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〜神の世界へ〜

11話 家族とご対面 〜5〜

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 お母様とお父様がセレネお姉様とルチアーノお姉様の気配を感じてから数分後、トントントンとノック音が聞こえ、綺麗な心地良い声が聞こえて来た。

「お母様、ルチアーノですわ。 セレネお姉様も、ご一緒ですわ」

「どうぞ、入って」

「失礼致しますわ」

 そうして入って来たのは2人の女の人。今回も同じように正反対の見た目の2人だ。

 おっと、さっきのシャム兄とヴェルお兄様の女性バージョン見てるみたい。体格とかは2人ともさすがの素晴らしいスタイルの持ち主だけど、色がね、『白』と『黒』って感じ。光と闇です!みたいな?

 エイミーが2人を見ながらポケーっと考えている間にも進む会話。

「お母様、お久しぶりでございます。 それと遅くなって申し訳ございませんわ……」

「ルチアーノ、大丈夫よ」

「母上、久しぶりじゃ!」

「セレネ、久しぶりね~」

「随分、遅かったですわね? ルチアーノあなたが遅れるとは思わなかったですわよ?」

「エテェネルお姉様、わたくしではありませんわ。セレネお姉様が、忘れていましたのよ」

「ルチアーノ! 言うでは無い!」

「やっぱりねー、そうだと思ったわ」

「当たりね~」

 うん、絶世の美女達の集まり最強です。キラキラしています。一応、私もお母様に抱っこされているので入ってますよ……。

「して、母上に抱っこされておる子が末の子か?」

「そうよ~、この子がエイミーよ♪」

「あら、可愛らしいわ♪」

「エイミーでしゅ、よろしくおねがいしましゅ!」

「おぉ! よろしゅうな~。妾はセレネじゃ」

「よろしくお願いしますわ。わたくしはルチアーノですわ」

「あい!」

 エイミーは2人を見てニッコリと笑ったあと、2人をじっと見た。

 セレネお姉様は、漆黒の腰まであるロングの髪で、少しウェーブがかっている。瞳の色は私と同じアメジストの色。雰囲気はまさに妖艶という感じでセクシーだ。大人の女性って感じ!

 ルチアーノお姉様は、本当!びっくりするくらいネルお姉ちゃまにそっくり!でも双子では無いみたいなんだよね。双子と言った方がしっくりくる……。でも、ちょっとだけ色は違うかな?髪はプラチナブロンドにふわふわのロングの髪、瞳は桜色。それに優しい柔らかな雰囲気でなんか癒される。ちょっとお母様と同じような安心感があるかな?

 2人を観察した後、呼び方はどうすればいいか聞いてみる事にした。

「おねえしゃまたち、なんてよんだらいいでしゅか?」

「そうじゃの~、普通にセレネお姉様でいいぞ」

「じゃあわたくしは、ルチアお姉様と。少しだけ短い方が言いやすいと思いましたわ」

「あい! ありがとうごじゃいましゅ! セレネおねえしゃま、ルチアおねえしゃま」

「可愛いの~」

「本当ですわね♪」

 えへへっと照れた笑みをエイミーはこぼして少し下を向いた。すると、たまたま目に入ったセレネお姉様の足元の裾が動いた様に見えた。というか、不自然に盛り上がっている……。みんな足元は見てなかったから気付かなかったようだ。

 なんだろう?あれ?ちょっと動いてる!?

 ルチアーノはそんなエイミーの視線に気付いた。エイミーがどこを見ているのかと視線を辿ったらセレネの足元だった。しかも絶対なにかいる……。

「セレネお姉様、足元の子は連れて来たのですか?」

「足元の子じゃと?」

 セレネは自分の足元を見た。すると右足の方の裾が不自然に盛り上がっている。ドレスの裾を少し上げると、黒い塊がへばり付いていた。

「お主、いないと思ったら、まさかずっとここにくっ付いていたのか!?」

「ニー!」

 うわぁー可愛い!!黒い猫?かな……?でも耳が丸いな……。

「セレネ~、気づかなかったの~?」

「セレネはうっかりだし、そこまで気にしないだろう」

「それもそうね~」

「兄上と、エルデ姉上ひどいのじゃ!」

「しかしこの子……、黒い虎の子か?」

「そうじゃ、この子は白虎の一族じゃ」

「白虎!?」

 なんでも、神獣である白虎の一族は、みんな白い。しかし、突如黒い子が生まれこの子の両親もどうしていいか分からなかったそうだ。そして白虎の長がもしかしたら毛の色から闇の属性があるのでは?と思いセレネお姉様のところへ連れて来たらしい。普通の白虎は雷や光の属性らしい。そしてセレネお姉様が見た結果闇属性だったと。

 親とは正反対の属性ゆえ、彼らの住処はこの子にとって良くないと判断し、セレネお姉様のところで預かっているみたい。でも、しょっちゅうこの子の親も会いに来ているんだって!よかった!親に会えないのは寂しいからね。

 エイミーがそんな事を思いながら小虎を見ていると小虎と目が合った。小虎はエイミーと目が合った瞬間セレネから離れ、エイミーを抱っこしているエマリーバのところへ駆けて来た。エマリーバは若干びっくりしたものの、エイミーの近くに来たかったのだと思い微笑んだ。

「これ! いきなり駆けるでわない!」

「いきなりどうした!?」

「あぁ、エイミーの近くに行きたかったんじゃないのか?」

「多分そうね」

 小虎はエイミーを抱っこしているエマリーバの周りを回って歩いてみたり、エイミーの顔が見える様にジャンプしてみたり、とにかくエイミーに近づきたいそんな一心だった。

 すごいジャンプ力……。って感心している場合では無かった!

「ニー! ニー!」

「ふふっ、エイミーあなたをご所望よ」

「おかあしゃま、おろしてくだしゃい!」

 そう言ってお母様は私を降ろした。
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