、コンポジットボウの2つを貰うことに。

 防具は店で新品を購入しよう。


「鋼鉄のロングソードは18万リーフ。ブルーメタルダガーは12万、コンポジットボウと矢50本はセットで、18万リーフってとこね。合計が、えっと、48万リーフ。差額はぁ……っと、24万3500リーフね。受け取りはどうするの?」

「足が出ずにホッとしてるよ。そんな大金持ち歩きたくないから、ステータスプレートに入金してくれる?」


 流石大商会と言うべきか、公的機関でもないのにステータスプレート決済が利用できるらしい。あれって役所やギルドでしか利用できないのかと思ってたよ。

 ティムルにいつものスタンプを押してもらって、ステータスプレートへの入金が完了する。
 報奨金と合わせて、所持金が一気に50万リーフを超えてしまった。アッチンを発ってからまだ1週間くらいしか経ってないのに。


「あのねダン。今回はこのお金で防具を買う予定があるみたいだから入金するけど、あまりステータスプレートに入金しすぎるのはオススメできないわよ?」


 手に入った泡銭に戦々恐々としていると、ティムルから忠告を受ける。


「へ? なんで? 現金を持ち運ぶよりは安全じゃないの? 引き落とせるのは本人だけなんだし、どんな問題があるのさ?」

「確かに現金化できるのは本人だけだけど、他人への譲渡は可能なのよ? 過信するのは危険だわ」


 他人への譲渡が可能だから危ない? 譲渡が出来なかったら取引できないじゃん? それに譲渡にはお互いの同意が必要なはず。現金化するより安全なんじゃ?

 いまいちピンと来ない俺に、ティムルがもう少し詳しく説明してくれる。


「ステータスプレートの提示はあらゆる場面で求められるわ。そこから情報が漏れた結果、死にたくなければこの金を私に譲渡しろ、なんて事態に繋がる可能性は想定するべきよ」


 あー! 引き落とすことはできなくても、脅迫して譲渡を迫ることはできるのかー!

 ステータスプレートを見せなきゃいけない場面なんて無数にある。どこから情報が漏れるかも分からない。ティムルに至ってはギルドに依頼した内容が漏洩してたみたいな経験もあるみたいだし……。


 なるほどなぁ。考えが甘かったわぁ……。


「貴方達はニーナちゃんがインベントリを使えるんだから、結局そこが1番安全よ。せめて来年分の税金くらいはニーナちゃんに保管してもらえばいいんじゃないかしら? ニーナちゃんが持ち逃げとかするとは思えないし、安全でしょ」


 う~ん。結局はインベントリに落ち着くわけかぁ。

 インベントリも使用者が死亡すると中身ごと失われてしまうみたいだけど、ニーナを死なせる気なんて無いので全く問題ないしな。


 話を振られたニーナは、お任せくださいと小さな胸を張った。


「というか私じゃなくても、たかが数万リーフの為にご主人様を裏切るなんてありえませんよ。その何倍もの金額を稼げる人だと今回証明してくれたんですから」

「ま、今回は多分に運の要素が含まれてたけどね。大切な奴隷に甲斐性を感じてもらえたのなら嬉しいよ」


 ニーナの評価は嬉しいけど、今回は反省すべきだねぇ……。


 ステータスカード入金も絶対に安全ってワケじゃないんだなぁ。しかもそれで取引をしなきゃいけない以上、情報の漏洩を防ぐのは実質不可能だ。

 セキュリティの観点から言えば、インベントリは最善の金庫となる。もしも旅人のインベントリを引き継げれば、それ以降お金の盗難に遭う心配は殆どなくなる。

 ニーナにはまず旅人の最高LVをを目指してもらおう。


 うん。今回の反省は次回に活かせばいいんだ。幸い問題が起こる前に気付けたんだしね。
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