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ヤマツカ村にて

♠噛みあと♠

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 山から降り、ジンと共に住まわしてくれる療養所に向かった。
 スバルはジンの幼馴染みらしく、(ジンは覚えていないらしいが)一部屋貸してもらって、暮らすことになった。

 日中、荒れたままの畑を耕し、汗だくになった二人はお風呂に入った。
 ここは水が豊富にあるので、余裕で二人が入れる湯船に、たっぷりのお湯に浸かり疲れを癒していた。
 お湯を掻き分け、背後から近付いて来たジンが、首筋に触れる。
「この噛みあとは、どうした」
「…。」
 そうだ、『魔力の交合』の時に、噛まれたんだった。
「…あの狼か?」
「…。」
「他にも噛まれたのか?」
 噛まれたのはここだけ…の、はず…。
「…ここだけ…」
「…。」
 ジンが噛みあとを、なぞるように舌を這わす。
「っっ…」
 まだ少し痺れがある。
「感じるのか…」
「…。」
 背後からジンの手が胸の突起を摘まんでくる。
「んっ…」
 手が胸から腰へなぞるように下りていく。
「ダメだって!」
 お風呂の中でなんて!
 急にジンに抱え上げられお湯が波打ち、浴槽から出るとタイルの床に座らされた。
 タイルが冷たい…。
「何?」
「確かめる」
「えっ?」
 そう言って、腕を上げさせられ眺め、首筋から順番に触れて確かめていく。
 そんな触り方されるとムズムズするんだけど。
 両足が開脚され、太ももの内側で手が止まる。
「ここに痕がある」
 そう言って顔を埋め、きつく吸い付いてきた。
「はぁんっ…」
 リーンは仰け反る。
 ジンの髪がサワサワと敏感なところに触れ、柔らかな刺激を与えてくる。
「ここにもある」
 そう言って、吸い付かれ起立から蜜がこぼれだした。
 ソコには触れず、背中や腰にをも触って吸い付かれ、身体がどうしようもないくらい火照り出す。
「あっ…、はぁ…、はぁ…」
「噛みあと以外、上書きした…」
「うっ…くっ…」
 股間の起立がはち切れそうだ。
「あっ、…ジン…」
 すがり付く。
「どうして欲しい」
 ジンは意地悪く笑う。
「…っっ」
 分かってるくせに、言わせようとする。
「…くわ…えて…」
 ここも上書きして…。
「あああぁ!」


「獣人族の噛みあとは、群れの通行手形のようなものなんだ…。身の安全をリーダーが保証する…」
 ジンの膝に抱えられて、お風呂に入り直しをしていた。
 ジンは複雑な顔でリーンを見る
「でも、あんまりいい気分ではない…」
「…それ以外は上書きしたから…良いだろ…」
「…。」
 あまり詳しく言いたくないけど…。
「アレが無いと、群れの中で所有権を巡って、争いが起きるから…」
 一度、大変な事になって、死にそうになった。
 魔法を封じられ、魔力だけ奪われ、その群れのリーダーに助けられるまで…。
「…。」
「今は、ジンだけの者だよ…」
 そう言ってリーンはジンに寄りかかった。
 
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