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1章
Side レン 不思議な人に買われました
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この国の、この《ベリサイン領》に来たのはもう一年も前になります。1年間、私は薄暗い折の中で過ごして来ました。澱んだ空気、ボロ切れのような服、栄養が足りておらずやせ細った身体。みんながみんな、いつ死んでも可笑しくないと思うような環境の中暮らしてきました。
私が購入して頂けない理由…それは、この髪の色にあるそうです。先輩奴隷さんから聞いた話では、かつて魔王と邪神、その両方を倒した白髪の勇者がいたそうです。ですが、あまりにも強大過ぎる力からいつしかその勇者は【死神】と呼ばれるようになりました。そしえ【死神】と呼ばれた元勇者は、【英雄】とも呼ばれているそうですが、圧倒的に【死神】と呼ばれることが多く、いつしか白髪には驚異的な力が備わっている、と言う噂が流れ、奴隷を購入する立場であっても、その力を恐れ買い手がつかなくなったそうです。
ですが、私はその【死神】と呼ばれている勇者に感謝していました。先輩奴隷さんから「奴隷は酷い仕打ちを受ける。酷い時は、ご飯すら頂けない」と聞いていたので、買われないことに安心していました…が、奴隷にも時価があるようです。年齢を重ねるに連れ、奴隷としての需要は低くなり、いつか殺処分されるらしいのです。
奴隷には人として生きる権利が無いので、それも当たり前だと思います。でも…でも、私は死にたくなんてなくて、死ぬのが怖い。そう思い、近づいてくる死を毎日毎日怯えながら待っていました。
そんな時です。初めて薄暗い場所から、明るい所へ連れ出されました。そこに居たのは、白髪の青年でした。その白髪の青年はひとりひとり見て行き、目をキラキラさせたり、げんなりした表情になっていました。
げんなりした表情になったのは、ずっと前から私を虐めていた奴隷…可愛くない女の子を見た時の表情でした。きっと、この可愛くない女の子の〈買って欲しいオーラ〉にげんなりしたんでしょうね。私は、この白髪の青年は表情が豊かだなぁ…、と思いながら白髪の青年の表情をずっと見ていました。
そして遂に、私が見られる番が来ました。一瞬、一瞬だけ白髪の青年と目が合い、その時、優しそうな人だな、と思いました。ですが、私は白髪の子。同じ白髪同士でも、きっと私は選ばれないだろうと思いすぐに俯きました。
「君、名前は?」
白髪の少年は、私を見つめ名を訪ねてこられました。少し、少しだけ買っていただけるのかと期待してしまうほど嬉しかったです。
「れ、レンです…」
私がそう答えると、ふむ…、と少し考え込んでいる様子でした。あぁ、やっぱり白髪の子なんて要らないですよね…、舞い上がった私が馬鹿でした。この白髪の青年もきっと私のことなんて買わないと思います。必死に涙を堪えながら俯いていると、
「じゃあ、レン買います」
私の事を買ってくださいました。夢かと思い何度も何度も見えないように太ももを抓ってみました。けれど、とても痛く、これが夢ではなく現実だと自覚し私はとても嬉しかったです。
でも、少し不安もありました。優しそうな人だな、と思うだけで、この白髪の青年が優しいのかは、私にはわかりません。しかも、奴隷の印や首枷を必要としないと言い、「自分でできるし」と付け加えていました。この人は凄い魔法使いなのでしょうか?
「じゃあ行こっか」
きっとこの笑顔を見ると誰でも安心してしまう。そう思わせるような、そんな素敵な笑顔で私に微笑んでくださいました。
「そう言えばさ」
「ど、どうしましたか?ご、ご主人様」
「いや、奴隷商に恨みとかある?あと、イオリでいいよ」
「え、あ、はい…ありますけど…」
唐突な質問に戸惑ってしまいました。この質問になんの意味があるのでしょうか?私も咄嗟に答えてしまいたしたが、どの道この恨みは永遠に私の中に付き纏う…そういう物だとこの時は思っていました
「よし、消すか………《消──…》」
ご主人様が、何かを呟いたと思い顔を見てみると満足そうな表情をしていました。
私はハッ、として奴隷商店がある方向を振り返ってみると、さっきまでそこにあったはずの店がなくなっていました。
「な、なにされたんですか?お店とか…無くなってるんですけど…」
「あぁ、魔法でこの世界から消し去っただけだよ」
そんな魔法は聞いたことがありません。凄い魔法使いなのかもしれない、そう思っていても信じられないくらいにそこには、何もありませんでした。まるで、その場が最初から更地だったとしか思えませんが、そこに奴隷商店があったのは事実で、いま無くなったのも紛れもない事実。私は困惑しました。
この白髪の子は一体何者なんだろう?、と。
もしかして私はとんでもない人に買われたのでは無いのだろうか?、と。
私が購入して頂けない理由…それは、この髪の色にあるそうです。先輩奴隷さんから聞いた話では、かつて魔王と邪神、その両方を倒した白髪の勇者がいたそうです。ですが、あまりにも強大過ぎる力からいつしかその勇者は【死神】と呼ばれるようになりました。そしえ【死神】と呼ばれた元勇者は、【英雄】とも呼ばれているそうですが、圧倒的に【死神】と呼ばれることが多く、いつしか白髪には驚異的な力が備わっている、と言う噂が流れ、奴隷を購入する立場であっても、その力を恐れ買い手がつかなくなったそうです。
ですが、私はその【死神】と呼ばれている勇者に感謝していました。先輩奴隷さんから「奴隷は酷い仕打ちを受ける。酷い時は、ご飯すら頂けない」と聞いていたので、買われないことに安心していました…が、奴隷にも時価があるようです。年齢を重ねるに連れ、奴隷としての需要は低くなり、いつか殺処分されるらしいのです。
奴隷には人として生きる権利が無いので、それも当たり前だと思います。でも…でも、私は死にたくなんてなくて、死ぬのが怖い。そう思い、近づいてくる死を毎日毎日怯えながら待っていました。
そんな時です。初めて薄暗い場所から、明るい所へ連れ出されました。そこに居たのは、白髪の青年でした。その白髪の青年はひとりひとり見て行き、目をキラキラさせたり、げんなりした表情になっていました。
げんなりした表情になったのは、ずっと前から私を虐めていた奴隷…可愛くない女の子を見た時の表情でした。きっと、この可愛くない女の子の〈買って欲しいオーラ〉にげんなりしたんでしょうね。私は、この白髪の青年は表情が豊かだなぁ…、と思いながら白髪の青年の表情をずっと見ていました。
そして遂に、私が見られる番が来ました。一瞬、一瞬だけ白髪の青年と目が合い、その時、優しそうな人だな、と思いました。ですが、私は白髪の子。同じ白髪同士でも、きっと私は選ばれないだろうと思いすぐに俯きました。
「君、名前は?」
白髪の少年は、私を見つめ名を訪ねてこられました。少し、少しだけ買っていただけるのかと期待してしまうほど嬉しかったです。
「れ、レンです…」
私がそう答えると、ふむ…、と少し考え込んでいる様子でした。あぁ、やっぱり白髪の子なんて要らないですよね…、舞い上がった私が馬鹿でした。この白髪の青年もきっと私のことなんて買わないと思います。必死に涙を堪えながら俯いていると、
「じゃあ、レン買います」
私の事を買ってくださいました。夢かと思い何度も何度も見えないように太ももを抓ってみました。けれど、とても痛く、これが夢ではなく現実だと自覚し私はとても嬉しかったです。
でも、少し不安もありました。優しそうな人だな、と思うだけで、この白髪の青年が優しいのかは、私にはわかりません。しかも、奴隷の印や首枷を必要としないと言い、「自分でできるし」と付け加えていました。この人は凄い魔法使いなのでしょうか?
「じゃあ行こっか」
きっとこの笑顔を見ると誰でも安心してしまう。そう思わせるような、そんな素敵な笑顔で私に微笑んでくださいました。
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唐突な質問に戸惑ってしまいました。この質問になんの意味があるのでしょうか?私も咄嗟に答えてしまいたしたが、どの道この恨みは永遠に私の中に付き纏う…そういう物だとこの時は思っていました
「よし、消すか………《消──…》」
ご主人様が、何かを呟いたと思い顔を見てみると満足そうな表情をしていました。
私はハッ、として奴隷商店がある方向を振り返ってみると、さっきまでそこにあったはずの店がなくなっていました。
「な、なにされたんですか?お店とか…無くなってるんですけど…」
「あぁ、魔法でこの世界から消し去っただけだよ」
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