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第4章 お祭りクレープとカルボナーラ

6.隣町へ

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『あーい!』

 僕もいるぞとばかりに、こむぎが神様の腕の中で声をあげた。

『じゃあ行きましょうか』

 私達は電車に乗って隣町へ移動した。この中では、神様とこむぎだけ普通の人間から姿が見えない。

(何人かで行動していれば、神様と会話していても変だと思われないから都合がいいや……)

 そんな事を考えていたら、あっという間に次の駅に到着する。駅前に出ると、もう日が沈みかけて暗くなってきていた。此処からお祭りの行われている神社までは、十五分程度歩く。
 電車の中でも見かけたが、周囲には浴衣姿の人が思ったより沢山歩いていた。
 この辺りの田舎では、祭りくらいしかイベントがないので、結構人が集まるようだ。

 私も着慣れない浴衣に歩き難さを感じながら、坂道をゆっくり登って行く。
 取材もあるし、普段着で行くつもりだったのだが、シュンに着て欲しいとせがまれたのだ。

 シュンは奏汰と天太と並んで、楽しそうに話しながら歩いている。こむぎは神様の髪にじゃれつこうと手を伸ばし、神様はその小さな手から逃げ惑っていた。

『怪しい気配は感じますか?』

 私は真白さんに小声で話し掛ける。

『いえ……人気ひとけが多くて、正直よく分からないですね。今この辺りは、人間達の楽しげな気持ちで溢れています。注意深く気を張っていますから、何か感じれば直ぐお伝えしますね』

『ありがとうございます』

『わあ!』

 先を歩くシュンが声を上げた。

 道の先に視線を戻すと、参道沿いには沢山の屋台が並んでいた。
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