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しおりを挟む「まじで犬だな」
「次は千秋先輩もこっちでゲームやろう
お前は早くアイス買ってこいよ」
「臣くん、冷てえよ
仲良くしようぜ」
臣は春也が首に回そうとした手をあからさまに避けた
「千秋先輩、こっち来て」
臣が手招きをすると、千秋はソファの後ろ側から2人の間に足を差し込んで間に入ろうとした
「ちょ、千秋先輩!!」
「あぶねっ!」
千秋が両足でソファに立った瞬間よろける
「うわっ」
そのままバランスを崩し千秋が倒れそうになった瞬間、臣と春也が腕を伸ばす
千秋はギュッと瞑っていた目を開けて、自分の下を見てみると春也の膝の上に乗ったような形になっていた
腰にはがっしりと春也の腕が回されてる
「あ、あの春也くん…?
ごめんなさい…」
「このクソチビ!!
あぶねえだろ!」
「だからごめんなさいい!」
涙目になって反省する千秋の頭を撫でようとすると、その手は隣にいたものによって力強く掴まれる
「いたっ!」
「触んな」
その目は驚くほど冷酷で、黒い何かが内側から漏れている
「臣!」
それをものともせず千秋は臣に両腕を伸ばす
臣はその手を取り千秋を腕の中に抱き上げた。その腕の中で幸せそうに笑みを浮かべる
「へへっ、臣に抱っこしてもらったあ」
「はあ、千秋先輩、危ないからああいうことしないの」
「はーい」
「本当にわかってる?」
千秋は臣の首に腕を回して抱きつくと、顔を擦り寄せる
「髪もまだ濡れてるし、乾かしてあげますよ、先輩」
「うん、よろしく!臣くん!」
臣が千秋を抱き上げたまま部屋をさっていく
「え、俺助けたのに
存在消された……??」
明るいゲームのBGMがなぜか虚しく聞こえた春也であった
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