16 / 88
15.そんなこと言われたらもっと好きになるだろ
しおりを挟む「なぁ、旭。本当にアナル拡張して良かったのか?」
敦は心配そうに旭を覗き込む。
顔を上げた旭は覚悟を決めて、敦と目を合わせた。
「あぁ。そうしないと、敦の挿れられないし。それに俺初めては敦って決めてたから」
ついに言ってしまったと、顔だけでなく体まで熱くなる。
目を逸らした旭の頭を、敦は優しく撫でながら微笑んだ。
「旭……。俺、本気で人を好きになったの旭が初めてで、旭と出会ってから本当に幸せで楽しいのに、そんな嬉しいこと言われたら旭のこともっと好きになって、手放せなくなるだろ」
言いながら、泣きそうな声になる敦に気づいた旭は、再び敦と目を合わせた。
幸せで潤んでいる透き通った瞳は、とても綺麗だった。
「いいよ。俺はずっと敦だけを見てたから」
見つめ合うとまた、お互いに唇を近づけて触れるだけの優しいキスをする。
まるで誓いの口づけのようだと旭は思い、敦の首の後ろに手を回した。
唇を離すとお互いに見つめ合い微笑む。
「これ以上くっついてたらまたやりたくなりそうだから、そろそろお風呂入ろうか」
「そうだな……」
敦がテーブルに置いてあるティッシュボックスからティッシュを取ると、お腹に付いている精液を拭き取っていく。
「本当は舐めたいけど、それやるとまた勃っちゃうから我慢しなきゃな」
しょんぼりした顔をしながらお腹を拭く敦に、旭は呆れた。
旭もティッシュを取り精液を拭き取っていく。
「今度は時間と体力がある時にやろうな。俺、もしかしたら腰抜けてて立てないかも」
「初めてで二回もイッちゃったし、プラグも入れてるもんな。お姫様抱っこして浴室まで連れてこうか?」
上機嫌に笑いながら、敦は旭の持っている使い終わったティッシュを回収する。
旭は顔を赤くしながら口を尖らせ、ティッシュを渡した。
「そんなの恥ずかしい」
「旭の恥ずかしいの基準がよく分からないけど、とりあえず連れてくから首に腕回して掴まってろ」
敦はソファから降りると、旭に近づいた。
上半身を起き上がらせた旭が、観念して自分の首に腕を回したのを確認すると、敦は片手を背中に置き、そのまま膝にも手を入れて軽々と持ち上げた。
「重くないのか?」
恥ずかしさを忘れるために、旭はとりあえず質問をした。
敦はにこにこしながら、脱衣所へと旭を連れていく。
「全然、相手が旭だからだろうな」
「そんなこと言うなって、ますます恥ずかしくなるだろ」
「旭、さっきっから顔真っ赤にしっぱなしで可愛い。これから一緒にお風呂入るのに、そんなんでどうするんだ」
「一緒に入る気なのか!?」
「だって立てないのにどうやって入るんだ。ほら、着いたぞ」
敦が旭を洗面台の前に下ろす。
旭は洗面器に体をもたれかけさせながら、後ろ手で掴んでバランスを取った。
「そりゃ、そうだけど一緒に入ったら……」
「まだ昼間だし、風呂で一回くらいする時間と体力ならあるだろ。ほら、パンツ脱がすからな」
「ちょっとまっ……」
79
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる