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61 朝焼けにほどける(レオン視点)
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ユリスの髪が、胸の上で微かに揺れている。
呼吸は穏やかで、寝息のリズムが俺の鼓動と重なるたび、
この瞬間が現実なのだと実感する。
昨夜――
俺たちは、ついに結ばれた。
長い時間、待った。
待たせたくて待ったわけじゃない。
ただ、ユリスが怖がっていた。
誰にも言えなかった傷と、肌の記憶。
だから俺は、ずっとその扉の前に座って、
焦らず、押し込まず、
彼の「愛されたい」と「愛したい」が重なる瞬間を、信じて待ってた。
……報われたなんて、簡単な言葉じゃ表せない。
俺は、ユリスを愛した。
一度きりじゃない。何度も、丁寧に、まるで壊れ物のように。
けれど、壊れるどころか――
ユリスは俺の腕の中で、ちゃんと**「生きて」**いた。
あの夜を越えた今、彼の肌は、まるで春先の雪解けみたいに、
ぬるく、柔らかく、俺の指先にとけていく。
「……レオン……?」
寝ぼけた声で、ユリスが俺を見上げる。
少し乱れた髪。ほんのり火照った頬。
昨夜、何度もキスしたその唇は、まだ熱の名残をとどめている。
「……おはよう」
そっと額に口づけると、ユリスが目を細める。
「……まだ夢みたい。……ほんとに、あんたと……繋がれたのかって」
「夢じゃないよ。ちゃんと、肌の奥で、お前を感じた。
ユリスが俺を受け入れてくれたこと、ずっと忘れない」
俺はゆっくり身体を起こし、
ユリスの肩を引き寄せて、そのうなじに唇を落とす。
柔らかなキス。
ただ、それだけなのに、ユリスの身体が小さく震える。
「……くすぐったい、ってば……」
「可愛いから、つい。……こうやって、朝からでもキスしたくなる」
言いながら、ユリスの背中をなぞる。
昨夜の名残が、微かに残っている――
俺の指が触れたところすべてが、愛しい。
「なぁ、ユリス」
「……ん?」
「お前の身体、すごく綺麗だった。……でも、それ以上に、
お前が俺を“欲しい”って言ってくれたことが……一番嬉しかった」
ユリスは一瞬、目を伏せる。
そして、耳まで赤くなりながら、小さく笑った。
「……あんたにしか、そう思えなかったんだよ。ずっと、こわかった。
でも……昨夜、あんたの手が、あまりにも優しくて……嬉しかったんだ」
その言葉に、胸の奥がじんと熱くなる。
俺はそっとユリスを抱き寄せて、
彼の腰のあたりに腕をまわす。
優しく、撫でるように。
再び熱を求めるというよりも、
**「ここにいる」**という、証を確かめるように。
「……もうちょっとだけ、触れてていい?」
ユリスが黙って、こくりと頷く。
その仕草がたまらなく愛しくて、
俺は再び唇を彼の鎖骨に落とした。
「ユリス、お前の全部が……愛しいよ」
「……ばか。言いすぎ……」
そう言いながら、彼の手が俺の髪を撫でてくれる。
触れ合う指先、互いの熱、
カーテンの隙間から差し込む朝焼け。
それがただ、しずかに――幸福の輪郭を描いていた。
どこか遠くで鳥が鳴く。
新しい一日が、ふたりの背を優しく押す。
でも今だけは、
このぬるい余韻の中で、
心と身体がひとつになった幸福を、
ただ静かに、味わっていたかった。
やっと、たどり着いた朝。
この光の中で、ユリスとなら――
俺は何度でも、愛し合える。
呼吸は穏やかで、寝息のリズムが俺の鼓動と重なるたび、
この瞬間が現実なのだと実感する。
昨夜――
俺たちは、ついに結ばれた。
長い時間、待った。
待たせたくて待ったわけじゃない。
ただ、ユリスが怖がっていた。
誰にも言えなかった傷と、肌の記憶。
だから俺は、ずっとその扉の前に座って、
焦らず、押し込まず、
彼の「愛されたい」と「愛したい」が重なる瞬間を、信じて待ってた。
……報われたなんて、簡単な言葉じゃ表せない。
俺は、ユリスを愛した。
一度きりじゃない。何度も、丁寧に、まるで壊れ物のように。
けれど、壊れるどころか――
ユリスは俺の腕の中で、ちゃんと**「生きて」**いた。
あの夜を越えた今、彼の肌は、まるで春先の雪解けみたいに、
ぬるく、柔らかく、俺の指先にとけていく。
「……レオン……?」
寝ぼけた声で、ユリスが俺を見上げる。
少し乱れた髪。ほんのり火照った頬。
昨夜、何度もキスしたその唇は、まだ熱の名残をとどめている。
「……おはよう」
そっと額に口づけると、ユリスが目を細める。
「……まだ夢みたい。……ほんとに、あんたと……繋がれたのかって」
「夢じゃないよ。ちゃんと、肌の奥で、お前を感じた。
ユリスが俺を受け入れてくれたこと、ずっと忘れない」
俺はゆっくり身体を起こし、
ユリスの肩を引き寄せて、そのうなじに唇を落とす。
柔らかなキス。
ただ、それだけなのに、ユリスの身体が小さく震える。
「……くすぐったい、ってば……」
「可愛いから、つい。……こうやって、朝からでもキスしたくなる」
言いながら、ユリスの背中をなぞる。
昨夜の名残が、微かに残っている――
俺の指が触れたところすべてが、愛しい。
「なぁ、ユリス」
「……ん?」
「お前の身体、すごく綺麗だった。……でも、それ以上に、
お前が俺を“欲しい”って言ってくれたことが……一番嬉しかった」
ユリスは一瞬、目を伏せる。
そして、耳まで赤くなりながら、小さく笑った。
「……あんたにしか、そう思えなかったんだよ。ずっと、こわかった。
でも……昨夜、あんたの手が、あまりにも優しくて……嬉しかったんだ」
その言葉に、胸の奥がじんと熱くなる。
俺はそっとユリスを抱き寄せて、
彼の腰のあたりに腕をまわす。
優しく、撫でるように。
再び熱を求めるというよりも、
**「ここにいる」**という、証を確かめるように。
「……もうちょっとだけ、触れてていい?」
ユリスが黙って、こくりと頷く。
その仕草がたまらなく愛しくて、
俺は再び唇を彼の鎖骨に落とした。
「ユリス、お前の全部が……愛しいよ」
「……ばか。言いすぎ……」
そう言いながら、彼の手が俺の髪を撫でてくれる。
触れ合う指先、互いの熱、
カーテンの隙間から差し込む朝焼け。
それがただ、しずかに――幸福の輪郭を描いていた。
どこか遠くで鳥が鳴く。
新しい一日が、ふたりの背を優しく押す。
でも今だけは、
このぬるい余韻の中で、
心と身体がひとつになった幸福を、
ただ静かに、味わっていたかった。
やっと、たどり着いた朝。
この光の中で、ユリスとなら――
俺は何度でも、愛し合える。
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