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そこは寝室で、壁際にベッドが置かれ、その上に服が山のように積まれている。
「こいつは無傷だ」
机の上にノートパソコンがあった。キーボードの横にたくさんの数字が書きこまれた紙がある。
「これは暗証番号か?」
松田が紙を見ながら言い、椅子に座るとパソコンの電源を入れた。
「うわ」
悲鳴を上げて松田は自分の手を見る。触ろうとしたマウスにもべたべたとした液体が付いていた。
松田はベッドの上にあった服を持ってきてマウスをきれいに拭いた。その後、数字のたくさん書かれた紙を見て、丸で囲まれた数字を入力していく。
何度か入力した文字を入れ替えたりしていると、パソコンのデータが見られるようになった。
「この部屋の中を探し回った奴は、パソコンの中も探し回ったようだ。そいつはいったい何が欲しかったのだろう」
僕は薄々感づいていた。そいつが欲しがっているのはおとどけものの情報。その中には僕に関するものも含まれている。
「私はそろそろこれで」
マンションの管理人が僕たちのいる部屋を覗きこんで言った。
「すみません、お世話になりました。カギは後で届けます」
部屋のカギを管理人から受け取りながら松田が言う。
「この事は警察に届けておいた方がいいでしょうか?」
管理人は散らかった部屋を見て言った。
「そうですね。明日にも連絡して下さい」
「わかりました。それでは後はよろしくお願いします」
管理人は部屋を出ていった。
「ますます警察はわけがわからなくなって混乱するぞ」
松田は楽しそうに言った。
パソコンの中の色々なファイルを開いて探したけれど、役に立ちそうな情報は得られなかった。
「先にパソコンの中を探し回った奴が、有益な情報だけを消してしまったかもしれない」
諦めて河村のマンションを出たときには、辺りはすっかり暗くなっていた。
「こんな物がありました」
松田の車に乗り込むと、僕はポケットに入れてあった何かの毛のことを思い出して松田に見せた。
「何だこれ」
「部屋の床に落ちていました」
「調べられるかもしれない」
松田は僕の手から灰色の毛を取り上げると、自分のポケットに入れた。
「これからどうします?」
僕は松田に尋ねた。他におとどけもののことを調べる方法があるのだろうか?
「明日からは荷物の配達先のことを調べてみよう」
「こいつは無傷だ」
机の上にノートパソコンがあった。キーボードの横にたくさんの数字が書きこまれた紙がある。
「これは暗証番号か?」
松田が紙を見ながら言い、椅子に座るとパソコンの電源を入れた。
「うわ」
悲鳴を上げて松田は自分の手を見る。触ろうとしたマウスにもべたべたとした液体が付いていた。
松田はベッドの上にあった服を持ってきてマウスをきれいに拭いた。その後、数字のたくさん書かれた紙を見て、丸で囲まれた数字を入力していく。
何度か入力した文字を入れ替えたりしていると、パソコンのデータが見られるようになった。
「この部屋の中を探し回った奴は、パソコンの中も探し回ったようだ。そいつはいったい何が欲しかったのだろう」
僕は薄々感づいていた。そいつが欲しがっているのはおとどけものの情報。その中には僕に関するものも含まれている。
「私はそろそろこれで」
マンションの管理人が僕たちのいる部屋を覗きこんで言った。
「すみません、お世話になりました。カギは後で届けます」
部屋のカギを管理人から受け取りながら松田が言う。
「この事は警察に届けておいた方がいいでしょうか?」
管理人は散らかった部屋を見て言った。
「そうですね。明日にも連絡して下さい」
「わかりました。それでは後はよろしくお願いします」
管理人は部屋を出ていった。
「ますます警察はわけがわからなくなって混乱するぞ」
松田は楽しそうに言った。
パソコンの中の色々なファイルを開いて探したけれど、役に立ちそうな情報は得られなかった。
「先にパソコンの中を探し回った奴が、有益な情報だけを消してしまったかもしれない」
諦めて河村のマンションを出たときには、辺りはすっかり暗くなっていた。
「こんな物がありました」
松田の車に乗り込むと、僕はポケットに入れてあった何かの毛のことを思い出して松田に見せた。
「何だこれ」
「部屋の床に落ちていました」
「調べられるかもしれない」
松田は僕の手から灰色の毛を取り上げると、自分のポケットに入れた。
「これからどうします?」
僕は松田に尋ねた。他におとどけもののことを調べる方法があるのだろうか?
「明日からは荷物の配達先のことを調べてみよう」
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