バージン・クイーン -強面のイケメンのところに、性欲解消目的で呼ばれるデリヘル嬢の話-

福守りん

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7.スイート・キング3

1-9

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「いや……。こわい……」
「ごめん。大丈夫?」
「ぎゅって、して」
 上から、抱きしめてくれた。はあっと、息がもれた。
「だいじょうぶ……。くらっと、したの」
「気絶しそうになった?」
「わかんない。まっしろに、なって……」
「激しすぎた?」
「かも……。でも、きもちよかった、です」
「抜くよ」
「あん、あ、ぁっ」
 ずるっと、抜けていった。へんな声がでてしまった。いいところに、あたったから……。

 使いおわったコンドームを、礼慈さんがごみ箱に捨てる。
 もったいない、と思った。それから、あわてて、そう思ったことをなかったことにした。礼慈さんに、言えないことのひとつ……。
 わたし、赤ちゃんがほしい。あなたと、わたしの。
 ものすごく、ずうずうしいことを考えてるって、わかってる。
 先月の末に、沢野さんの部屋に泊まった時に、沢野さんには、言ってしまった。べつに、笑われたり、怒られたりはしなかった。ただ、やさしく笑って、「いいと思うよ」とだけ、言ってくれた。
 すごく、やさしかった。歌穂は、本当にすてきな人と出会えたんだって、今は思ってる。

「いくときって、どんな、感じですか」
「え」
「あの……。でるとき、の」
「分かってる。知りたいんだと思って、びっくりした」
「知りたいです」
「脳が、しびれるような感じ。そのことしか、考えられなくなる、みたいな。
 一瞬だけだけど」
「いっしゅんだけ、なんですか?」
「うん。いって、気持ちいいと思うのと同時に、冷静になっていく、かな」
「そうなの……」
「祐奈は?」
「わたしは、だんだん……。ゆっくり、もどってきます。
 そんなに、すぐには、もとどおりになれないです」

 「一瞬だけ」という言葉が、妙に、心に残った。
 わたしと礼慈さんのことを、言われたような気がした。
 一瞬だけ。今だけ……。
 長くは続かない。そんな言葉が、頭をよぎった。
 どうしよう。この人と離れたら、生きていけない。
 だってもう、愛してしまった。愛してる。
 わたしからは、「愛してる」って、言ったことはない。
 「好き」と「愛してる」は、違うと思ったから。礼慈さんに、重いと思われたくなかった。
 一度だけ、「愛してるよ」って、言ってもらえたことがある。うれしかった。
 でも、ものすごく、こわくなった……。
 この愛をなくしたら、わたしはどうなっちゃうんだろうって、思って。
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