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はぐれ獣人
はぐれ獣人と『魔力の交合』をして、さっきまでいた町に戻っていく途中の話。
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はぐれ獣人と『魔力の交合』をして、さっきまでいた町に戻っていく途中、『風霊』に身体を洗える小川か泉を探してもらった。
身体を拭ったとはいえ、ベタッとはしているし、中出しされたものを洗いたかった。
歩くたび残っているモノが流れ出て来そうで、気になって仕方がない。
それに今から子獣を助け出すならば、余計な匂いは付いていない方がいい。
…警戒させてしまう。
しばらく歩き、町が見えてくる頃『風霊』が、こっち、と脇道に誘導された。
ソコは岩の裂け目の上の方から水が流れ出ていて、小さな滝になっている。
『風霊』にお礼を言って、服を脱ぎ始め、付いてきた獣人の方を見ると、こっちをじっと見ていた。
「…『大地の拘束』…向こう向けてね」
リーンがそう言うと、蔦が伸びて来て、獣人を拘束し、身体を浮き上がらせて、反転した。
「何をする!」
獣人は顔を捻って、こちらを見ようともがいている。
「なんかね~。この間の事があるから…」
そう言って服を脱ぎ出した。
以前、ロキと『魔力の交合』をした後、「出してやる」と、中をまさぐられイかされてしまった。
…でも、ロキだと『大地の拘束』を解いちゃうんだよな…。
リーンは後ろに指を入れ、中に残っているモノを掻き出す。
「んっ…」
指を伝ってドロリとしたものが落ちてくる。
流れてくる水で洗い流し、髪も身体も洗うとさっぱりとして、落ち着いた。
風で身体の水気を飛ばし、『物質保管庫』から新しい服を取り出して着替える。
『大地の拘束』を解き、獣人がこちらを向く。
「お前は、何者なんだ?獣人を怖がらす子獣を助けようとしてくれる…」
リーンは首をかしげる。
「なんだろね。『森の管理者』て、呼ばれることもあるけど、自分のしたいようにしてるだけ、なんだけどな…」
ジンと一緒にのんびり暮らしたかったのも、タミネキ村の『御神木』を再生させたかったのも、いま、子獣を助け出そうとするのも…。
ただ、それについて回る出来事が、あまりにも予想外の事柄が多いと言うだけで…。
「それより町に行くよ。子獣を連れ戻さないと…」
そう言って、町に戻る道に出て歩き出した。
「…今さらだけど、名前は?私はリーン」
呼び名が無いと不便だ。
「…呼ばれた事がない…。だから、無い」
「…。」
と、言うことは、幼い頃から一人でいたと言うこと。
もしくは何処かに捕まっていて、逃げ出してきたから、誰かと一緒にいることが無かったから呼び名も無いと、言うことだろうか。
よく、言葉喋れて、擬態が出きるようになったよな…。
それだけ、警戒して、観察して、身に付けたんだったら、才能あるんだけどな…。
魔法は使えないみたいだが魔力がある程度あるし、一般教養が掛けているが、単独で子獣を助けようと動けるだけの行動力はある。
「キリト」
獣人はリーンを見る。
「お前の事はキリトって呼ぶ。誰かに名前を聞かれたら、そう答えればいい」
獣人は目を見開き、驚いていた。
「キリト…」
獣人のキリトは、その名が自分の中に浸透していくのを感じていた。
ただ、名前を呼ばれただけで、身体の中が暖かく荒んだ気持ちが何処かに消えていく。
一歩前を歩くリーンの背中を見つめながら、手を伸ばし、無意識に背後から抱き締めていた。
「おい、危ないって!」
リーンは足を縺れさせ、立ち止まる。
「俺の名前を呼んで…」
「キリト?」
リーンは不思議そうにキリトの腕の中で彼を見上げた。
名前、嬉かったのかな?
「ほら、行くよ。夜には子獣達を助けて、明日にはヤマツカ町に着きたいからね」
リーンはキリトの腕から抜け出して、町に向かって歩き出した。
身体を拭ったとはいえ、ベタッとはしているし、中出しされたものを洗いたかった。
歩くたび残っているモノが流れ出て来そうで、気になって仕方がない。
それに今から子獣を助け出すならば、余計な匂いは付いていない方がいい。
…警戒させてしまう。
しばらく歩き、町が見えてくる頃『風霊』が、こっち、と脇道に誘導された。
ソコは岩の裂け目の上の方から水が流れ出ていて、小さな滝になっている。
『風霊』にお礼を言って、服を脱ぎ始め、付いてきた獣人の方を見ると、こっちをじっと見ていた。
「…『大地の拘束』…向こう向けてね」
リーンがそう言うと、蔦が伸びて来て、獣人を拘束し、身体を浮き上がらせて、反転した。
「何をする!」
獣人は顔を捻って、こちらを見ようともがいている。
「なんかね~。この間の事があるから…」
そう言って服を脱ぎ出した。
以前、ロキと『魔力の交合』をした後、「出してやる」と、中をまさぐられイかされてしまった。
…でも、ロキだと『大地の拘束』を解いちゃうんだよな…。
リーンは後ろに指を入れ、中に残っているモノを掻き出す。
「んっ…」
指を伝ってドロリとしたものが落ちてくる。
流れてくる水で洗い流し、髪も身体も洗うとさっぱりとして、落ち着いた。
風で身体の水気を飛ばし、『物質保管庫』から新しい服を取り出して着替える。
『大地の拘束』を解き、獣人がこちらを向く。
「お前は、何者なんだ?獣人を怖がらす子獣を助けようとしてくれる…」
リーンは首をかしげる。
「なんだろね。『森の管理者』て、呼ばれることもあるけど、自分のしたいようにしてるだけ、なんだけどな…」
ジンと一緒にのんびり暮らしたかったのも、タミネキ村の『御神木』を再生させたかったのも、いま、子獣を助け出そうとするのも…。
ただ、それについて回る出来事が、あまりにも予想外の事柄が多いと言うだけで…。
「それより町に行くよ。子獣を連れ戻さないと…」
そう言って、町に戻る道に出て歩き出した。
「…今さらだけど、名前は?私はリーン」
呼び名が無いと不便だ。
「…呼ばれた事がない…。だから、無い」
「…。」
と、言うことは、幼い頃から一人でいたと言うこと。
もしくは何処かに捕まっていて、逃げ出してきたから、誰かと一緒にいることが無かったから呼び名も無いと、言うことだろうか。
よく、言葉喋れて、擬態が出きるようになったよな…。
それだけ、警戒して、観察して、身に付けたんだったら、才能あるんだけどな…。
魔法は使えないみたいだが魔力がある程度あるし、一般教養が掛けているが、単独で子獣を助けようと動けるだけの行動力はある。
「キリト」
獣人はリーンを見る。
「お前の事はキリトって呼ぶ。誰かに名前を聞かれたら、そう答えればいい」
獣人は目を見開き、驚いていた。
「キリト…」
獣人のキリトは、その名が自分の中に浸透していくのを感じていた。
ただ、名前を呼ばれただけで、身体の中が暖かく荒んだ気持ちが何処かに消えていく。
一歩前を歩くリーンの背中を見つめながら、手を伸ばし、無意識に背後から抱き締めていた。
「おい、危ないって!」
リーンは足を縺れさせ、立ち止まる。
「俺の名前を呼んで…」
「キリト?」
リーンは不思議そうにキリトの腕の中で彼を見上げた。
名前、嬉かったのかな?
「ほら、行くよ。夜には子獣達を助けて、明日にはヤマツカ町に着きたいからね」
リーンはキリトの腕から抜け出して、町に向かって歩き出した。
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