素直になれない平凡はイケメン同僚にメスイキ調教される

天野カンナ

文字の大きさ
40 / 88

39.繁華街から裏路地へ

しおりを挟む

 無事にエレベーターから出た二人が外に出ると、夕方になっていた。
 繁華街の人混みの中を恋人繋ぎをしながら歩きながら、二人はさっきエレベーターでした事を思い出して笑みを溢していた。

「外したプラグだけどちゃんと消毒して明日返すから」
「分かった。やっぱり結構時間かかりそうだな」
「セックス以外にもしたい事は山ほどあるし、急がずにゆっくり広げてこうな」
「あぁ。そうだな」

 頬を赤く染めながらはにかむ旭を見つめながら、敦は手を強く握る。

「で、連れて行きたい場所なんだけどさ、旭は高い所は平気?」
「平気だけど」
「良かった。夕日が綺麗に見えるビルがあるんだけどそこに行こうと思ってさ」
「えっ!ビルって入って平気なのか?」
「幼馴染がアトリエに借りてるビルだから大丈夫。そこからの景色が凄く綺麗でさ」
「へぇ。その友達何してる人なんだ」
「ウエディングドレスのデザイナーだよ。AKIRA・HIGASIOってブランド聞いた事あるだろ?」
「あぁ、あのブランドか。凄い人じゃないか」

 AKIRA・HIGASIOとはデザイナー東尾明が立ち上げたブランドで、計算されたシルエットとこだわりの素材で作り上げたタキシードと、レースをふんだんに使ったドレスが人気のブランドだ。
 最近では、ドレスに使われているレースを使ったアクセサリーや小物も製作していて、それもヒットしている。

「世間的にはそうなんだろうけど俺か新さんが付いてないとすぐに部屋、ゴミ屋敷にする生活力のないやつだよ。あぁ。新さんっていうのは明の仕事のパートナーな」
「へぇ、お前の面倒見の良さはそこからきてたのか」
「面倒見いいか?」
「新入社員の研修の時とか丁寧に分かりやすく説明して出来るまで付き合ってただろ」
「えっ!旭そんなところまで見ててくれたのか。俺嬉しい」

 敦は声を弾ませながら、旭の顔を覗き込む。
 唇が触れそうな距離まで顔を近づけられて、胸が高鳴ってしまう。
 しかし、こんなに人がいる繁華街でキスは恥ずかしすぎて出来ないと旭は急いで顔を逸らした。
 
「たまたま見てただけだ!たまたまな!」
「はいはい。また素直じゃなくなっちゃったな。あ、次の狭い路地曲がった所にあるから」
「分かった」

 繁華街から裏路地に進むと、狭い道の途中に目立つお洒落な灰色のコンクリートのビルがあった。
 敦はスラックスのポケットからキーケースを取り出して開けると、ビルの鍵を出し鍵穴に差し込んだ。

「今は二人とも海外に行ってるけど、帰ってきたら旭にも合わせたいな」
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

仕方なく配信してただけなのに恋人にお仕置される話

カイン
BL
ドSなお仕置をされる配信者のお話

寮生活のイジメ【社会人版】

ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説 【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】 全四話 毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

処理中です...