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第2章 グランタリア大陸東部編
58.二人の尊い犠牲!
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レトが帝都イシュタルにある商会の息子と知って、それから何回か声をかけようとしたけど、妙にタイミングを外されて話をすることはできなかった。
魔法学院へ通い始めて三日後、学院の講義が終わり、僕一人で大通りの店舗へ向けて歩いていると、エレミア、カイロス、クラウス、グレースの四人が、後から追いかけてきた。
どうやらエレミアが三人を連れてきたようだ。
「あら、エレミアちゃん、来てくれて嬉しいわー」
「リムルお姉様、今日も来ちゃいました」
すっかりリムルとエレミアは仲良しのようだ。
店の中を見回していたクラウスがポツリと呟く。
「どれもファラレスト皇国では見たことのない商品だが、女性の商品ばかりだな」
……今まで女性が好む商品ばかりを開発してきたからね……そういえば男性が好む商品があってもいいかも……でも『ロンメル商会』の方針は、女性志向の商品を扱うことなんだよね……なぜかと言われると、そのほうが僕の周りの女性達が喜ぶからなんだけど……
「参考として聞かせてほしいんだけど……男女共に欲しがる商品って何かあるかな?」
「うーん、髪を整えたり、髪の毛を変える商品があれば使いたいかもな。それに男性なら毛が生える商品があれば買うだろう」
「俺はバキバキに髪を立たせたいぜ」
……カイロスは荒廃した世界で「ヒャッハー」と叫んで、バイクを走らせたいタイプなの?
整髪剤、髪染め、育毛剤か……どれも男女が使える商品で興味があるね。
男三人で話している内に、グレースとエレミアの買い物は終わり、四人は仲よく帰っていった。
さっそく新しい商品でも開発してみようかな。
その後、僕はレミリア頼んで、海藻、果実、野菜を買ってきてもらい、リムルには洋服を染める染料とトレントの枝を買ってきてもらった。
まずは海藻、果実、野菜を《創造魔法陣》の魔法陣を使って栄養剤に変化させる。
次に、洋服の染料を、《創造魔法陣》の魔法陣で様々な色の定着剤に変化させ、また《創造魔法陣》の魔法陣を使って、先ほど作った栄養剤と定着剤を融合させれば、髪染め剤のできあがりだ。
髪染め剤が完成したので次の商品の開発に移る。
リムルに買ってきてもらったトレントの枝を、《創造魔法陣》の魔法陣を使用し、樹油に変化させる。
そして樹油、先に作った栄養剤、純度の高いアルコールの三つを《創造魔法陣》の魔法陣で融合し、整髪剤を完成させた。
これで整髪剤と髪染め剤ができたわけだけど……確実に毛が生えてくる育毛剤って、どうやって作ればいいのかな?
毛が生える、生えないって、遺伝子レベルで決まってることだよね……ということは人の遺伝子を操作すれば毛を生やすことも、毛が生えないようにすることもできるって感じなのかな?
どちらにしても遺伝子を操作するなんて、普通に考えて無理だよね。
……でも僕のチートスキル《創造魔法陣》を使えば可能なはず。
まずは栄養剤と樹油を《創造魔法陣》の魔法陣を使って、下地の薬と作る。
次に《創造魔法陣》の魔法文字の部分を『毛がどんどん生える』と描いて、下地薬を魔法陣で変化させた。
これで一応は毛生え薬というか、育毛剤ができたはずだけど……怖くて自分で実験することができないよ……
次は脱毛剤だね。
《創造魔法陣》の魔法文字の部分を『毛が全部抜ける』と描いて、先ほどの下地薬を魔法陣に置いて魔力を流す。
これで脱毛剤の完成だ。
誰かで実験してみたいな……
チラリとレミリアとリムルに視線を送ると、二人は引きつった笑みを浮かべて顔を逸らす。
……やっぱり女の子で実験するのは気が引けるし、男性に協力してもらおう……
僕は店舗の姿見の転移ゲートを通って、王都ダルトンの店舗へと向かう。
転移ゲートを潜ると、店仕舞いをしたオルデンとサイゾウが座っていた。
「シオンじゃないか、夜にどうしたんだい?」
「ちょっと二人に協力してほしいことがあって、この薬を試してほしいんだ」
薬を二つ見せると、二人は疑るような視線を送ってくる。
「その薬の効果は?」
「一つが毛生え薬というか育毛剤で、もう一つが脱毛剤。僕のスキルで薬を作ったから、効果は大丈夫だと思うよ。だから使ってみて」
「イヤでござる。もし獣人の毛が抜けたら恥でござるよ」
「アグウェルにいうからね」
「……鬼でござる……では拙者は育毛剤をもらうでござるよ」
僕は持っていた薬をサイゾウが手渡した。
そしてもう一つの薬をオルデンに渡す。
するとオルデンとサイゾウは意を決した表情をして髪の毛に薬を塗り込む。
「オルデン、その薬は髪の毛じゃないよ。髪の毛以外の場所に塗る薬だよ」
「え……そうなのか? 育毛剤じゃないのか?」
「違うよ! それは脱毛剤だよ!」
僕とオルデンが話している間に、彼の髪がゴッソリと抜け落ちて頭がピカピカになり、サイゾウの髪が床に着くぐらいに一気に伸びていく。
「うおー、どうなってるんだよ。俺の頭がハゲちゃったじゃないかー!」
「拙者の髪がモジャモジャに伸びたでござるー!」
「早く毛生え薬をくれー!」
怒れるオルデンの叫び声が室内にこだました。
……薬の実験には成功したけど……オルデンとサイゾウの尊い犠牲は忘れないよ……
魔法学院へ通い始めて三日後、学院の講義が終わり、僕一人で大通りの店舗へ向けて歩いていると、エレミア、カイロス、クラウス、グレースの四人が、後から追いかけてきた。
どうやらエレミアが三人を連れてきたようだ。
「あら、エレミアちゃん、来てくれて嬉しいわー」
「リムルお姉様、今日も来ちゃいました」
すっかりリムルとエレミアは仲良しのようだ。
店の中を見回していたクラウスがポツリと呟く。
「どれもファラレスト皇国では見たことのない商品だが、女性の商品ばかりだな」
……今まで女性が好む商品ばかりを開発してきたからね……そういえば男性が好む商品があってもいいかも……でも『ロンメル商会』の方針は、女性志向の商品を扱うことなんだよね……なぜかと言われると、そのほうが僕の周りの女性達が喜ぶからなんだけど……
「参考として聞かせてほしいんだけど……男女共に欲しがる商品って何かあるかな?」
「うーん、髪を整えたり、髪の毛を変える商品があれば使いたいかもな。それに男性なら毛が生える商品があれば買うだろう」
「俺はバキバキに髪を立たせたいぜ」
……カイロスは荒廃した世界で「ヒャッハー」と叫んで、バイクを走らせたいタイプなの?
整髪剤、髪染め、育毛剤か……どれも男女が使える商品で興味があるね。
男三人で話している内に、グレースとエレミアの買い物は終わり、四人は仲よく帰っていった。
さっそく新しい商品でも開発してみようかな。
その後、僕はレミリア頼んで、海藻、果実、野菜を買ってきてもらい、リムルには洋服を染める染料とトレントの枝を買ってきてもらった。
まずは海藻、果実、野菜を《創造魔法陣》の魔法陣を使って栄養剤に変化させる。
次に、洋服の染料を、《創造魔法陣》の魔法陣で様々な色の定着剤に変化させ、また《創造魔法陣》の魔法陣を使って、先ほど作った栄養剤と定着剤を融合させれば、髪染め剤のできあがりだ。
髪染め剤が完成したので次の商品の開発に移る。
リムルに買ってきてもらったトレントの枝を、《創造魔法陣》の魔法陣を使用し、樹油に変化させる。
そして樹油、先に作った栄養剤、純度の高いアルコールの三つを《創造魔法陣》の魔法陣で融合し、整髪剤を完成させた。
これで整髪剤と髪染め剤ができたわけだけど……確実に毛が生えてくる育毛剤って、どうやって作ればいいのかな?
毛が生える、生えないって、遺伝子レベルで決まってることだよね……ということは人の遺伝子を操作すれば毛を生やすことも、毛が生えないようにすることもできるって感じなのかな?
どちらにしても遺伝子を操作するなんて、普通に考えて無理だよね。
……でも僕のチートスキル《創造魔法陣》を使えば可能なはず。
まずは栄養剤と樹油を《創造魔法陣》の魔法陣を使って、下地の薬と作る。
次に《創造魔法陣》の魔法文字の部分を『毛がどんどん生える』と描いて、下地薬を魔法陣で変化させた。
これで一応は毛生え薬というか、育毛剤ができたはずだけど……怖くて自分で実験することができないよ……
次は脱毛剤だね。
《創造魔法陣》の魔法文字の部分を『毛が全部抜ける』と描いて、先ほどの下地薬を魔法陣に置いて魔力を流す。
これで脱毛剤の完成だ。
誰かで実験してみたいな……
チラリとレミリアとリムルに視線を送ると、二人は引きつった笑みを浮かべて顔を逸らす。
……やっぱり女の子で実験するのは気が引けるし、男性に協力してもらおう……
僕は店舗の姿見の転移ゲートを通って、王都ダルトンの店舗へと向かう。
転移ゲートを潜ると、店仕舞いをしたオルデンとサイゾウが座っていた。
「シオンじゃないか、夜にどうしたんだい?」
「ちょっと二人に協力してほしいことがあって、この薬を試してほしいんだ」
薬を二つ見せると、二人は疑るような視線を送ってくる。
「その薬の効果は?」
「一つが毛生え薬というか育毛剤で、もう一つが脱毛剤。僕のスキルで薬を作ったから、効果は大丈夫だと思うよ。だから使ってみて」
「イヤでござる。もし獣人の毛が抜けたら恥でござるよ」
「アグウェルにいうからね」
「……鬼でござる……では拙者は育毛剤をもらうでござるよ」
僕は持っていた薬をサイゾウが手渡した。
そしてもう一つの薬をオルデンに渡す。
するとオルデンとサイゾウは意を決した表情をして髪の毛に薬を塗り込む。
「オルデン、その薬は髪の毛じゃないよ。髪の毛以外の場所に塗る薬だよ」
「え……そうなのか? 育毛剤じゃないのか?」
「違うよ! それは脱毛剤だよ!」
僕とオルデンが話している間に、彼の髪がゴッソリと抜け落ちて頭がピカピカになり、サイゾウの髪が床に着くぐらいに一気に伸びていく。
「うおー、どうなってるんだよ。俺の頭がハゲちゃったじゃないかー!」
「拙者の髪がモジャモジャに伸びたでござるー!」
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