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転移門(ゲート)

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 依頼を正式に受けると、500万クローナの前金をもらった。

 つまり、それ程、危険な任務というわけだ。

 食料、医薬品、魔導具(マジックアイテム)を買って、準備を整えると、すぐに転移門(ゲート)がある中央区に向かった。

 転移門(ゲート)とは、瞬間移動で、長距離移動できる魔術装置だ。

 あまりに大量の人員を一度に転移させる事は出来ないが、俺たち5人くらいなら、転移は可能だ。

 王都の中央区にある転移門(ゲート)が設置された場所は、王国によって厳重に管理されている。

 神殿のような外観で、中に転移門(ゲート)があるのだ。

 王国騎士団に所属している騎士が、護衛兵として警備をしている。

 中に入り、役人に冒険者ギルドが発行した書類を見せると、すぐに転移門(ゲート)の使用許可がおりた。

 役人が、俺たちを待機用の部家に通した。
 そして、転移門(ゲート)の準備が始まるまで少し待つように言われた。

「少し緊張してきました」

 ルイズが言う。

「にゃー、私もだよ」
「ん。魔族との戦闘が控えているかと思うと、少し怖い」

 フローラとエルフリーデも、緊張した顔をする。

「ねえ、カインお兄ちゃん。魔族ってどのくらい強いのかな? よく分からないの」  

 ミネルヴァが、俺の服の袖をつまむ。

「どう表現すれば良いか……。もし、爵位級なら、多頭蛇(ヒュドラ)よりは強いと思う」

 情報が不足しているので、なんとも言えないが、最下級の男爵級悪魔でも、多頭蛇(ヒュドラ)よりは強いとされている。

「強い相手と戦えるのは楽しみなの♪」

 ミネルヴァは、満面の笑みを浮かべた。
 頼もしいな。
 さすが、天竜族だ。
 ミネルヴァの笑顔で、なんだか全員が明るくなった。

「転移門(ゲート)の準備が整いました。どうぞ」

 役人が、俺たちに言う。

 俺たちは役員の後に続いて、通路を歩いた。

 そして、広い部屋に入る。
 床の中央部に、青く輝く転移門(ゲート)の魔法陣が刻まれている。

 俺たちは、その転移門(ゲート)の魔法陣の中に入った。

 やがて、青い魔法陣が輝き出す。
   視界の全てが、青い魔法光に包まれた。
 身体が浮くような感覚。

「身体が浮いてる?」

 ルイズが、疑問を口にする。

「にゃっ! 変な感覚!」

 フローラが、小さな叫び声を出す。

「ん。なんだかお腹が変な気分」
「楽しいの♪」

 やがて、水晶が砕けるような音がして、俺たちは転移した。



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