「君と暮せば毎日がちょっといい日」

るみ乃。

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「ダブルデ-トみたいやん」

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 秋の休日
 姉さんと、姉さんの彼氏・あきらさんに誘われて、俺たちは山のハイキングにやってきた。
 もちろん、柴犬すももも一緒。紅葉シーズンの山道は、風に揺れる木々が赤や黄色に染まっていて、すごく気持ちが良い。

「あきらさん、ほんまにアウトドア似合ってますね!」
 隣で蒼汰が感激している。

 あきらさんは背が高くて、日に焼けた腕を組みながら笑った。
「いやいや、俺なんか人付き合い苦手でさ。自然の中なら一人でいられるし気楽だなって思って始めたら、どんどんハマっちゃって」
「え、意外……!」

 蒼汰の目がきらきらしている。
「それで?それで?趣味仲間ができて、立ち寄ったカフェに加奈さんがいたん?うわぁ~恋の始まりって感じや!!」
「……蒼汰、はいはい、おわり。すももと遊んでおいで」
 姉さんは赤い顔でそっけなく言う。

「えー、そんなん途中で切るなんて~!」
 口を尖らせながらも、結局「すももぉ~!」と追いかけていく蒼汰。
 すももは尻尾をぶんぶん振って、嬉しそうに駆け回る。

 俺はそんな様子を見ながら、心の中でくすりと笑った。
 ――正直、姉さんとあきらさん、お似合いだと思う。
 あきらさんは優しそうで頼りになりそうで、なにより姉さんが自然に笑っているのが印象的だった。

 その時、不意にあきらさんが俺の方を見て言った。
「悠真くん、蒼汰くんっていい子だね。……あ、ごめん、変な意味じゃなくて。君に向ける笑顔がすごくいいなって思って」
 ちょっとびっくりして、俺も笑い返す。
「ぼくも、姉さんの笑顔を見て、同じこと思ってました」

 その言葉に、あきらさんは照れくさそうに頭をかいた。

 帰り道、みんなで焼肉屋に立ち寄った。
「いや~、やっぱり運動したあとの肉は最高やな!」嬉しそうに頬張る蒼汰の顔に、みんなで笑う。「なんかダブルデートみたいやん、めっちゃ楽しい!!」わいわいと肉を焼く。

 帰り道、蒼汰が隣でぽつりと言った。
「なぁ悠真。加奈さんとあきらさん、めっちゃお似合いやなぁ」
「あぁ。そうだな」
「でもな――」
 蒼汰はにやりと笑って、俺の手を握った。
「俺と悠真も、お似合いやん!」

 秋風が頬を撫でる。冷たいはずなのに、腕に絡む蒼汰のぬくもりのおかげで温かい。俺は、不意にその額へ唇を落とした。

「……ゆ、悠真……っ」
 蒼汰が目を丸くして、次の瞬間、真っ赤になってそっぽを向く。
 その反応があまりにも可愛くて、思わず笑いがこぼれた。

 秋の風景が、二人だけの世界をいっそう色濃くしていく。
 ――やっぱり、俺と蒼汰も負けてないな
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