「君と暮せば毎日がちょっといい日」

るみ乃。

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「おみやげ選び」

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 週末、蒼汰が久しぶりに大阪の実家に帰る。

「蒼汰……おみやげ、買いに行こう」 
「え、なんでそんな改まってんの」
「いつも向こうから色々送ってもらってるだろ。 今回は俺からのおみやげ、持ってってほしくて」

 そう言った瞬間、少し目を丸くした。

「なんやそれ。急に」
「……ようできた嫁さんみたいやん」
「誰が嫁だよ」

 そうして二人でデパ地下へ。

 人は多いし、棚はキラキラしてるし、正直ちょっと疲れる。 ……はずなのに。

「これは?」 
「それ、クッキー?」
「なぁこれ、かわいいなあ。妹喜びそう」

 気づけば俺、
 自分でも引くくらい真剣になってた。

「悠真、さっきから顔が“めっちゃ真剣”やで」 「うるさいな。ちゃんとしたの選びたいんだよ」

 蒼汰は横で、箱を手に取っては戻し、 俺の様子を見てニヤニヤしている。

「なぁ、そんな気にせんでええって。 うちはな、食べもん出てきたら 
『あら、美味しそうやねぇ』で終わる家やから」

「……それでもさ、彼氏としてな…」

 最終的に選んだのは、 東京限定で、上品で、甘すぎなくて……
 箱を見て少し満足していると、 蒼汰がぽつりと言った。

「……それ、絶対オカン喜ぶわ」
「そう?」
「うん。“気ぃ使わせてごめんなぁ”って言いながら、 嬉しそうに近所に配るタイプや」

 想像できて、思わず笑ってしまった。

 レジ横でメッセージカードを取ると、 蒼汰がすぐ突っ込んでくる。

「まさか、書く気?」
「一言くらいは」

 家に帰って、 
 《いつも大阪のお菓子、ありがとうございます。よかったら皆さんで。》
  そう書いた、

「うわぁ……」 
「これ見たらオカン、 『この人、手放したらあかん』って言うわ」
「やめろ」

 そう言いながらも、 蒼汰はカードを大事そうに袋に戻した。

 それから、俺はもう一つ袋を差し出す。

「はい」
「なに?」 
「新幹線の中で食べる用。 向こう着くまで我慢できないだろ」

 袋を開けた瞬間、蒼汰が笑った。

「俺の好み、完璧に知っとるやん」
「当たり前だろ」

「……なぁ、悠真」
「ん?」
「実家帰るのは嬉しいんやけどさ……
 でも、早よ帰ってきたい理由ができてもうたやん」
 そう言って、 わざとらしく俺の肩
 に体重を預けてくる。

「重い」
「愛やん」 
「……はいはい」

 おみやげ一つで、 こんなに騒がしくて、一生懸命になった。
 なんだか 俺らしくないけど……それだけ蒼汰が好きってこと。
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