「君と暮せば毎日がちょっといい日」

るみ乃。

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「留守番とご褒美」(蒼汰視点)

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 今日は悠真が忘年会。
 俺の職場は年末まで仕事で、忘年会はなし。
 その代わり新年会が定例やから、今日は普通に帰るだけ。

 仕事終わり、駅に向かう途中でスマホが震えた。
『ごはん用意してあるから。冷蔵庫にもあるし、温めて食べろよ』
 気ぃ利きすぎやん。
『ありがとうな。気にせんでええのに。忘年会、楽しんできてなぁ』
 そう返しながら、商店街を歩く。

 ちらほら、スーツ姿のグループ。
 みんな忘年会なんかな。
 悠真も今ごろ、こんな感じで飲んでるんかなぁ。

 ……飲みすぎてないやろか?
 誰かに絡まれてへん?
 まさか、誘惑とか――

 いやいやダメダメ。
 悠真なら、たとえ誘惑されたとしても余裕で勝って帰ってくる。
 何せ俺崇拝やからな。たぶん。きっと。絶対。

 そんなこと考えながら家に着く。
 ドアを開けても「おかえり」がない。
 ブルゾン脱いで、こたつに潜り込んだ瞬間、急に実感した。

「……さみし」

 寒いし、静かやし、なんか足りん。
 あ、あかん。ごはん食べよ。

 リビングのテーブルには、ちゃんと用意された食事。
 その横に、小さなメモ。

『蒼汰。心配するな。ちゃんと帰るから。
 俺の帰るとこは、お前だけ。♡』

 ……なにこのハート。悠真らしくない……けど……
 書き方がもう、「蒼汰が心配する前提」やん。
 わかってるのが腹立つけど、嬉しい。

 冷蔵庫を開けると、「ご褒美・留守番用」の文字。
 中を覗いて――
「え、なにこれ……」

 駅前のケーキ屋のプリン。
 しかも、あのちょっと高いやつ。
 コンビニのプリンも好きやけど、これは高級感が違う。

 ……めちゃくちゃ美味そう。ごはんのあとに食べよ……

 結局、まだ手をつけてへん。
 だって、悠真と一緒に食べたいやん。
「美味しいな」って言うの、分かち合いたいねん。

 こたつから冷蔵庫を眺めて、帰りを待つ。
 留守番も、悪ないなぁ。
 でもやっぱり、早よ帰ってきてぇ。
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