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第五話 初めての遭遇
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一瞬、前が見えなくなったと思ったら、次の瞬間には竜になった時に見えた集落の中心に立っていた。
おお……すげえなこれ……行ったことがない場所とかでも転移できんのか……
でも、チートすぎるんだよなぁ……これ。
便利だけど……俺からするとあまり使いたくない。
さて、と……どうするか。
まぁ、お決まりとしてまずは人を探さないといけない。
そうじゃないとこの世界で生きていくすべがわからない。
しかし……ここ……人がいないな……
家はあるし、住んでる人はいると思うんだが……
どうなっているんだ?
ラノベのテンプレ展開、つまるところ人気のない静まり返った市街地フィールドで突然モブに襲撃されるという冒険の始まり的な展開の匂いがプンプンする。
もしかして、村人がひょっこりと一人だけ現れて情報分けてくれたり……
かすかな希望を持ちキョロキョロと辺りを見回してみた。
無論、誰もいない。
人っ子一人、小鳥の一羽すら見当たらない。
ファンタジー的な期待を抱いた自分がとてつもなく馬鹿らしくなった。
突っ立っていても状況は何も変わりはしないことは目に見えているのに。
この世界は、『現実』だろう。
いや、紛れもない『現実』だ。
これまで地球で歩んできた人生と同じだ。
自分で動かなければ何も始まらない。
……取り敢えず散策してみるとしよう。
石造りの建物ばかりが並んだ集落の大きさはそこまで大きくないようだ。
でも、一つだけ大きな建物がある。
地球でいう教会のようなところだろうか。
一つだけ飛び出したとんがり屋根に、ここの宗教のシンボルなのであろう人の目のようなオブジェがのっかっている。
もしかしたらあそこに住人たちが集まっているのかもしれない。
大した情報もないしそこに向かうか。
っていうか直ぐそこだし。
……ん?……なんだ、この音は……
まるで何かを貪り食っているような音……
それから、嗅いだことのない悪臭……
やばい。これは、ゲーム系統のラノベでいうところの……
俺は反射的に顔を出しかけた曲がり角で後退り、その場に身を潜めようとした。
しかし。
「ああん?なんだぁ?まだ生き残りがいやがったのかぁ?」
な、なんでだ。
なぜ気づかれる。
「クハハ!そうみてぇだなぁ!人間の匂いがプンプンするぜ!」
「食料が多いことにこしたことはない。なにより、人間をできるだけ食ってこいとあの方がおっしゃったのだ。この村の住人を食い尽くしてしまっても全く問題あるまい」
「そうだなぁ!そんじゃあまぁ……殺すか!」
これは、いくら隠れようとも無駄だ。
せめて声の主の姿を確認しようと、俺は曲がり角から目だけを出した。
な、なんだあいつら!?
全身を覆った灰色の毛並み、発達した前足、二足で体重を支える前かがみの姿勢、飢えて赤く浮き上がった眼つき……まるでファンタジー小説に登場する人狼そのものだ……
そして彼らが貪り食っているのは、紛れもない、人間の死体の山だ。
俺はあまりの惨状に再び頭を引っ込める他なかった。
俺を殺して食べるつもりなのは間違いない。
うっ……見ていないのに、思い出したら吐き気が……
逃げるか……?
逃げようと思えば、《空間転移》を使えば逃げられる。
でも……俺は許せない。
あいつらが人間を食べるために殺しているならまだ分かる。
それなら仕方がないことだと思う。
でもあいつらは、人間を殺すこと自体を心底楽しんでいるように見えた。
あの言動からも、それがよく分かる。
こいつらは、生きていてはいけない。
……戦おう。
感謝しろよ、クソ野郎ども。
俺が、使いたくもないチートスキルで、お前らをぶっ殺してやる。
おお……すげえなこれ……行ったことがない場所とかでも転移できんのか……
でも、チートすぎるんだよなぁ……これ。
便利だけど……俺からするとあまり使いたくない。
さて、と……どうするか。
まぁ、お決まりとしてまずは人を探さないといけない。
そうじゃないとこの世界で生きていくすべがわからない。
しかし……ここ……人がいないな……
家はあるし、住んでる人はいると思うんだが……
どうなっているんだ?
ラノベのテンプレ展開、つまるところ人気のない静まり返った市街地フィールドで突然モブに襲撃されるという冒険の始まり的な展開の匂いがプンプンする。
もしかして、村人がひょっこりと一人だけ現れて情報分けてくれたり……
かすかな希望を持ちキョロキョロと辺りを見回してみた。
無論、誰もいない。
人っ子一人、小鳥の一羽すら見当たらない。
ファンタジー的な期待を抱いた自分がとてつもなく馬鹿らしくなった。
突っ立っていても状況は何も変わりはしないことは目に見えているのに。
この世界は、『現実』だろう。
いや、紛れもない『現実』だ。
これまで地球で歩んできた人生と同じだ。
自分で動かなければ何も始まらない。
……取り敢えず散策してみるとしよう。
石造りの建物ばかりが並んだ集落の大きさはそこまで大きくないようだ。
でも、一つだけ大きな建物がある。
地球でいう教会のようなところだろうか。
一つだけ飛び出したとんがり屋根に、ここの宗教のシンボルなのであろう人の目のようなオブジェがのっかっている。
もしかしたらあそこに住人たちが集まっているのかもしれない。
大した情報もないしそこに向かうか。
っていうか直ぐそこだし。
……ん?……なんだ、この音は……
まるで何かを貪り食っているような音……
それから、嗅いだことのない悪臭……
やばい。これは、ゲーム系統のラノベでいうところの……
俺は反射的に顔を出しかけた曲がり角で後退り、その場に身を潜めようとした。
しかし。
「ああん?なんだぁ?まだ生き残りがいやがったのかぁ?」
な、なんでだ。
なぜ気づかれる。
「クハハ!そうみてぇだなぁ!人間の匂いがプンプンするぜ!」
「食料が多いことにこしたことはない。なにより、人間をできるだけ食ってこいとあの方がおっしゃったのだ。この村の住人を食い尽くしてしまっても全く問題あるまい」
「そうだなぁ!そんじゃあまぁ……殺すか!」
これは、いくら隠れようとも無駄だ。
せめて声の主の姿を確認しようと、俺は曲がり角から目だけを出した。
な、なんだあいつら!?
全身を覆った灰色の毛並み、発達した前足、二足で体重を支える前かがみの姿勢、飢えて赤く浮き上がった眼つき……まるでファンタジー小説に登場する人狼そのものだ……
そして彼らが貪り食っているのは、紛れもない、人間の死体の山だ。
俺はあまりの惨状に再び頭を引っ込める他なかった。
俺を殺して食べるつもりなのは間違いない。
うっ……見ていないのに、思い出したら吐き気が……
逃げるか……?
逃げようと思えば、《空間転移》を使えば逃げられる。
でも……俺は許せない。
あいつらが人間を食べるために殺しているならまだ分かる。
それなら仕方がないことだと思う。
でもあいつらは、人間を殺すこと自体を心底楽しんでいるように見えた。
あの言動からも、それがよく分かる。
こいつらは、生きていてはいけない。
……戦おう。
感謝しろよ、クソ野郎ども。
俺が、使いたくもないチートスキルで、お前らをぶっ殺してやる。
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