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2 本当に婚約者?
王太子殿下は、ご婚約者様のカサンドラ様と、こうして時間をとって談笑をされるのですが、その時に私にあることを教えてくださいました。
「アシュリー、君の婚約者はタウナー伯爵家のエドウィンだったな?」
「はい。そうですが、彼がどうかいたしましたか?」
「いや…彼の兄が二カ月ほど前に、弟が帰ってきたと言っていたのだが、アシュリーはもう彼とは会ったのか?」
エドウィンの兄?あぁ…トラヴィス様ですね。確か王宮で秘書官をしていると聞いていましたが、王太子殿下の側仕えだったのですね?しかし二カ月前ですか?それは考えもしなかったですわね。
「…いえ……かれこれ三年は音信不通ですから」
私の返事に驚いたのか、王太子殿下もカサンドラ様も目を見開いて、あろうことかカップをカチャンと音を立ててソーサーに置いています。王妃様が目にしようものなら、雷が落ちますわ。それに気づかないほど衝撃的だったのでしょうか。
音信不通なのは私の中ではもう忘れていたようなものですけど、他人はそう思わないのかしら。控えているメイド達も私の顔をまじまじと見ていますしねぇ。
「アシュリー!それはどういうことなの??だってあなた、彼が帰ってきたら結婚するって言ってたわよね!」
「そうなのですが、連絡がないので話し合うことも出来ないですし」
頭を抱えるように下を向いている王太子殿下は、言いにくそうにその口を開いたのですが、言いたくないなら言わなくていいのにって思います。でも、さすがにそんなことは言えませんが。
「実はなアシュリー。これはあくまで噂だが…エドウィンがとある令嬢と仲が良いと……」
「やはりそうですか…」
「やはりって、知ってたの?」
「三年も音信不通なら、そんな事だろうと思います」
淡々と話した私に驚いたのか、それとも呆れたのか、二人してじっと私を見たまま、口をパクパクと何かを言いたそうな顔をしています。
「それで、君は…君はどうするつもりだ?」
王太子殿下の言葉に私も目を瞬かせ、私はどうしたいのかを考えてみました。そういえば、考えていませんでしたわ。
「そうですね。証拠があれば婚約を解消したいと思っています」
「そうなのか?」
「はい。正直なところ、彼の方への感情など枯れ果てておりますので、未練などというものは微塵もございません」
王太子殿下は私の言い様に驚いたのか、またしても目を見開いて次の言葉が出ないみたいです。あら?言い過ぎたかしら。
それにカサンドラ様とは、来年にはご成婚の儀を控えていらっしゃいます。その時に私は結婚して男爵家を継ぎ、父の領地経営の手伝いをすることになっていたので侍女を続けることをお断りしていたのですが、婚約がなくなればそのまま侍女を続けることが可能になりますわね。正直言って、それがベストかしら?そんなことを瞬間で考えてしまいました。
「アシュリー!来週の夜会に彼を呼ぶわよ!」
「はい?カサンドラ様、それは一体…」
「証拠を見つけるんでしょ?それなら実際に見るのよ!あなたのその色の事もどうせ知らないでしょうし」
確かに、手紙を読んでいれば知っているかもしれないですが、多分、読んでいない。はず…ね。
もしかすると、会っても気が付かないかもしれないわ。
「当日は、お兄様にエスコートを頼むわ。ドレスも何もかも私に任せなさい!いいわね!」
「え……それは…」
「アシュリー、カサンドラは一度言ったら何を言っても無理だよ。それに、私としてもそういう不義理な男は気に入らないし、きちんと清算したほうがいい」
「わかりました…」
なんだか、あっという間に話が纏まって、来週に行われる夜会に出ることになってしまったのですが、どうしましょう。
エスコートに指名されたロドニー様はカサンドラ様の実のお兄様で、王太子殿下の側近をなさっています。勿論、騎士としての腕も相当なものらしいです。そんな方がまさかこんな私の相手をさせられるなんて考えてなかったでしょう。
でも、エドウィンは来るのかしら?問題の彼女を連れて。
「アシュリー、君の婚約者はタウナー伯爵家のエドウィンだったな?」
「はい。そうですが、彼がどうかいたしましたか?」
「いや…彼の兄が二カ月ほど前に、弟が帰ってきたと言っていたのだが、アシュリーはもう彼とは会ったのか?」
エドウィンの兄?あぁ…トラヴィス様ですね。確か王宮で秘書官をしていると聞いていましたが、王太子殿下の側仕えだったのですね?しかし二カ月前ですか?それは考えもしなかったですわね。
「…いえ……かれこれ三年は音信不通ですから」
私の返事に驚いたのか、王太子殿下もカサンドラ様も目を見開いて、あろうことかカップをカチャンと音を立ててソーサーに置いています。王妃様が目にしようものなら、雷が落ちますわ。それに気づかないほど衝撃的だったのでしょうか。
音信不通なのは私の中ではもう忘れていたようなものですけど、他人はそう思わないのかしら。控えているメイド達も私の顔をまじまじと見ていますしねぇ。
「アシュリー!それはどういうことなの??だってあなた、彼が帰ってきたら結婚するって言ってたわよね!」
「そうなのですが、連絡がないので話し合うことも出来ないですし」
頭を抱えるように下を向いている王太子殿下は、言いにくそうにその口を開いたのですが、言いたくないなら言わなくていいのにって思います。でも、さすがにそんなことは言えませんが。
「実はなアシュリー。これはあくまで噂だが…エドウィンがとある令嬢と仲が良いと……」
「やはりそうですか…」
「やはりって、知ってたの?」
「三年も音信不通なら、そんな事だろうと思います」
淡々と話した私に驚いたのか、それとも呆れたのか、二人してじっと私を見たまま、口をパクパクと何かを言いたそうな顔をしています。
「それで、君は…君はどうするつもりだ?」
王太子殿下の言葉に私も目を瞬かせ、私はどうしたいのかを考えてみました。そういえば、考えていませんでしたわ。
「そうですね。証拠があれば婚約を解消したいと思っています」
「そうなのか?」
「はい。正直なところ、彼の方への感情など枯れ果てておりますので、未練などというものは微塵もございません」
王太子殿下は私の言い様に驚いたのか、またしても目を見開いて次の言葉が出ないみたいです。あら?言い過ぎたかしら。
それにカサンドラ様とは、来年にはご成婚の儀を控えていらっしゃいます。その時に私は結婚して男爵家を継ぎ、父の領地経営の手伝いをすることになっていたので侍女を続けることをお断りしていたのですが、婚約がなくなればそのまま侍女を続けることが可能になりますわね。正直言って、それがベストかしら?そんなことを瞬間で考えてしまいました。
「アシュリー!来週の夜会に彼を呼ぶわよ!」
「はい?カサンドラ様、それは一体…」
「証拠を見つけるんでしょ?それなら実際に見るのよ!あなたのその色の事もどうせ知らないでしょうし」
確かに、手紙を読んでいれば知っているかもしれないですが、多分、読んでいない。はず…ね。
もしかすると、会っても気が付かないかもしれないわ。
「当日は、お兄様にエスコートを頼むわ。ドレスも何もかも私に任せなさい!いいわね!」
「え……それは…」
「アシュリー、カサンドラは一度言ったら何を言っても無理だよ。それに、私としてもそういう不義理な男は気に入らないし、きちんと清算したほうがいい」
「わかりました…」
なんだか、あっという間に話が纏まって、来週に行われる夜会に出ることになってしまったのですが、どうしましょう。
エスコートに指名されたロドニー様はカサンドラ様の実のお兄様で、王太子殿下の側近をなさっています。勿論、騎士としての腕も相当なものらしいです。そんな方がまさかこんな私の相手をさせられるなんて考えてなかったでしょう。
でも、エドウィンは来るのかしら?問題の彼女を連れて。
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