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18.仕置きは続く
しおりを挟む汚れている尻や足だけじゃなくて、怪我している足裏も綺麗にしてくれた。傷のせいで染みたけど、放置されるよりずっと良い。
「綺麗になりましたし、そろそろ次の仕置きに移りましょうか。先程、弘樹さんが我慢している間に、部屋のトランクから持ってきたんです」
シャワーを止められたあと、背後からガサゴソと袋から何かを出している音が聞こえてくる。
部屋のトランクからと言っていた。あの中身は何度か見ているので知っているが、いろいろありすぎてどれかは想像付かない。とりあえずカチャリと小さくぶつかり合っている音や、ぬちぬちローションを塗っている音が聞こえてくるたび、腰が震えた。
何を入れられるのかという期待や不安で揺れていると、尻に手を添えられ、アナルをより大きく広げられる。そして宛がわれた、ちょっと冷たいもの。
「ん……ぁ、あっ……ん」
ゆっくり埋め込まれていくので、痛みはまったく無かった。太さもいつも使われているバイブと同じくらいだ。中を満たされていくのが気持ち良い。少しだけ長めなのか奥まで入ってくるけれど、この程度なら平気だし。
これのどこが仕置きなんだろう? そうぼんやり考えていたら、カチッという音が聞こえてきた。すると今度は、入れたばかりのものを、出されていく。
「……あ、なん……、……え?」
いや違う。出ていく感覚は微妙にしたものの、広げられたアナルが閉じることはなかった。しかも胎内の奥までが、外気に触れているような。
……これ、もしかして。
どういう状況になっているのか気付いた瞬間、ぶわっと顔が熱くなった。
「ぁ、あ。そんな……そんな、まさか」
「そうですよ。リング6つを5本の棒で繋げている、円柱型の金具です。セットのバイブと一緒に胎内に入れたあと、今のようにバイブだけを抜くと、中が見えるようになります。ふふ、弘樹さんのいやらしい胎内の奥までが、丸見えですよ。腸壁を閉じようとしているのか、金具を締め付けながらすごく蠢いています。真っ赤に熟れていて、気持ち良さそうだ」
「うあ……やだ、見るな、……うう……あ、ひっ?」
羞恥に身悶えていると、ドクン、ドクン、と尋常でないくらい身体が熱くなってきた。勝手に腰が揺れるし、胎内に埋まっている金具をギュッと締め付けてしまう。外気に触れているのは気持ち良いけど、全然足りない。
「ひうっ、な……中、中がっ……あつい、あついっ……い! あう、う……これ、媚薬……っ」
「ええ、即効性の媚薬を金具全体に塗ってみたんです。以前使ったものより強力なので大変かと思いますが、俺が良いというまで我慢してくださいね。そうすれば、仕置きは終わりにしてあげますので」
「うあ……い、いつまで……あん、んっ」
「さあ、いつまでにしましょうか。ふふ、こうして指1本を中に入れてみても、腸壁には触れないんです。もどかしいですか?」
「ううっ……う」
指が中にあるとわかった瞬間、大きく腰を動かして、指を探していた。一瞬だけど腸壁に触れて、けれどすぐにどこかへ行ってしまう。必死になって内壁に指を触れさせようとしても、もう抜いてしまったのか空振るばかり。
「うぁ、あ……指、指入れてくれっ、……中、なかっ」
胎内が熱くてズグズグ痒みまで湧いてきて、とにかく掻き混ぜてほしくて。泣きながら、必死に腰を揺らして懇願していた。
でもどれだけ頼んでも、神崎は何もしてくれなかった。だからせめて金具を出そうと、排泄するように尻に力を込める。けれど縁あたりに窪みがあるのか、引っ掛かっていてこれっぽっちも外に出てくれない。
「ひぐっ……助け、助けてくれっ……中、なか掻き回してくれよぉ!」
今まで神崎のしてくる行為を受け入れてきたものの、俺自身から望んだことはほとんど無かった。絶対に屈しないと思っていた。でもこれは。こんな状態で抵抗し続けるのは、無理だ。
燻っている熱に、頭がおかしくなりそうだった。以前の媚薬はこんなに強くなかったし、あの時は胎内でバイブが動いていたので、何度でもイけた。
だが媚薬を使われたのに何もされず放置されるのは、絶対に耐えられない。今すぐ掻き混ぜてほしくて、泣きながら何度もせがんでしまう。
「っ、ねが……お願い、しま……っ」
ただただ開放されたくて、後ろにいる相手に何度も懇願した。するとクツクツ嘲笑が聞こえたあと、前立腺あたりにぴとりと指が触れてくる。
「ふぁ、ん……っ」
「今、とてつもなく蠢いていますよ。指を飲み込もうとして、金属の間から媚肉が盛り上がってます。気持ち良いですか? 弘樹さん」
「ん、気持ち良い……っ。はぁ、もっと掻いて、ふぁ……お願、……う、うう」
気持ち良い、でも足りない。こんな金具じゃなくて、ちゃんと満たされた状態にしてほしい。そしてたくさん刺激してほしい。
「はぅ……入れて、バイブ……中、いっぱい……あ、あん、掻き混ぜて……ふうぅっ」
「駄目ですよ。まだ10分ほどしか経っていない。せめて2時間はこのまま我慢してもらわないと」
「そんなっ、それは無理だ! あ、うひ……っ」
内壁を触れている指をもっと感じたくて腰を揺らしながら、背後にいる神崎へとどうにか顔を向けた。姿は捉えられたものの、涙でぼやけていて、よくわからない。
「助けて……くださっ、お願い、じます……っ」
鼻から鼻水が垂れていて口の中まで入り、そうでなくてもきっと涙と汗で顔面はグチャグチャで。むしろ全身がグチャグチャのドロドロになっている感覚に、気が狂いそうだった。どうにかしてほしい、どうにかしてほしい。
だからひたすら懇願していると、神崎からハァと息を吐くが聞こえてくる。
「そうですね。では何人か、人を呼びましょうか」
「…………え……っ?」
想像していなかった言葉だった。脳天から鉄槌を落としてくるような内容に、熱に浮かされながらも我に返る。
「5人もいれば、淫乱な弘樹さんでも満足出来るんじゃないですか? 男のペニスで犯されてザーメンまみれになれば、媚薬の効果も薄れるかもしれませんし」
「い、嫌だ!!」
想像した瞬間、叫んでいた。
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