「君と暮せば毎日がちょっといい日」

るみ乃。

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「クリスマスの準備は完璧」

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 夕方前、キッチンに立ちながら時計をちらっと見る。
 蒼汰から来たメッセージは、少し前。

「ごめん、少し遅くなるかも」

 ……やっぱりな、って思う。
 この時期、忙しいのは分かっている。

 寒い中帰ってくる蒼汰に、あたたかいスープ。
 ローストビーフも、帰りが遅くなって覚めても美味しい定番料理。

「完璧だな」

 誰に言うでもなく、そう呟く。

 テーブルクロスを広げて、小さな飾りを置いて、照明を少し落とす。

 派手じゃない。でも、蒼汰が玄関を開けた瞬間、
「あ」って思ってくれたらそれでいい。

 駅前のケーキ屋で箱を受け取ったとき、
 思わず口元が緩んだ。

 蒼汰、絶対喜ぶやろな。
 今夜で「スィーツ断食」も終わりだから
 冷蔵庫にケーキを入れて、
 その横に、姉ちゃんが届けてくれた、小さいケ―キも並べる。


 プレゼントの袋を手に取る。
 ピアスは、シンプルなやつ。
 意味とか、石言葉とか
 そういうのは、言わないつもり……。
 俺がわかっていればそれでいい、
 ホントは、恥ずかしいだけだけど……

「仕事でも邪魔にならん」って理由にしたのは、
 ずっと身につけててほしいからや。

 時計を見る。そろそろかな。
 玄関の音がしたら、「おかえり」って言うだけやのに、
 胸が少しだけ高鳴る。

 同棲してるから、特別なことは少ないかもしれん。

 でも、帰ってくる場所を整えて、好きなもの用意して、
 待つ時間ごと一緒に過ごす夜は、ちゃんと、クリスマス。

 蒼汰がドアを開けた瞬間の顔を思い浮かべながら、
 俺はもう一度、テーブルの位置を整えた。

 今日は、
 ちゃんと
 俺たちの、クリスマスイブ。
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