「君と暮せば毎日がちょっといい日」

るみ乃。

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「目覚まし二重地獄」

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 “ピッ、ピッ、ピッ、ピ”
 目覚ましが……なった。
 2月の朝。布団の中は天国。外はたぶん地獄。
 目を閉じたまま手だけ伸ばして、アラームを止める。

 静寂。
 ……の、5秒後。
 ♪ てぃろりろりん、てぃろりろりん…
「……は?」
 今度は蒼汰の……
 最近寒いを理由に自分のスマホも設定し始めた。

「蒼汰」
 横を見る。ぴくりとも動かない。
「蒼汰」
「んー……」
 返事はする。起きない。

 ♪ てぃろりろりん…
 どこだ。音源。
 枕の下? 布団の中?

「ちょ、うるさ……!」

 布団をめくる。足元を探る。俺は朝から宝探し状態。
 ようやく見つけたスマホを掴んで、停止。

「もぉ……寒いやん」
「……どっちかひとつでいいだろ!」
 俺は低い声で言う。
 蒼汰は目も開けずに答える。

「だって、保険やん」
「何の」
「二度寝防止」
「今、二度寝してるの誰だよ」
「……」

 返事がない。
 代わりに、腕が伸びてくる。
 俺の腰に回る。

 “ぎゅ。”

「ちょ、離せ」
「寒い」
「それ理由になってない」

 でも布団の中、あったかい。

「俺のは止めたやろ?」
「止めた」
「ほなええやん」
「よくない」

 蒼汰が目をうっすら開ける。
 寝起きでぼんやりした目。

「……悠真と、もうちょいこうしてたい」

 結局。
 俺は、自分のスマホを手に取って、五分後に再設定する。

「二重はやめる。時間ずらす……さすがきっちりさん」
「うるさい」

 でも、腕はまわしたまま。
 布団の中で、額が触れる。
 寒いはずなのに、顔だけ熱い。

 五分後。
 またアラームが鳴る。
 今度は、二人同時にため息。

「……起きるか」
「うん」

 でも、あと十秒だけ。
 俺から少しだけ、くっついたのは秘密。
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