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1章
お昼ご飯を食べました。
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とりあえず、買った奴隷ことレンちゃんと我が家に向かった。この世界の奴隷システムについてなにも知らない俺は何話せばいいのかわからないし、とりあえず無言になっちゃうよね。いや、前世では1度や2度甘酸っぱい青春を送ってるよ?うん。転生する時は彼女居なかったけどね?童貞じゃないよ?
「ここが我が家です!」
「あの、家が無いんですけど…」
「うん。朝、家が消え去ってさ」
「消え去った!?え、消え去った!?」
「うん、消え去った」
「どういうことですか、それは!?」
「ペットと方向性の食い違いで喧嘩になってね…」
呆然とクレーターが出来ている更地を見つめるレンちゃん。うん、そうだよね。普通の人はそういう反応するよね
「なんですかこれ…爆弾でも爆発させたんですか?」
「ペットと喧嘩になっちゃってさ。この世界が滅ばない程度の魔法を放ったらこうなっちゃったんだよね」
「世界が滅ぶ!?」
「うん。一瞬で」
「イッ」
俺もここまでなるとは思わなかったよね。いやー、本当にビビった。まさか自分の家がこんなに脆いだなんて思わないよね、オリハルコン製の家建てた方が良いのかね。
まあそれで俺は持ち家とか無い方が良いって悟ったんだけどね。
「えっ、じゃあどうするんですか」
「そうそれ!それが本題な訳でさ。どうすべきだと思う?」
「えっ」
「意見を仰ぐ為に君を買ったんだー。あと、同じ白髪ってことで色々シンパシー感じちゃってさ」
「は、はぁ」
とは言っても家が無いのは不便かもなぁ。いや、別にお金は沢山あるし良いんだよ?いざとなれば魔王でも邪神でもちゃちゃっと討伐しますよ。まあでも、魔王も邪神もかなり美人なんだよね。俺が魔物側だったら、絶対に惚れてるし、告白して瞬殺されてるだろうね。
どうしたものかね。レンちゃんも呆然としてるし、やっぱ少し面倒だけど魔法で家建てるべき?
「とりあえず、宿とか…」
「おお!ナイスアイデア!成り行きに任せたけどやっぱスゲェな。大成功じゃん俺の成り行き大作戦!」
やっぱり凄いな。この世界に来てからずっと成り行きに任せてきたけど、ハズレ無しだもんな。あの禿頭キールさんの登場以外は
「あ、あの…」
「んぇ?なになに」
なんかモジモジしてるな。そんな言いにくいことなのか。ま、ま、まさか…告白!?えっ、早くない!?やめてよ、もー!照れちゃうじゃん!
「わ、私も…とまっ、泊まっても良いですか?」
思い上がった俺をぶちのめしたい。ここはジャパニーズサムライとしてハラキリするべきなのか…。
「当たり前じゃん。ちゃんとご飯も3食くって、ちゃんとベッドで寝て、まぁ、ダラダラ過ごそう」
「えっ」
えっ
「良いんですか…?先輩から過酷なの聞いてて、怖かったんです…。うぅ…」
泣かないでー!俺、女の子の涙に弱いの。弱過ぎて、前世で同級生女子に泣きながら、お金貸して、とか言われちゃって、貸したタイプなの!しかもその後「マジ伊織チョロすぎ!ちょっと涙見せるだけでコロッと落ちてやんの!ギャハハ!」とか言われてて、その子宛のラブレター燃やしながら泣いたよね。うぅ…
色んな意味で涙が出そうになった。
「じ、じゃあとりあえず宿とろうか。その後、レンちゃんの服とか靴とかアクセとか買いに行こうね。昼ご飯も一緒に取っちゃおう」
「は、はい!ありがとうございます、ご主人様!」
うわ、何この子めっちゃ健気。いい子だなぁ…、うん。俺がチョロいだけかもしれないけどね?こういうのは淡い期待を寄せつつ過剰評価するの!男の子でしょ!もっと寛容になりなさいな!だ、騙されてなんてないもん…ぐすん。
─────────────(´・ω・`)
とりあえず、俺が知っている中では一番良い宿に宿泊が決定した。
2部屋取ろうとしたけど、レンちゃんが1部屋で良いとか言っちゃうもんだから照れて挙動不審になったよね。明日の今頃には「英雄が女に惑わされてる(笑)」なんて噂が飛び交うのかね。いやまじ噂したやつ全員、俺が持ってる名刀シリーズで切り伏せてやるからな。覚悟しろよな。
「本当に一部屋で良かったの?」
ど、童貞じゃないけど期待しちゃうよ?
「はい!ご主人様と一緒が良いです!」
はい、ずっきゅーん。この子、良い子確定。もう騙されてもいいもん。この子に騙されるなら本望ですよ!くっ、俺の脳内で「騙されるのは良くないでしょ!」なんて呟く悪魔がいやがる。どっかいけ!しっしっ!
「ご主人様じゃなくて、イオリでいいよ」
「えっ、ダメです!ご主人様はご主人様です!」
「えぇ…。じゃあイオリさんで!名前で呼ばれたいの!」
付け加えると、名前で呼ばれることでちょっとした擬似甘酸っぱい経験がしたいの!
「えっ、と。イオリさん…?」
天使!同じ髪の毛の色と勘で選んだけどこの子最高!俺がチョロいだけなのは、もうわかったからこれ以上言わないで。
「多分お腹空いてるよね。何か食べたい物とかある?」
もう、昼過ぎだしきっとお腹も空いてるよね。気が利かない男でゴメンね…
「えっとですね…美味しいもの、とか…」
おぉう…この回答は初めてだぜ…
「なら、レンちゃんの好きな食べ物は?」
「お魚が好きです」
「お魚かぁ…よし、じゃあキールさんのとこ行こう」
昼ご飯としては良い感じだしね。レンちゃん、かなり痩せ細ってるし、お魚以外にも、適当に栄養のあるものを食べさせてあげたいよね。旅はその後にしようかね、ノープランだけど。
て言うか、朝も禿頭、昼も禿頭かぁ…まぁいいけど。
「よっしゃー!魚食いにいくぞー!」
「お、おー!」
ファイトー!みたいな感じで勢いよく拳を振り上げる俺を見て、小さく拳を振り上げてくれるレンちゃん。こういうのを天使って言うんだろうね、和むわ。
その後、無事にキールさんの店に辿りついた。
「レンちゃん。ココには1人バケモノがいる。叫ばないように気をつけてね。ちなみに俺は初入店した時、めちゃくちゃ叫んだ。そのまま店を出ようとしたら、引っ掴まれて、無理矢理座らされた挙句殴られた。」
「は、はいっ」
きゅっ、と顔を引き締めて、ビビりながらも俺の後ろについてくる。うん、あれだな。子犬みたいだな、ちっちゃいし。
「イオリさんだー!いらっしゃいませ!…ってあれ?」
「こんにちは、マリアちゃん。筋肉達磨は居ないの?」
「こんにちは!パパならイオリさんの横にいますよ?」
「へっ?」
あー、めっちゃ振り向きたくねえな。殺気が漏れてるって!飯食ってるお客さんもさ、クスクス笑ってないで助けてよね。この筋肉達磨の攻撃、ステータスが異常な俺でも痛いんだからさ。まじこの人何者だよ
「そう言えば後ろの人だれですかー?」
「嫁です」
「「「嫁!?」」」
レンゃんとマリアちゃんが反応するのはわかるよ?だけど、筋肉達磨が反応するのは可笑しくない?そんな俺ってぼっちっぽい?前世じゃ一応友達いたんだけどなぁ…え、あれは友達じゃないの?ぐすん。
「冗談ですよ、冗談。とりあえず、魚使ってなんか適当に料理作ってくださいな。栄養満点で美味しく頼むよ!期待してるぜ、キールさん」
「その前に一発殴るわな」
ゴッチン!
いっ、痛ェ!なんつー拳してんだこの人!普通、俺のこと殴ったら逆に拳砕けちゃうよ!魔王の一撃ですら、あーいいマッサージだな、程度にしか思わない俺の防御力を軽く超えやがって!なんなの!
あ、でも、俺が殴られてわたわたしてるレンちゃん超可愛い。あー癒される。痛みもなんか無くなった気がするなぁ…。
「よっしゃ!とびきり美味ェの作ってやるからな!待ってろよ!」
ぐっ、と筋肉に力を入れて浮き上がらせるキールさん。まじこの人キモいな、どういう鍛え方したらこうなるんだよ。しかも、この人料理人だよね?何の為の筋肉なの。
「キールさん、膝って十回言ってください」
「膝、膝、膝、膝、膝、膝、膝、膝、膝、膝」
「ここは?」
「魚」
納得いかない。
「よし、じゃあ作るわ」
「よし、じゃあレンちゃん座ろうか。暑苦しいオッサンがごめんね」
「え、いや、大丈夫です。それよりも、頭大丈夫ですか?冷やしましょうか?」
「あー、大丈夫。慣れてるし」
「なっ」
飯屋の店主に殴られ慣れてる人とか、どう考えても居ないよね。でも、転生してすぐは本当によく殴られてたな…。疲れて寝てるキールさんの頭に落書きして殴られ、筋肉達磨やらハゲ達磨やら煽って殴られ、お店の一角に悪口書いて殴られ、あれ…全部自業自得じゃね?
マリアちゃんが持ってきてくれたお水を飲んで一息。ふぅ…やっぱりこのお店は最高ですな。
キールさんの料理はおいしい。こんな風貌な癖に繊細な料理も作れるし、豪快な料理も作れる。万能な人なんだよね、俺が知らん国やら村の郷土料理も、材料さえあれば作れるとか言う有能ぶり。容姿以外で言えば、キールさんの嫁さんは幸せ者だろうな。お店も繁盛してるし、娘さんは可愛いし、ハゲ達磨は料理がうまい。
「ほい。おまちどーさん!」
「キター!いただきますー!」
「本当に食べていいんですか?」
「食べて食べて。いっぱい食べて。足りなかったら注文でも何でもして」
「そして、オレを儲けさせてくれるんだろ?ありがてーな。」
「キールさんは無視して良いから食べて食べて」
「い、いただきます」
まぁ、当たり前と言われれば当たり前なんだけど、そんなキールさんが作る魚料理は美味い。
どんな魚を使ってるのかは知らないけど、とりあえず美味い。レンちゃんも美味しそうに食べてくれてるし、ここに来てよかったな本当に。
今回は煮魚か。醤油っぽい味がたまらんな。生姜も効いててかなり美味。やっぱキールさん凄いな、料理のできる男はモテるって理論は怪しくなってきたけど、俺も料理ができる男になりてえ。あわよくばチヤホヤされてえ。
慣れない手つきで身をほぐして食べてるレンちゃん可愛いなぁ。俺も最初は、魚食べるの苦手だったっけ。細かい骨が嫌いだったんだよね。喉に刺さると違和感凄いし。今の俺だったら喉も最強だから、刺さることなく気にせずガツガツ食えるけど。
「イオリ」
「ふぁい!?」
「なんだその間抜けな返事」
「なんでもないです、流してください」
いきなり声をかけてくるもんだから驚いてしまった。あー、心臓がバクバク言ってる。
「多分、お前とレンちゃん?は、歳も近いだろうから安心してるけどもし未成年だったら…」
「だったら…?」
「そういうことはしないようにな」
「…キールさんは見境なく俺が手を出すと思ってるんですか」
「うん」
「俺の名刀シリーズで切り伏せてやる!そこに直れェ!」
「ハッハッハッ!許せ!」
「許す」
ちなみにこの世界では、15歳が成人らしい。つまり、15歳からお酒も煙草もおっけーってこと。俺もその世界の法に従ってよくお酒は飲むし、べろんべろんに酔って店を大破した事もあるな。その時は、勇者(笑)やってたから国から修復に掛かるお金を出して貰って俺には関係なかったけど、あれって今やっても適応されんのかね?
「という訳でキールさん、マリアちゃんください」
「どういう訳か知らんが断る」
「けち」
まあ、ロリコンでは無いから良いんだけどね。きっとマリアちゃんも、あと数年すれば出るとこは出てるイイ女性になるでしょう。
キールさんと雑談しながら飯食ってたらふいに裾を引っ張られた。
「どうしたのレンちゃん」
なんかあったのかなー、なんて思って聞いても何も言わずに上目遣い+涙目で頬をぷくっ、と膨らませながら睨んでくる。超可愛い。
結局、なんでなのかわからなかったけどレンちゃんもお腹いっぱいになったらしいので、支払いを済ませてお店を出た。よっしゃ、レンちゃんの服やらなにやら買いに行くぞー!
レンちゃんは髪が白いし、対極的な黒とか似合いそうだよね。シックな感じ。黒いメイド服とかあったら良いんだけどね、即買いして土下座してでも着てもらうよ。
そう言えば下着も買わなきゃな。我が家は滅んで何も無いしね。ちなみにこの世界に来て女性とは一切関係を持ったことが無いのは余談だ。どうせ非モテだよ、チッ。
「ここが我が家です!」
「あの、家が無いんですけど…」
「うん。朝、家が消え去ってさ」
「消え去った!?え、消え去った!?」
「うん、消え去った」
「どういうことですか、それは!?」
「ペットと方向性の食い違いで喧嘩になってね…」
呆然とクレーターが出来ている更地を見つめるレンちゃん。うん、そうだよね。普通の人はそういう反応するよね
「なんですかこれ…爆弾でも爆発させたんですか?」
「ペットと喧嘩になっちゃってさ。この世界が滅ばない程度の魔法を放ったらこうなっちゃったんだよね」
「世界が滅ぶ!?」
「うん。一瞬で」
「イッ」
俺もここまでなるとは思わなかったよね。いやー、本当にビビった。まさか自分の家がこんなに脆いだなんて思わないよね、オリハルコン製の家建てた方が良いのかね。
まあそれで俺は持ち家とか無い方が良いって悟ったんだけどね。
「えっ、じゃあどうするんですか」
「そうそれ!それが本題な訳でさ。どうすべきだと思う?」
「えっ」
「意見を仰ぐ為に君を買ったんだー。あと、同じ白髪ってことで色々シンパシー感じちゃってさ」
「は、はぁ」
とは言っても家が無いのは不便かもなぁ。いや、別にお金は沢山あるし良いんだよ?いざとなれば魔王でも邪神でもちゃちゃっと討伐しますよ。まあでも、魔王も邪神もかなり美人なんだよね。俺が魔物側だったら、絶対に惚れてるし、告白して瞬殺されてるだろうね。
どうしたものかね。レンちゃんも呆然としてるし、やっぱ少し面倒だけど魔法で家建てるべき?
「とりあえず、宿とか…」
「おお!ナイスアイデア!成り行きに任せたけどやっぱスゲェな。大成功じゃん俺の成り行き大作戦!」
やっぱり凄いな。この世界に来てからずっと成り行きに任せてきたけど、ハズレ無しだもんな。あの禿頭キールさんの登場以外は
「あ、あの…」
「んぇ?なになに」
なんかモジモジしてるな。そんな言いにくいことなのか。ま、ま、まさか…告白!?えっ、早くない!?やめてよ、もー!照れちゃうじゃん!
「わ、私も…とまっ、泊まっても良いですか?」
思い上がった俺をぶちのめしたい。ここはジャパニーズサムライとしてハラキリするべきなのか…。
「当たり前じゃん。ちゃんとご飯も3食くって、ちゃんとベッドで寝て、まぁ、ダラダラ過ごそう」
「えっ」
えっ
「良いんですか…?先輩から過酷なの聞いてて、怖かったんです…。うぅ…」
泣かないでー!俺、女の子の涙に弱いの。弱過ぎて、前世で同級生女子に泣きながら、お金貸して、とか言われちゃって、貸したタイプなの!しかもその後「マジ伊織チョロすぎ!ちょっと涙見せるだけでコロッと落ちてやんの!ギャハハ!」とか言われてて、その子宛のラブレター燃やしながら泣いたよね。うぅ…
色んな意味で涙が出そうになった。
「じ、じゃあとりあえず宿とろうか。その後、レンちゃんの服とか靴とかアクセとか買いに行こうね。昼ご飯も一緒に取っちゃおう」
「は、はい!ありがとうございます、ご主人様!」
うわ、何この子めっちゃ健気。いい子だなぁ…、うん。俺がチョロいだけかもしれないけどね?こういうのは淡い期待を寄せつつ過剰評価するの!男の子でしょ!もっと寛容になりなさいな!だ、騙されてなんてないもん…ぐすん。
─────────────(´・ω・`)
とりあえず、俺が知っている中では一番良い宿に宿泊が決定した。
2部屋取ろうとしたけど、レンちゃんが1部屋で良いとか言っちゃうもんだから照れて挙動不審になったよね。明日の今頃には「英雄が女に惑わされてる(笑)」なんて噂が飛び交うのかね。いやまじ噂したやつ全員、俺が持ってる名刀シリーズで切り伏せてやるからな。覚悟しろよな。
「本当に一部屋で良かったの?」
ど、童貞じゃないけど期待しちゃうよ?
「はい!ご主人様と一緒が良いです!」
はい、ずっきゅーん。この子、良い子確定。もう騙されてもいいもん。この子に騙されるなら本望ですよ!くっ、俺の脳内で「騙されるのは良くないでしょ!」なんて呟く悪魔がいやがる。どっかいけ!しっしっ!
「ご主人様じゃなくて、イオリでいいよ」
「えっ、ダメです!ご主人様はご主人様です!」
「えぇ…。じゃあイオリさんで!名前で呼ばれたいの!」
付け加えると、名前で呼ばれることでちょっとした擬似甘酸っぱい経験がしたいの!
「えっ、と。イオリさん…?」
天使!同じ髪の毛の色と勘で選んだけどこの子最高!俺がチョロいだけなのは、もうわかったからこれ以上言わないで。
「多分お腹空いてるよね。何か食べたい物とかある?」
もう、昼過ぎだしきっとお腹も空いてるよね。気が利かない男でゴメンね…
「えっとですね…美味しいもの、とか…」
おぉう…この回答は初めてだぜ…
「なら、レンちゃんの好きな食べ物は?」
「お魚が好きです」
「お魚かぁ…よし、じゃあキールさんのとこ行こう」
昼ご飯としては良い感じだしね。レンちゃん、かなり痩せ細ってるし、お魚以外にも、適当に栄養のあるものを食べさせてあげたいよね。旅はその後にしようかね、ノープランだけど。
て言うか、朝も禿頭、昼も禿頭かぁ…まぁいいけど。
「よっしゃー!魚食いにいくぞー!」
「お、おー!」
ファイトー!みたいな感じで勢いよく拳を振り上げる俺を見て、小さく拳を振り上げてくれるレンちゃん。こういうのを天使って言うんだろうね、和むわ。
その後、無事にキールさんの店に辿りついた。
「レンちゃん。ココには1人バケモノがいる。叫ばないように気をつけてね。ちなみに俺は初入店した時、めちゃくちゃ叫んだ。そのまま店を出ようとしたら、引っ掴まれて、無理矢理座らされた挙句殴られた。」
「は、はいっ」
きゅっ、と顔を引き締めて、ビビりながらも俺の後ろについてくる。うん、あれだな。子犬みたいだな、ちっちゃいし。
「イオリさんだー!いらっしゃいませ!…ってあれ?」
「こんにちは、マリアちゃん。筋肉達磨は居ないの?」
「こんにちは!パパならイオリさんの横にいますよ?」
「へっ?」
あー、めっちゃ振り向きたくねえな。殺気が漏れてるって!飯食ってるお客さんもさ、クスクス笑ってないで助けてよね。この筋肉達磨の攻撃、ステータスが異常な俺でも痛いんだからさ。まじこの人何者だよ
「そう言えば後ろの人だれですかー?」
「嫁です」
「「「嫁!?」」」
レンゃんとマリアちゃんが反応するのはわかるよ?だけど、筋肉達磨が反応するのは可笑しくない?そんな俺ってぼっちっぽい?前世じゃ一応友達いたんだけどなぁ…え、あれは友達じゃないの?ぐすん。
「冗談ですよ、冗談。とりあえず、魚使ってなんか適当に料理作ってくださいな。栄養満点で美味しく頼むよ!期待してるぜ、キールさん」
「その前に一発殴るわな」
ゴッチン!
いっ、痛ェ!なんつー拳してんだこの人!普通、俺のこと殴ったら逆に拳砕けちゃうよ!魔王の一撃ですら、あーいいマッサージだな、程度にしか思わない俺の防御力を軽く超えやがって!なんなの!
あ、でも、俺が殴られてわたわたしてるレンちゃん超可愛い。あー癒される。痛みもなんか無くなった気がするなぁ…。
「よっしゃ!とびきり美味ェの作ってやるからな!待ってろよ!」
ぐっ、と筋肉に力を入れて浮き上がらせるキールさん。まじこの人キモいな、どういう鍛え方したらこうなるんだよ。しかも、この人料理人だよね?何の為の筋肉なの。
「キールさん、膝って十回言ってください」
「膝、膝、膝、膝、膝、膝、膝、膝、膝、膝」
「ここは?」
「魚」
納得いかない。
「よし、じゃあ作るわ」
「よし、じゃあレンちゃん座ろうか。暑苦しいオッサンがごめんね」
「え、いや、大丈夫です。それよりも、頭大丈夫ですか?冷やしましょうか?」
「あー、大丈夫。慣れてるし」
「なっ」
飯屋の店主に殴られ慣れてる人とか、どう考えても居ないよね。でも、転生してすぐは本当によく殴られてたな…。疲れて寝てるキールさんの頭に落書きして殴られ、筋肉達磨やらハゲ達磨やら煽って殴られ、お店の一角に悪口書いて殴られ、あれ…全部自業自得じゃね?
マリアちゃんが持ってきてくれたお水を飲んで一息。ふぅ…やっぱりこのお店は最高ですな。
キールさんの料理はおいしい。こんな風貌な癖に繊細な料理も作れるし、豪快な料理も作れる。万能な人なんだよね、俺が知らん国やら村の郷土料理も、材料さえあれば作れるとか言う有能ぶり。容姿以外で言えば、キールさんの嫁さんは幸せ者だろうな。お店も繁盛してるし、娘さんは可愛いし、ハゲ達磨は料理がうまい。
「ほい。おまちどーさん!」
「キター!いただきますー!」
「本当に食べていいんですか?」
「食べて食べて。いっぱい食べて。足りなかったら注文でも何でもして」
「そして、オレを儲けさせてくれるんだろ?ありがてーな。」
「キールさんは無視して良いから食べて食べて」
「い、いただきます」
まぁ、当たり前と言われれば当たり前なんだけど、そんなキールさんが作る魚料理は美味い。
どんな魚を使ってるのかは知らないけど、とりあえず美味い。レンちゃんも美味しそうに食べてくれてるし、ここに来てよかったな本当に。
今回は煮魚か。醤油っぽい味がたまらんな。生姜も効いててかなり美味。やっぱキールさん凄いな、料理のできる男はモテるって理論は怪しくなってきたけど、俺も料理ができる男になりてえ。あわよくばチヤホヤされてえ。
慣れない手つきで身をほぐして食べてるレンちゃん可愛いなぁ。俺も最初は、魚食べるの苦手だったっけ。細かい骨が嫌いだったんだよね。喉に刺さると違和感凄いし。今の俺だったら喉も最強だから、刺さることなく気にせずガツガツ食えるけど。
「イオリ」
「ふぁい!?」
「なんだその間抜けな返事」
「なんでもないです、流してください」
いきなり声をかけてくるもんだから驚いてしまった。あー、心臓がバクバク言ってる。
「多分、お前とレンちゃん?は、歳も近いだろうから安心してるけどもし未成年だったら…」
「だったら…?」
「そういうことはしないようにな」
「…キールさんは見境なく俺が手を出すと思ってるんですか」
「うん」
「俺の名刀シリーズで切り伏せてやる!そこに直れェ!」
「ハッハッハッ!許せ!」
「許す」
ちなみにこの世界では、15歳が成人らしい。つまり、15歳からお酒も煙草もおっけーってこと。俺もその世界の法に従ってよくお酒は飲むし、べろんべろんに酔って店を大破した事もあるな。その時は、勇者(笑)やってたから国から修復に掛かるお金を出して貰って俺には関係なかったけど、あれって今やっても適応されんのかね?
「という訳でキールさん、マリアちゃんください」
「どういう訳か知らんが断る」
「けち」
まあ、ロリコンでは無いから良いんだけどね。きっとマリアちゃんも、あと数年すれば出るとこは出てるイイ女性になるでしょう。
キールさんと雑談しながら飯食ってたらふいに裾を引っ張られた。
「どうしたのレンちゃん」
なんかあったのかなー、なんて思って聞いても何も言わずに上目遣い+涙目で頬をぷくっ、と膨らませながら睨んでくる。超可愛い。
結局、なんでなのかわからなかったけどレンちゃんもお腹いっぱいになったらしいので、支払いを済ませてお店を出た。よっしゃ、レンちゃんの服やらなにやら買いに行くぞー!
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