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イロハ_01
接待
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能力測定を終えたイロハが闘技場から出ると、すぐに夜凍の診察室に行くように言われた。
もらったタオルで汗をぬぐいながら、イロハは診察室に向かう。
ノックをして扉を開け、診察室に入る。
夜凍はイロハを椅子に座らせ、軽い聴診と触診を行うと、たずねた。
「怪我は?」
「ありません」
イロハの答えに夜凍がうなずく。
そうして夜凍は言った。
「では『シャワーを浴びて』応接室に行け」
イロハは目を伏せ、ほんの一瞬、息を止めた。
それはいわゆる「召し上げ」があるときの指示だった。
それでもイロハたちには、それを拒否する自由はない。
イロハは小さく息をついてうなずいた。
「……はい」
シャワーを浴び終えたイロハは、用意されていた白いバスローブとスリッパだけを身にまとい、警備員に連れられて「応接室」に向かった。
厳重なセキュリティが施された扉をくぐり抜けると、それまでは無機質だった白い廊下が、急に豪華になる。深い色合いの木の壁に、厚みがある深紅の絨毯。研究棟の中にありながら、研究棟の他の場所とは全く異なる雰囲気を持つ空間。
やがて警備員は、ある扉の前で足を止めた。
丁重に扉をノックし、声をかける。
「168番を連れて参りました」
扉の中から声が答えた。
「入れろ」
警備員がていねいな仕草で扉を開ける。そうしてイロハに対して軽く顎をしゃくり、中に入るようにうながした。
応接室とは名ばかりの部屋。
扉を入ってすぐのところには、革張りのソファとローテーブルの応接セットが置かれてはいる。しかし、部屋の左側を仕切るカーテンの奥には、キングサイズのベッドや、その他のさまざまな設備が用意されているのを、イロハはよく知っている。
中にいたのは、身体も腹回りも大きな、壮年の男だった。どうやら男は、イロハが来るのを今か今かと待ち構えていたらしい。イロハの顔を見ると、せわしなく立ち上がり、言った。
「遅かったな。来い」
イロハが男に近づくと、男はイロハの腕を取ってイロハの身体を引き寄せた。そうしてイロハの後ろ髪をつかんで上を向かせ、イロハに口づける。
荒い鼻息、ねっとりとした舌、重なる口から入り込んでくる口臭。
何もかもが気持ち悪い。
それでもイロハの身体は、男の舌で歯列をなぞられ、口蓋を舐め上げられると、ビクリと背中を跳ねさせた。少しも気持ちよくなどないのに、息が上がり、力が抜けていく。
やがて男の口が離れていくと、イロハは潤んだ瞳で大きく肩をあえがせた。
男はイロハをベッドに誘い込むと、イロハのバスローブを脱がせた。それだけでイロハは、首輪以外、一糸まとわぬ姿になってしまう。
男はヘッドボードに背中を預けて座ると、向かい合ったイロハに、己の足をまたぐように膝を着かせた。そうして至近距離からイロハの全身を眺め回す。無防備な姿で、それこそ股の間にぶら下がるものさえ晒した状態。羞恥と恐怖が襲い掛かってくるが、隠したり拒否したりすれば叱られる。イロハはただまつ毛を震わせて目を伏せ、じっと耐えていた。
「オメガのホムンクルス……ウワサには聞いていたが、本当にきれいな身体をしている」
男の、肉厚で少しカサついた手が、イロハの肌を這う。
頰、肩、脇腹、太もも。
触れられているのは決して性的な場所ではなかったが、それでもオメガの身体は従順に快感を拾う。肌を撫でられるたび、イロハは息を詰め、身を震わせた。膝をついている姿勢を維持するのが苦しくて、気がつけば、男の肩に手をかけて、まるですがるような恰好になってしまう。
その姿もまた、男の目を楽しませたようだ。男の指が、イロハの胸のピンク色の尖りに触れる。
「っふ……」
ピクリと跳ねるイロハの背中。
男はうっそりと笑うと、イロハの胸の飾りを指先で押しつぶすようにこね回し、つまみ、ひねり上げた。
「ふっ……んんっ、ぁ。ふ……」
男の指が動くたび、イロハの口からは控えめな声が漏れる。男はしばらくの間、しつこくイロハの胸を弄くりまわしていたが、イロハの反応に気をよくしたのか、やがてイロハの胸に舌を這わせた。
「あっ……ふっ」
指とは異なる、湿った感触にイロハの声が一段と高くなる。
ゆるゆると立ち上がる、イロハの象徴。
そしてその奥の蕾からは、愛液がじわじわとあふれ出していた。
「あ……はぁっ、んんつ」
身悶えるイロハから顔を離した男が、改めてイロハの姿を眺める。
「オメガというのは、本当にそそるものだな……」
そうして男は、イロハの足の間で頭をもたげたイロハ自身を軽く手で掻いた。
「ひあっ……!」
直接的な刺激に、イロハの身体が大きく跳ねる。
男はイロハの陰茎を幾度か掻いて、イロハの嬌声を楽しむと、イロハの身体をベッドの上に仰向けに押し倒した。
曲げさせたイロハの膝を割り開く男。
男の眼前に、イロハの秘部があらわになる。
胸への刺激で、すっかり濡れそぼった蕾。
「あ……いや」
あまりの恥ずかしさに、イロハはベッドの上で緩く首を振った。だがそれは、何の意味も持たない声だった。
男の指がイロハの蕾をなでる。弓なりに背中を反らせ、声を上げるイロハ。
クチュクチュと濡れた音が立ち、イロハは息を引きつらせながら、シーツの上で身をよじった。ほどなくして男は、ズボンのベルトを緩めると、中から己自身を取り出した。体格に見合った大きさをもつ、凶器。
それを目にしたイロハが小さく息を飲む。
男の陰茎の先端が、イロハの窄まりにあてがわれた。
恐怖に震えるイロハの心とは裏腹に、イロハの蕾は、まるで期待をするように、ヒクヒクとうごめく。
男が、イロハの中に向かってゆっくりと腰をすすめる。イロハの身体が、男のものをゆっくりと呑み込んでいく。
「ああっ……」
抱かれる性であるオメガの身体は、男が与える快感を全て拾い、侵入してきた男を悦びながら食む。狭い肉筒の中をこすり上げていく男のもの。
「ああ、うっ……はっ、んんっああ」
自分のものを全てイロハの中におさめると、男はうっとりとした顔でイロハを見下ろした。イロハは浅い息をつき、額に汗を浮かべながらも、それでも己の象徴を立ち上がらせたままヒクヒクと腰を揺らしている。
「あっ……ううっ。ふっ」
「ああ、いい具合だ」
男がイロハとつながったまま、上半身を倒し、イロハの首筋に顔を埋めた。
オメガゆえのイロハのフェロモンを楽しむように息を吸う。それから男は、イロハの美しい肢体を味わうように、イロハの肌に舌を這わせた。耳朶に歯を立て、唇を吸い、首輪と首のわずかな隙間に舌を差し入れ、鎖骨の下に刻印されたバーコードを舐めあげる。
イロハはシーツを固く握りしめながら、その感触に耐えた。
やがて男は腰を使い始めた。
最初はイロハの中を味わうような、ゆるゆるとした動きだったものが、徐々に叩きつけるような激しいものに変わっていく。
ホムンクルスとしてはやや大きいイロハも、大柄な男にくらべれば二回り近くも小さい。体重ごと腰を押し付けるようにされると、イロハの身体は男の身体の下で折りたたまれるような形になる。
「あっああっ、ああぅんっ、ああっ」
男の身体の下でイロハの身体がビクビクと跳ねた。脚の間で揺れるイロハの象徴から、白濁があふれ出る。けれども男は止まらない。
男は一度身体を離すと、イロハの身体を伏せに転がし、腰だけを高く掲げさせた。そうして、まだ絶頂の余韻にヒクつく後孔をさらに深く穿つ。
無理やりに流し込まれる快感に、イロハは涙を流しながら啼いた。
望んでなんかいない。
能力測定で戦わされることも、こうして抱かれることも、そして快楽に翻弄されることも。
それでもホムンクルスであるイロハたちには、それを拒否する選択肢はハナから存在していないのだ。
そんなイロハの痴態を男の目がうっとりと見下ろしている。
イロハの鎖骨の下に埋め込まれたチップは、今もイロハの心拍や呼吸のデータを医師たちのパソコンに送り続けている。
何もかもが支配され、監視される世界。
イロハは、シーツに顔をこすりつけ、悲鳴のような嬌声を上げながら、なき続けた。
◆
男が去って少しすると、警備員が入ってきた。
イロハは汚れた身体をベッドの上に投げ出したまま、漫然と警備員を見上げた。
「……」
警備員が、床に落ちていたバスローブを、無言のままイロハの近くに置く。イロハはノロノロと身体を起こし、どうにかバスローブに袖を通した。
イロハがバスローブの前を閉めている間に、警備員が車椅子を持ってくる。ベッドから降りたイロハは、まるで崩れるように車椅子の上に座り込んだ。
◆
研究棟の処置室。無機質な灰色の処置台に横たわったイロハの身体を、無影灯が残酷に照らす。
警備員に連れて来られたイロハを、夜凍はバスローブ姿のまま、処置台に寝かせた。イロハのバスローブの前を無遠慮に割り開き、鎖骨の下のバーコードを読み込む。それから曲げさせたイロハの膝を割り開き、その奥を覗き込んだ。夜凍が無影灯を動かすと、イロハの無残に散らされた蕾が灯りに照らされて、あらわになる。
「……っ」
羞恥に身を固くするイロハ。しかし夜凍はそれに全く構うことなく、ゴム手袋に包まれた指を二本、イロハの蕾に差し入れた。
男の精にうるむそこが、夜凍の指を従順に呑み込んでいく。
「っ……ぅ」
夜凍はイロハの中に人差し指と中指の第二関節ほどまでを差し入れると、蕾を押し広げるように指を開いた。
コプリと溢れ出す、男の精。
「ううぅ……」
イロハはあまりの羞恥に、己の顔を二の腕で覆ってうめいた。しかし夜凍はそれに一切構うことなく、指を動かし、イロハの襞の様子を確認した。
「切れたりはしていない。上手く咥えられたようだな」
そうする間にも、イロハの蕾からは、男の残渣が次々とあふれてくる。
夜凍が薄く笑った。
「なかなかの精力家だったらしい」
それから夜凍はイロハの顔をちらりと見て言った。
「少し掻き出しておいてやる」
イロハの中で動き出す夜凍の指。収まりかけていた性の炎を掻き立てられそうな動きに、イロハは息を乱して首を振る。
イロハの中がおおむねきれいになると、夜凍は流れ出たものを、医療用ウエスでざっと拭いた。
「バスルームを使わせてやる。身体を清めたら避妊剤を飲んで今日はもう休め。部屋に戻るのと病室で休むの、どっちがいい?」
イロハはぐったりと息をしながら答えた。
「病室で……」
ミトとムツミに、この姿を見られたくなかった。
もらったタオルで汗をぬぐいながら、イロハは診察室に向かう。
ノックをして扉を開け、診察室に入る。
夜凍はイロハを椅子に座らせ、軽い聴診と触診を行うと、たずねた。
「怪我は?」
「ありません」
イロハの答えに夜凍がうなずく。
そうして夜凍は言った。
「では『シャワーを浴びて』応接室に行け」
イロハは目を伏せ、ほんの一瞬、息を止めた。
それはいわゆる「召し上げ」があるときの指示だった。
それでもイロハたちには、それを拒否する自由はない。
イロハは小さく息をついてうなずいた。
「……はい」
シャワーを浴び終えたイロハは、用意されていた白いバスローブとスリッパだけを身にまとい、警備員に連れられて「応接室」に向かった。
厳重なセキュリティが施された扉をくぐり抜けると、それまでは無機質だった白い廊下が、急に豪華になる。深い色合いの木の壁に、厚みがある深紅の絨毯。研究棟の中にありながら、研究棟の他の場所とは全く異なる雰囲気を持つ空間。
やがて警備員は、ある扉の前で足を止めた。
丁重に扉をノックし、声をかける。
「168番を連れて参りました」
扉の中から声が答えた。
「入れろ」
警備員がていねいな仕草で扉を開ける。そうしてイロハに対して軽く顎をしゃくり、中に入るようにうながした。
応接室とは名ばかりの部屋。
扉を入ってすぐのところには、革張りのソファとローテーブルの応接セットが置かれてはいる。しかし、部屋の左側を仕切るカーテンの奥には、キングサイズのベッドや、その他のさまざまな設備が用意されているのを、イロハはよく知っている。
中にいたのは、身体も腹回りも大きな、壮年の男だった。どうやら男は、イロハが来るのを今か今かと待ち構えていたらしい。イロハの顔を見ると、せわしなく立ち上がり、言った。
「遅かったな。来い」
イロハが男に近づくと、男はイロハの腕を取ってイロハの身体を引き寄せた。そうしてイロハの後ろ髪をつかんで上を向かせ、イロハに口づける。
荒い鼻息、ねっとりとした舌、重なる口から入り込んでくる口臭。
何もかもが気持ち悪い。
それでもイロハの身体は、男の舌で歯列をなぞられ、口蓋を舐め上げられると、ビクリと背中を跳ねさせた。少しも気持ちよくなどないのに、息が上がり、力が抜けていく。
やがて男の口が離れていくと、イロハは潤んだ瞳で大きく肩をあえがせた。
男はイロハをベッドに誘い込むと、イロハのバスローブを脱がせた。それだけでイロハは、首輪以外、一糸まとわぬ姿になってしまう。
男はヘッドボードに背中を預けて座ると、向かい合ったイロハに、己の足をまたぐように膝を着かせた。そうして至近距離からイロハの全身を眺め回す。無防備な姿で、それこそ股の間にぶら下がるものさえ晒した状態。羞恥と恐怖が襲い掛かってくるが、隠したり拒否したりすれば叱られる。イロハはただまつ毛を震わせて目を伏せ、じっと耐えていた。
「オメガのホムンクルス……ウワサには聞いていたが、本当にきれいな身体をしている」
男の、肉厚で少しカサついた手が、イロハの肌を這う。
頰、肩、脇腹、太もも。
触れられているのは決して性的な場所ではなかったが、それでもオメガの身体は従順に快感を拾う。肌を撫でられるたび、イロハは息を詰め、身を震わせた。膝をついている姿勢を維持するのが苦しくて、気がつけば、男の肩に手をかけて、まるですがるような恰好になってしまう。
その姿もまた、男の目を楽しませたようだ。男の指が、イロハの胸のピンク色の尖りに触れる。
「っふ……」
ピクリと跳ねるイロハの背中。
男はうっそりと笑うと、イロハの胸の飾りを指先で押しつぶすようにこね回し、つまみ、ひねり上げた。
「ふっ……んんっ、ぁ。ふ……」
男の指が動くたび、イロハの口からは控えめな声が漏れる。男はしばらくの間、しつこくイロハの胸を弄くりまわしていたが、イロハの反応に気をよくしたのか、やがてイロハの胸に舌を這わせた。
「あっ……ふっ」
指とは異なる、湿った感触にイロハの声が一段と高くなる。
ゆるゆると立ち上がる、イロハの象徴。
そしてその奥の蕾からは、愛液がじわじわとあふれ出していた。
「あ……はぁっ、んんつ」
身悶えるイロハから顔を離した男が、改めてイロハの姿を眺める。
「オメガというのは、本当にそそるものだな……」
そうして男は、イロハの足の間で頭をもたげたイロハ自身を軽く手で掻いた。
「ひあっ……!」
直接的な刺激に、イロハの身体が大きく跳ねる。
男はイロハの陰茎を幾度か掻いて、イロハの嬌声を楽しむと、イロハの身体をベッドの上に仰向けに押し倒した。
曲げさせたイロハの膝を割り開く男。
男の眼前に、イロハの秘部があらわになる。
胸への刺激で、すっかり濡れそぼった蕾。
「あ……いや」
あまりの恥ずかしさに、イロハはベッドの上で緩く首を振った。だがそれは、何の意味も持たない声だった。
男の指がイロハの蕾をなでる。弓なりに背中を反らせ、声を上げるイロハ。
クチュクチュと濡れた音が立ち、イロハは息を引きつらせながら、シーツの上で身をよじった。ほどなくして男は、ズボンのベルトを緩めると、中から己自身を取り出した。体格に見合った大きさをもつ、凶器。
それを目にしたイロハが小さく息を飲む。
男の陰茎の先端が、イロハの窄まりにあてがわれた。
恐怖に震えるイロハの心とは裏腹に、イロハの蕾は、まるで期待をするように、ヒクヒクとうごめく。
男が、イロハの中に向かってゆっくりと腰をすすめる。イロハの身体が、男のものをゆっくりと呑み込んでいく。
「ああっ……」
抱かれる性であるオメガの身体は、男が与える快感を全て拾い、侵入してきた男を悦びながら食む。狭い肉筒の中をこすり上げていく男のもの。
「ああ、うっ……はっ、んんっああ」
自分のものを全てイロハの中におさめると、男はうっとりとした顔でイロハを見下ろした。イロハは浅い息をつき、額に汗を浮かべながらも、それでも己の象徴を立ち上がらせたままヒクヒクと腰を揺らしている。
「あっ……ううっ。ふっ」
「ああ、いい具合だ」
男がイロハとつながったまま、上半身を倒し、イロハの首筋に顔を埋めた。
オメガゆえのイロハのフェロモンを楽しむように息を吸う。それから男は、イロハの美しい肢体を味わうように、イロハの肌に舌を這わせた。耳朶に歯を立て、唇を吸い、首輪と首のわずかな隙間に舌を差し入れ、鎖骨の下に刻印されたバーコードを舐めあげる。
イロハはシーツを固く握りしめながら、その感触に耐えた。
やがて男は腰を使い始めた。
最初はイロハの中を味わうような、ゆるゆるとした動きだったものが、徐々に叩きつけるような激しいものに変わっていく。
ホムンクルスとしてはやや大きいイロハも、大柄な男にくらべれば二回り近くも小さい。体重ごと腰を押し付けるようにされると、イロハの身体は男の身体の下で折りたたまれるような形になる。
「あっああっ、ああぅんっ、ああっ」
男の身体の下でイロハの身体がビクビクと跳ねた。脚の間で揺れるイロハの象徴から、白濁があふれ出る。けれども男は止まらない。
男は一度身体を離すと、イロハの身体を伏せに転がし、腰だけを高く掲げさせた。そうして、まだ絶頂の余韻にヒクつく後孔をさらに深く穿つ。
無理やりに流し込まれる快感に、イロハは涙を流しながら啼いた。
望んでなんかいない。
能力測定で戦わされることも、こうして抱かれることも、そして快楽に翻弄されることも。
それでもホムンクルスであるイロハたちには、それを拒否する選択肢はハナから存在していないのだ。
そんなイロハの痴態を男の目がうっとりと見下ろしている。
イロハの鎖骨の下に埋め込まれたチップは、今もイロハの心拍や呼吸のデータを医師たちのパソコンに送り続けている。
何もかもが支配され、監視される世界。
イロハは、シーツに顔をこすりつけ、悲鳴のような嬌声を上げながら、なき続けた。
◆
男が去って少しすると、警備員が入ってきた。
イロハは汚れた身体をベッドの上に投げ出したまま、漫然と警備員を見上げた。
「……」
警備員が、床に落ちていたバスローブを、無言のままイロハの近くに置く。イロハはノロノロと身体を起こし、どうにかバスローブに袖を通した。
イロハがバスローブの前を閉めている間に、警備員が車椅子を持ってくる。ベッドから降りたイロハは、まるで崩れるように車椅子の上に座り込んだ。
◆
研究棟の処置室。無機質な灰色の処置台に横たわったイロハの身体を、無影灯が残酷に照らす。
警備員に連れて来られたイロハを、夜凍はバスローブ姿のまま、処置台に寝かせた。イロハのバスローブの前を無遠慮に割り開き、鎖骨の下のバーコードを読み込む。それから曲げさせたイロハの膝を割り開き、その奥を覗き込んだ。夜凍が無影灯を動かすと、イロハの無残に散らされた蕾が灯りに照らされて、あらわになる。
「……っ」
羞恥に身を固くするイロハ。しかし夜凍はそれに全く構うことなく、ゴム手袋に包まれた指を二本、イロハの蕾に差し入れた。
男の精にうるむそこが、夜凍の指を従順に呑み込んでいく。
「っ……ぅ」
夜凍はイロハの中に人差し指と中指の第二関節ほどまでを差し入れると、蕾を押し広げるように指を開いた。
コプリと溢れ出す、男の精。
「ううぅ……」
イロハはあまりの羞恥に、己の顔を二の腕で覆ってうめいた。しかし夜凍はそれに一切構うことなく、指を動かし、イロハの襞の様子を確認した。
「切れたりはしていない。上手く咥えられたようだな」
そうする間にも、イロハの蕾からは、男の残渣が次々とあふれてくる。
夜凍が薄く笑った。
「なかなかの精力家だったらしい」
それから夜凍はイロハの顔をちらりと見て言った。
「少し掻き出しておいてやる」
イロハの中で動き出す夜凍の指。収まりかけていた性の炎を掻き立てられそうな動きに、イロハは息を乱して首を振る。
イロハの中がおおむねきれいになると、夜凍は流れ出たものを、医療用ウエスでざっと拭いた。
「バスルームを使わせてやる。身体を清めたら避妊剤を飲んで今日はもう休め。部屋に戻るのと病室で休むの、どっちがいい?」
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