【完結】婚約者に忘れられていた私

稲垣桜

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19 王太子side

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 先日、婚約者のカサンドラお気に入りの侍女、ガーラント子爵令嬢の婚約者の件で色々あった。

 色々と…というか、彼女の、アシュリー嬢の婚約者でもあるタウナー伯爵家のエドウィンが、アシュリー嬢との婚約をないがしろにしたということで、カサンドラがエドウィンに対して怒りを露わにしたのだ。

 俺がアシュリー嬢の婚約者の兄が『弟が国境から帰ってきた』と言ったことを思い出してそう口にしただけなのだが、まさかこう大事になるとは思わなかった。


 カサンドラは家で行われる夜会に、自身の兄で俺の側近をしているロドニーに彼女をエスコートするようにをし、その会場でだと意気込んでいた。
 真実を知ることは大切な事だと思うが、それを目の当たりにさせるのも酷ではないかとも思ったが、カサンドラはそこまで意識が回らない様だった。
 アシュリー嬢もカサンドラの命令に逆らえるわけもなく、ロドニーのエスコートで夜会へと参加することになった。

 
 夜会会場では私が伝えた通り、アシュリー嬢の婚約者が国境から戻っていたことが証明され、しかも、見た事のない令嬢をだと、とアシュリー嬢に直接、そう言ったらしい。しかも、それが自身の婚約者のアシュリー嬢だと、気が付くことも無かったとロドニーが険しい顔をしながら話してくれた。


 アシュリー嬢本人からもそう報告を受け、婚約者のタウナー家とも話し合う必要があると、最終的には婚約は解消するつもりだとはっきりと告げたこともあり、その件に関しては協力をすると申し出た。


 もし婚約解消に難癖をつけてくるようならロドニーも証言をするし、書類の受理に関しては最優先で進めるように部署の担当者には伝えておいた。


 そして話し合いもスムーズに終えたのか、婚約を解消することに至ったと報告をもらった。

 ただ、痂疲のないアシュリー嬢に傷が付くことを案じたカサンドラが、彼女の経歴に一切の傷をつけることのないようにという事にならないのか、令嬢の貴重な時間を奪ったことに対しての慰謝料は請求できるようにならないかと頼まれ、それもそうだなと私も思ったので、専門の部署から一番良い方法と説得の仕方を彼女に助言しておくよう頼んだ。
 それもあってか、婚約は白紙。そして時間分の慰謝料の受け取りの権利を勝ち取ったようだ。


 その後、しばらくしてからロドニーの様子がおかしいので話を聞いてみると、どうやら元婚約者がアシュリー嬢に復縁を迫っているとのことだった。

 偶然を装って顔を合わせるようにして、何度も謝ってもう一度やり直したいと言い続けているようで、アシュリー嬢は害虫を追い払うようにあしらっているようだが、その事を聞いたロドニーはどうやら心中穏やかではない様だ。


 もしかすると、ロドニーは…


 これは面白いことになるかもしれないな。

 カサンドラはすぐ顔に出るだろうから、このことは内緒にしておこう。






 ◇ ◇ ◇


 お詫び

 当初の設定では、カサンドラは王女殿下でした。
 公開する前に、それをベイモント侯爵家の令嬢で王太子の婚約者に変更したのですが、どうやら直していない箇所が多々合ったようで、今更ながら気が付きまして、ちょこちょこ訂正しております。

 大変ご迷惑をおかけしました。

 もしかすると、まだ変更できてない箇所があるかもしれませんが、「直してないなー」位の気持ちでスルーして頂けると嬉しいです。



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