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最終章
零のコード
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生きることと、死ぬことは表裏一体だ。
何故ならば、人間は生まれた瞬間に死ぬことを義務づけられるのだから。
だが、死ぬために生きるわけじゃない。
他のなにかのために、みんな生きている。
誰かが他人の運命を握っていいわけがない。
自分の運命は、自分で決めなければ。
苦しい道でも、険しい道でも。
その先に光が一筋でも存在するならば。
人間は誰だって一歩踏み出せる。
どんなに弱い存在でも、戦うことは出来る。
誰にも邪魔なんて出来るわけがない。
俺たちは止められない。
止められるなら止めてみろ。
何度でも立ち上がる。そして立ちはだかってやる。
●限界を『殺し』超越します。__神の領域です。
スキルが合図をくれた。
刹那のチャンス。これっきりで最後。
これを逃したら、俺の人生は、世界の破滅は確定だ。
さあ、拳を握りしめろ。
一撃だけで十分だ。
振り抜く。
いけっ!!
この最悪の状況を変えてみせろ。
今こそ、全てをひっくり返してみせろ、レイゼイ=セツカ!!
____ドゴォォォッツ!!!!
神を名乗る者の、横顔に突き刺さる拳。
●『殺す』スキル__コード
『零』。
全てを殺した先にあるのは、無だ。
しかし、無からは有が生まれる。
つまり、これが奴に対抗する唯一の手段。
『殺す』スキルの全てが乗った攻撃が、奴の体内に注入される。
絶対神は防御をしなかった。
防御など、これまで必要としなかった。
だが、攻撃を受けてから那由多分の一秒よりも早く、防御シールドを展開していた。
神格の高さ故、攻撃の全てを理解し終えるのに一瞬すら経過しなかったのだ。
光の筋を残して吹き飛ぶ。
奴が構築した、地球然とした世界。放送室のコンクリート壁を突き抜け、遠くに見えていたビル群をなぎ倒し、草原に隕石のように墜落する。
そして、そこにはすでに俺が待ち受けている。
今の俺は、一瞬だけ奴と同等の速度で動ける。
完全に限界を殺しきったからだ。
奴は頬をさすり、不機嫌そうに立ち上がった。
「これは予想外だね。観測した結末に変わりはないが、キミに殴られることをボクは知らなかった。これが『驚く』という感情か。それと、『痛み』。ふたつとも、不愉快極まりないネ」
「はやく立てよ。まだ終わりじゃない」
「調子に乗るなよ小僧……キミの能力は、ふん。命を削って到達した高みってやつか。くだらない。命が無限のボクに相対するには、時間が短すぎるんじゃないかな?」
「やっぱりな。お前はわかっていない」
俺がそう伝えると、絶対神だった奴は眉をぴくりと動かした。
まだピンときていないらしいな。
その時点で、お前はおかしいんだ。
だったら俺が教えてやろう。はっきりとな。
「お前はすでに、絶対的な神ではない。俺の攻撃によってな。気づかなかったのか? もう、未来を観測できてないだろう? 俺の考えていることも観測できないだろう?」
「な……に!?」
やれやれ。
顔が青ざめているぞ、世界を司るゲームマスター。
こちらの掛け金のBETは全て済んだ。
カードを開かせてもらうが、問題はないよな?
何故ならば、人間は生まれた瞬間に死ぬことを義務づけられるのだから。
だが、死ぬために生きるわけじゃない。
他のなにかのために、みんな生きている。
誰かが他人の運命を握っていいわけがない。
自分の運命は、自分で決めなければ。
苦しい道でも、険しい道でも。
その先に光が一筋でも存在するならば。
人間は誰だって一歩踏み出せる。
どんなに弱い存在でも、戦うことは出来る。
誰にも邪魔なんて出来るわけがない。
俺たちは止められない。
止められるなら止めてみろ。
何度でも立ち上がる。そして立ちはだかってやる。
●限界を『殺し』超越します。__神の領域です。
スキルが合図をくれた。
刹那のチャンス。これっきりで最後。
これを逃したら、俺の人生は、世界の破滅は確定だ。
さあ、拳を握りしめろ。
一撃だけで十分だ。
振り抜く。
いけっ!!
この最悪の状況を変えてみせろ。
今こそ、全てをひっくり返してみせろ、レイゼイ=セツカ!!
____ドゴォォォッツ!!!!
神を名乗る者の、横顔に突き刺さる拳。
●『殺す』スキル__コード
『零』。
全てを殺した先にあるのは、無だ。
しかし、無からは有が生まれる。
つまり、これが奴に対抗する唯一の手段。
『殺す』スキルの全てが乗った攻撃が、奴の体内に注入される。
絶対神は防御をしなかった。
防御など、これまで必要としなかった。
だが、攻撃を受けてから那由多分の一秒よりも早く、防御シールドを展開していた。
神格の高さ故、攻撃の全てを理解し終えるのに一瞬すら経過しなかったのだ。
光の筋を残して吹き飛ぶ。
奴が構築した、地球然とした世界。放送室のコンクリート壁を突き抜け、遠くに見えていたビル群をなぎ倒し、草原に隕石のように墜落する。
そして、そこにはすでに俺が待ち受けている。
今の俺は、一瞬だけ奴と同等の速度で動ける。
完全に限界を殺しきったからだ。
奴は頬をさすり、不機嫌そうに立ち上がった。
「これは予想外だね。観測した結末に変わりはないが、キミに殴られることをボクは知らなかった。これが『驚く』という感情か。それと、『痛み』。ふたつとも、不愉快極まりないネ」
「はやく立てよ。まだ終わりじゃない」
「調子に乗るなよ小僧……キミの能力は、ふん。命を削って到達した高みってやつか。くだらない。命が無限のボクに相対するには、時間が短すぎるんじゃないかな?」
「やっぱりな。お前はわかっていない」
俺がそう伝えると、絶対神だった奴は眉をぴくりと動かした。
まだピンときていないらしいな。
その時点で、お前はおかしいんだ。
だったら俺が教えてやろう。はっきりとな。
「お前はすでに、絶対的な神ではない。俺の攻撃によってな。気づかなかったのか? もう、未来を観測できてないだろう? 俺の考えていることも観測できないだろう?」
「な……に!?」
やれやれ。
顔が青ざめているぞ、世界を司るゲームマスター。
こちらの掛け金のBETは全て済んだ。
カードを開かせてもらうが、問題はないよな?
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