103 / 150
「二連休、寒さと湯気の温泉デ-ト ②」
しおりを挟む
外湯へ向かう頃には、
空がすっかり夕方の色になって、風が頬をひゅっと刺した。
「うわっ……さむっ……」
思わず肩をすくめると、前を歩いてた悠真が、ちらっとこっちを見る。
「だから言っただろ、厚い上着にしろって」
「車やし、大丈夫かなって思ってもん……って、うわ、冷た」
手をこすりながら愚痴ってるうちに、
自然と悠真の腕に腕を絡めていた。
ほとんど抱きつくみたいに。
「お前……」
「寒いから仕方ないやん。……寄らせて」
ちょっとだけ照れながら言うと、
悠真はため息みたいに笑って肩を寄せてくる。
その瞬間、鼻先が悠真の肩にこつんと当たって、吐息が白く混ざった。
あぁ、あったか……。
木の橋を渡ると、川の音が近くなって、
小屋みたいな外湯から湯気がふわって上がっていた。
「あれだな」
「なんか……ええな」
ほんとに、ぽつっと出た言葉。
「ええなって?」
「こんなん……彼氏と来るって最高やん」
言った瞬間、悠真がちょっと顔そむける。
その反応がもう、可愛い。
湯小屋の前に着くと、名残惜しく腕を離したけど、
すぐに指先だけもう一回そっとつないだ。
「……まだ離したない」
「誰も見てないし……いいんじゃない」
繋いだ指が、ゆっくり温まっていく。
その温度がなんか、嬉しくて。
湯船に浸かると、
さっきまでの寒さが嘘みたい。
「はーー……天国……」
「大げさだな」
「寒かったんやもん。……寄って?」
湯の中で少し距離を詰めると、
悠真は照れるでもなく、自然に寄り添ってくれた。
その静けさが、めちゃくちゃ心地いい。
あぁ、悠真と一緒に旅行来られてよかったな……
空がすっかり夕方の色になって、風が頬をひゅっと刺した。
「うわっ……さむっ……」
思わず肩をすくめると、前を歩いてた悠真が、ちらっとこっちを見る。
「だから言っただろ、厚い上着にしろって」
「車やし、大丈夫かなって思ってもん……って、うわ、冷た」
手をこすりながら愚痴ってるうちに、
自然と悠真の腕に腕を絡めていた。
ほとんど抱きつくみたいに。
「お前……」
「寒いから仕方ないやん。……寄らせて」
ちょっとだけ照れながら言うと、
悠真はため息みたいに笑って肩を寄せてくる。
その瞬間、鼻先が悠真の肩にこつんと当たって、吐息が白く混ざった。
あぁ、あったか……。
木の橋を渡ると、川の音が近くなって、
小屋みたいな外湯から湯気がふわって上がっていた。
「あれだな」
「なんか……ええな」
ほんとに、ぽつっと出た言葉。
「ええなって?」
「こんなん……彼氏と来るって最高やん」
言った瞬間、悠真がちょっと顔そむける。
その反応がもう、可愛い。
湯小屋の前に着くと、名残惜しく腕を離したけど、
すぐに指先だけもう一回そっとつないだ。
「……まだ離したない」
「誰も見てないし……いいんじゃない」
繋いだ指が、ゆっくり温まっていく。
その温度がなんか、嬉しくて。
湯船に浸かると、
さっきまでの寒さが嘘みたい。
「はーー……天国……」
「大げさだな」
「寒かったんやもん。……寄って?」
湯の中で少し距離を詰めると、
悠真は照れるでもなく、自然に寄り添ってくれた。
その静けさが、めちゃくちゃ心地いい。
あぁ、悠真と一緒に旅行来られてよかったな……
10
あなたにおすすめの小説
黒獅子の愛でる花
なこ
BL
レノアール伯爵家次男のサフィアは、伯爵家の中でもとりわけ浮いた存在だ。
中性的で神秘的なその美しさには、誰しもが息を呑んだ。
深い碧眼はどこか憂いを帯びており、見る者を惑わすと言う。
サフィアは密かに、幼馴染の侯爵家三男リヒトと将来を誓い合っていた。
しかし、その誓いを信じて疑うこともなかったサフィアとは裏腹に、リヒトは公爵家へ婿入りしてしまう。
毎日のように愛を囁き続けてきたリヒトの裏切り行為に、サフィアは困惑する。
そんなある日、複雑な想いを抱えて過ごすサフィアの元に、幼い王太子の世話係を打診する知らせが届く。
王太子は、黒獅子と呼ばれ、前国王を王座から引きずり降ろした現王と、その幼馴染である王妃との一人息子だ。
王妃は現在、病で療養中だという。
幼い王太子と、黒獅子の王、王妃の住まう王城で、サフィアはこれまで知ることのなかった様々な感情と直面する。
サフィアと黒獅子の王ライは、二人を取り巻く愛憎の渦に巻き込まれながらも、密かにゆっくりと心を通わせていくが…
とあるΩ達の試練
如月圭
BL
吉住クレハは私立成城学園に通う中学三年生の男のオメガだった。同じ学園に通う男のオメガの月城真とは、転校して初めてできた同じオメガの友達だった。そんな真には、番のアルファが居て、クレハはうらやましいと思う。しかし、ベータの女子にとある事で目をつけられてしまい……。
この話はフィクションです。更新は、不定期です。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
僕たち、結婚することになりました
リリーブルー
BL
俺は、なぜか知らないが、会社の後輩(♂)と結婚することになった!
後輩はモテモテな25歳。
俺は37歳。
笑えるBL。ラブコメディ💛
fujossyの結婚テーマコンテスト応募作です。
定時後、指先が覚えている
こさ
BL
職場で長く反目し合ってきた二人。
それでも定時後の時間だけは、少しずつ重なっていく。
触れるはずのなかった指先。
逸らさなかった視線。
何も始まっていないのに、
もう偶然とは呼べなくなった距離。
静かなオフィスでゆっくりと近づいていく、
等身大の社会人BL。
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談?本気?二人の結末は?
美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
妖精です、囲われてます
うあゆ
BL
僕は妖精
森で気ままに暮らしていました。
ふと気づいたら人間に囲まれてました。
でもこの人間のそばはとても心地いいし、森に帰るタイミング見つからないなぁ、なんて思いながらダラダラ暮らしてます。
__________
妖精の前だけはドロ甘の冷徹公爵×引きこもり妖精
なんやかんやお互い幸せに暮らします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる