「君と暮せば毎日がちょっといい日」

るみ乃。

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「一緒にでも、ひとりでも…趣味さがし」(蒼汰視点)

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「なんかさぁ、趣味って欲しいなって思うねん」
 休日の昼下がり、珈琲をすすりながらぽつりと言うと、悠真が顔を上げた。

「急にどうした?」
「いや、加奈さんの彼氏のアキラさんおるやん? あの人、この前キャンプの写真見せてくれてん。焚き火とか、星空とか、めっちゃええ感じでさ。なんか、俺もそういうの欲しいなぁって」

 悠真は苦笑いしながらカップを置く。
「なるほどね。でも蒼汰がアウトドア?」
「なにそれ、バカにしてんの?」
「いやいや、虫とか苦手だろ」
「うっ……そ、それはまぁ……」

 口ごもる蒼汰に、悠真がくすっと笑う。
「まぁ、一緒にできるのもいいけどさ。趣味って、まずは“ひとりで興味持てること”を探した方がいいと思うけど?」
「え~、なんかそれ寂しくない?」
「そういう意味じゃなくて」
 悠真は少し笑って、視線を合わせてくる。
「二人の時間も大切だけど……自分だけの時間で好きなことを見つけるのも大事かなって」

「うーん……」
 蒼汰は考え込みながら、ストローをくるくる回す。
「でもぉ……俺と一緒にしたくないってことやん?」
「だから、そういう意味じゃないって」
 悠真はあわてて笑った。
「むしろ、一緒にできるならそれも嬉しいけどな。俺は最近、陶芸とか面白層とかおもって」
「陶芸?」
「うん。土の感触とか、集中できそうで」

 蒼汰はちょっと首をかしげながらも興味深そうに聞く。
「へぇ……ええやん。でも、じゃぁ俺……なんやろ。こないだお客さんが“カメラにはまってる”って言うてて、ちょっと憧れた」
「カメラ、似合いそうだな」
「そう? でも機材とか高そうやしなぁ。……あ、でも食べ歩きとかも楽しそうやな」

 悠真が笑って頷いた。
「いいじゃん。食べ歩き、俺も付き合うよ」
「結局、一緒にするやん」
「まぁ、そこはね」

 二人で笑い合う。窓の外では、金木犀の花がまだ少し残っている。
「今度アートフェスでも行ってみる? いろんな出店あるし、陶芸とかカメラとか、なんか面白そうなもん見つかるかも」
 悠真の言葉に、蒼汰はぱっと顔を明るくした。

「ええな、それ! 行こ行こ!」
「よし、決まり」

 笑いながら予定をスマホに入れる。
 なんてことない休日の午後やけど、こうして二人で未来の小さな楽しみを見つけていく感じ――それが何より嬉しい。
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