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第四章 調教の館
第九節:疲弊
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美咲のペニスバンドに打ちのめされ、初めて絶頂を経験してしまった玲奈は、晒し台に項垂れたまま、荒い呼吸を続けていた。
「はぁっ……はぁっ……ひゅ……ひゅうっ……」
喉奥で擦れるような呼吸音。汗と涙で濡れた頬を、冷たい空気がひやりと撫でる。
胸は上下を繰り返し、乳首が硬く立っているのを自分でも感じてしまう。
羞恥と恐怖がないまぜになり、脳が焼けるように混乱していた。
(違う……これは違う……。感じてなんかいない。あれは無理やりで、痛みと羞恥で……でも……身体が……)
思考の中で否定と肯定がせめぎ合い、頭の奥でぐるぐると回る。
足枷についた錘がずしりと重く、膝を閉じようとしてもびくともしない。
力を抜けば首の拘束が食い込み、呼吸が詰まる。だから玲奈は中腰の姿勢を必死に維持するしかない。
ふくらはぎが痙攣し、太腿が熱を帯びてぷるぷると震えた。
「んっ……あぁ……」
呻きに似た声が漏れるたび、羞恥で胸の奥がかきむしられる。
(なぜ……私が……。どうして美咲が、あんな……。親友のはずだったのに……)
玲奈の瞳に、裏切られた記憶がよみがえる。
美咲の家に誘われ、安心して眠り込んでしまった自分。
目覚めたら、足を開かされ、首と腕を拘束され……気づいたときには、美咲が「ご主人様」に従う奴隷になっていた。
「っ……だめ……こんなこと……絶対に許されない……」
声を振り絞る。だが、乾いた喉から漏れる声は弱々しく、誰にも届かない。
それでも自分を奮い立たせるように、玲奈は心の中で必死に繰り返した。
(誰かがきっと気づいてくれる。父が……友人が……助けに来てくれるはず……!)
その希望に縋るしかなかった。
けれど同時に――美咲の舌がクリトリスを舐め上げた感覚、ペニスバンドが膣壁を擦り上げた快感が、脳裏に生々しく焼き付いて離れない。
「っ……やめて……思い出すな……っ……」
首を振っても、淫らな感覚は瞼の裏に蘇り、再び下腹部が熱を持ちはじめる。
(だめ……いや……感じてなんかいない……私は……私は……)
必死に否定する心と裏腹に、愛液がじわりと滲み出しているのを自覚してしまう。
「いやぁ……やめてぇ……」
涙声で呟きながら、玲奈は拘束された首を晒し台に押しつけた。
鼻にかかる呼吸音、ひくっ……すんっというすすり泣きが、暗い部屋に木霊する。
やがて夜は深まり、館の静寂が玲奈を包む。
美咲も男もこの部屋を去り、残されたのは重苦しい沈黙と、錘に引かれて足が震える感覚だけだった。
(痛い……重い……苦しい……)
しかしそれ以上に、心を抉るのは「自分が快感に敗北した」という屈辱だった。
――夜明け。
窓のない地下室にわずかに灯るランプの光が揺れ、玲奈は荒い息を繰り返したまま、疲弊した身体を晒し続けていた。
羞恥と絶望を抱えながら、それでも「明日は必ず誰かが助けに来る」と自分に言い聞かせて。
だがその希望こそが、翌日以降のさらなる奈落に引きずり込む罠であることを、玲奈はまだ知らなかった。
地下室の空気は、夜明けを迎えてもなお淀んでいた。
分厚い扉に遮られて外の気配は一切なく、時間の流れはとうに失われている。
玲奈は一晩中、中腰の姿勢で晒し台に縛られたまま耐え続けていた。
首と両手は木の枠に固定され、足首には錘が付いた枷。
足を閉じようとすれば錘が重く、膝を寄せることも叶わない。
ひたすら腰を突き出した格好を保ち、もし力尽きて膝を折れば首が台に引かれて窒息する――そんな状況が、彼女の全神経を削っていた。
「はぁっ……ひゅ、っ……あぁ……」
荒く短い息。呼吸のたびに肩が小刻みに震え、乾いた喉から**ひゅっ…ひゅっ…**と擦れる音が漏れる。
ふくらはぎは痙攣し、太腿は熱を帯びて痺れ、全身からは汗が滴り落ちて床に斑点を作っていた。
(もう……立っていられない……でも崩れたら……首が……)
涙は乾いて頬に筋を描き、眼差しは焦点を失いかけている。
それでも気丈に踏ん張り続けたのは――自分は令嬢であり、屈するわけにはいかないという最後の矜持だった。
そのとき、**ぎぃ……**と扉が開く音が響いた。
重たい靴音が、石床に冷たく反響する。
玲奈の身体がびくんと震え、こわばった喉から声がにじみ出る。
「だ、誰……っ。誰なの……?」
現れたのは、あの男。そしてその傍らに従順な影のように付き従う美咲の姿。
二人の姿を見た瞬間、玲奈の胸に再び怒りと絶望がないまぜになって込み上げる。
「ご主人様……」
美咲が静かに頭を垂れる。
玲奈はその言葉に耳を疑った。親友の口から迷いなく放たれる呼び名――それが心をぐしゃぐしゃに掻き乱す。
「美咲……っ! どういうことなの!?」
張り詰めた声で叫ぶ。
「昨日のことは夢なんでしょう? 遊びに行ったはずなのに……なぜこんな……!」
必死に問いただす玲奈を見下ろし、美咲は悪びれもせず唇を開いた。
「夢なんかじゃないわ、玲奈。ここから先は現実。ご主人様の命令で、私はあなたを堕とすの」
「堕とす……? な、何を言ってるの……。親友の私を……?」
「そう。もう私はご主人様の奴隷。命令なら親友でも従うの」
淡々と、しかし嬉しげに告げる美咲の目は揺らがない。
玲奈は涙に滲む視界の中で、必死に言葉を探した。
「ふざけないで……! こんなことして許されると思ってるの!? 誰か……誰か助けてっ!」
だが、その叫びは石壁に吸い込まれて反響するだけ。
ご主人様は口角を上げ、冷たい声を落とした。
「叫んでも無駄だ。ここはお前の世界とは切り離された場所だ。――だが安心しろ。今日からはちゃんと“気持ち良く”してやろう」
「っ……やめて……!」
玲奈は晒し台の中で必死に首を振る。
だが枷がぎちりと音を立て、抵抗がかえって自らを苦しめるだけだった。
男はゆっくりと歩み寄り、晒し台の金具に手を掛ける。
がちゃんと錠が外れる音。
「……っ!」
玲奈の心臓が跳ねる。
ついに両手と首を固定していた板が上げられ、解放された。
だが同時に、足の錘はまだ重くぶら下がったまま。
長時間の拘束で痺れきった足はふらつき、崩れ落ちそうになる。
「ひっ……!」
慌てて耐えるが、その姿は痛々しく、屈辱的だった。
「よく耐えたな、令嬢」
男の冷ややかな声が落ちる。
「だが、今日はまだ始まったばかりだ」
玲奈は荒い呼吸の中で、必死に震える瞳を上げた。
「なにを……する気なの……?」
横に立つ美咲の唇が、柔らかく、しかし残酷に綻ぶ。
「これからあなたに教えてあげるわ。――ご主人様の奴隷として生きる悦びを」
「はぁっ……はぁっ……ひゅ……ひゅうっ……」
喉奥で擦れるような呼吸音。汗と涙で濡れた頬を、冷たい空気がひやりと撫でる。
胸は上下を繰り返し、乳首が硬く立っているのを自分でも感じてしまう。
羞恥と恐怖がないまぜになり、脳が焼けるように混乱していた。
(違う……これは違う……。感じてなんかいない。あれは無理やりで、痛みと羞恥で……でも……身体が……)
思考の中で否定と肯定がせめぎ合い、頭の奥でぐるぐると回る。
足枷についた錘がずしりと重く、膝を閉じようとしてもびくともしない。
力を抜けば首の拘束が食い込み、呼吸が詰まる。だから玲奈は中腰の姿勢を必死に維持するしかない。
ふくらはぎが痙攣し、太腿が熱を帯びてぷるぷると震えた。
「んっ……あぁ……」
呻きに似た声が漏れるたび、羞恥で胸の奥がかきむしられる。
(なぜ……私が……。どうして美咲が、あんな……。親友のはずだったのに……)
玲奈の瞳に、裏切られた記憶がよみがえる。
美咲の家に誘われ、安心して眠り込んでしまった自分。
目覚めたら、足を開かされ、首と腕を拘束され……気づいたときには、美咲が「ご主人様」に従う奴隷になっていた。
「っ……だめ……こんなこと……絶対に許されない……」
声を振り絞る。だが、乾いた喉から漏れる声は弱々しく、誰にも届かない。
それでも自分を奮い立たせるように、玲奈は心の中で必死に繰り返した。
(誰かがきっと気づいてくれる。父が……友人が……助けに来てくれるはず……!)
その希望に縋るしかなかった。
けれど同時に――美咲の舌がクリトリスを舐め上げた感覚、ペニスバンドが膣壁を擦り上げた快感が、脳裏に生々しく焼き付いて離れない。
「っ……やめて……思い出すな……っ……」
首を振っても、淫らな感覚は瞼の裏に蘇り、再び下腹部が熱を持ちはじめる。
(だめ……いや……感じてなんかいない……私は……私は……)
必死に否定する心と裏腹に、愛液がじわりと滲み出しているのを自覚してしまう。
「いやぁ……やめてぇ……」
涙声で呟きながら、玲奈は拘束された首を晒し台に押しつけた。
鼻にかかる呼吸音、ひくっ……すんっというすすり泣きが、暗い部屋に木霊する。
やがて夜は深まり、館の静寂が玲奈を包む。
美咲も男もこの部屋を去り、残されたのは重苦しい沈黙と、錘に引かれて足が震える感覚だけだった。
(痛い……重い……苦しい……)
しかしそれ以上に、心を抉るのは「自分が快感に敗北した」という屈辱だった。
――夜明け。
窓のない地下室にわずかに灯るランプの光が揺れ、玲奈は荒い息を繰り返したまま、疲弊した身体を晒し続けていた。
羞恥と絶望を抱えながら、それでも「明日は必ず誰かが助けに来る」と自分に言い聞かせて。
だがその希望こそが、翌日以降のさらなる奈落に引きずり込む罠であることを、玲奈はまだ知らなかった。
地下室の空気は、夜明けを迎えてもなお淀んでいた。
分厚い扉に遮られて外の気配は一切なく、時間の流れはとうに失われている。
玲奈は一晩中、中腰の姿勢で晒し台に縛られたまま耐え続けていた。
首と両手は木の枠に固定され、足首には錘が付いた枷。
足を閉じようとすれば錘が重く、膝を寄せることも叶わない。
ひたすら腰を突き出した格好を保ち、もし力尽きて膝を折れば首が台に引かれて窒息する――そんな状況が、彼女の全神経を削っていた。
「はぁっ……ひゅ、っ……あぁ……」
荒く短い息。呼吸のたびに肩が小刻みに震え、乾いた喉から**ひゅっ…ひゅっ…**と擦れる音が漏れる。
ふくらはぎは痙攣し、太腿は熱を帯びて痺れ、全身からは汗が滴り落ちて床に斑点を作っていた。
(もう……立っていられない……でも崩れたら……首が……)
涙は乾いて頬に筋を描き、眼差しは焦点を失いかけている。
それでも気丈に踏ん張り続けたのは――自分は令嬢であり、屈するわけにはいかないという最後の矜持だった。
そのとき、**ぎぃ……**と扉が開く音が響いた。
重たい靴音が、石床に冷たく反響する。
玲奈の身体がびくんと震え、こわばった喉から声がにじみ出る。
「だ、誰……っ。誰なの……?」
現れたのは、あの男。そしてその傍らに従順な影のように付き従う美咲の姿。
二人の姿を見た瞬間、玲奈の胸に再び怒りと絶望がないまぜになって込み上げる。
「ご主人様……」
美咲が静かに頭を垂れる。
玲奈はその言葉に耳を疑った。親友の口から迷いなく放たれる呼び名――それが心をぐしゃぐしゃに掻き乱す。
「美咲……っ! どういうことなの!?」
張り詰めた声で叫ぶ。
「昨日のことは夢なんでしょう? 遊びに行ったはずなのに……なぜこんな……!」
必死に問いただす玲奈を見下ろし、美咲は悪びれもせず唇を開いた。
「夢なんかじゃないわ、玲奈。ここから先は現実。ご主人様の命令で、私はあなたを堕とすの」
「堕とす……? な、何を言ってるの……。親友の私を……?」
「そう。もう私はご主人様の奴隷。命令なら親友でも従うの」
淡々と、しかし嬉しげに告げる美咲の目は揺らがない。
玲奈は涙に滲む視界の中で、必死に言葉を探した。
「ふざけないで……! こんなことして許されると思ってるの!? 誰か……誰か助けてっ!」
だが、その叫びは石壁に吸い込まれて反響するだけ。
ご主人様は口角を上げ、冷たい声を落とした。
「叫んでも無駄だ。ここはお前の世界とは切り離された場所だ。――だが安心しろ。今日からはちゃんと“気持ち良く”してやろう」
「っ……やめて……!」
玲奈は晒し台の中で必死に首を振る。
だが枷がぎちりと音を立て、抵抗がかえって自らを苦しめるだけだった。
男はゆっくりと歩み寄り、晒し台の金具に手を掛ける。
がちゃんと錠が外れる音。
「……っ!」
玲奈の心臓が跳ねる。
ついに両手と首を固定していた板が上げられ、解放された。
だが同時に、足の錘はまだ重くぶら下がったまま。
長時間の拘束で痺れきった足はふらつき、崩れ落ちそうになる。
「ひっ……!」
慌てて耐えるが、その姿は痛々しく、屈辱的だった。
「よく耐えたな、令嬢」
男の冷ややかな声が落ちる。
「だが、今日はまだ始まったばかりだ」
玲奈は荒い呼吸の中で、必死に震える瞳を上げた。
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