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しおりを挟む春也はおもむろに僕の手を握って歩き出す
そして臣の目の前まで連れてこられてしまった
僕はまた横髪で自分の顔を隠す
「臣、お疲れ~
1番高いやつ奢って」
「調子乗んな
で、お隣は彼女?」
今臣が僕のことを見てるんだ
それに春也の彼女じゃないし…君の恋人だよ…
「彼女ではない」
「でも手繋いでここにくるんだ」
「まあ、そこは触れないでくれよ
臣くん」
「はじめまして」
突然臣から話しかけられて戸惑ってしまいそうになる
笑顔なんて浮かべちゃって…
なんてイケメンなんだろう
「は、はじめまして…」
「河田臣っていいます
春也の友達です」
「そ、そうなんですね…
千夏って言います…」
「千夏さんですね…」
すると臣がいきなり顔を寄せてきた
え?!な、なに!
「春也のことよろしくお願いします」
僕に耳打ちをしてまた微笑んだ
見惚れそうになるけど今はだめだ!
「え?よろしくお願いしますって何が…?」
「もしかしたら…ね…?」
まさか僕と春也が付き合うと思ってる?!
否定しようとすると臣は近くで女のと話していた春也に声をかける
「そういえば千秋先輩見てない?」
その言葉に体がぴくっと反応した
大きく反応してしまったせいか周りの目がこっちに向く
「ん?千夏さんどうしたの?」
「いや!何でもないよ??」
「なら良いけど…
で、千秋がどうしたの?」
「さっきから全然連絡取れない」
「千秋のことだから電源切れてたとかじゃねえの?」
「で、探しに行きたいんだけど解放してくれないんだよね
だから春也がヘルプとして変わって」
「は?無理
今の状況わかるだろ
そのうち連絡くるからここにいろよ」
そういえば携帯は向こうに置いてきちゃった…
このまま臣が行ったらバレちゃうかもしれないしここにいてほしい
そんなことを考えていると…
「春也!これあげる!
あとこれも!
私の奢り」
お店側から春也に渡されたのは大量のチョコソースとクリームが乗ったパンケーキとタピオカジュースだ
「え?まじ?くれるの?
めちゃくちゃいい女だね」
「でしょ!付き合ってくれてもいいよ?」
「申し訳ないけどお断りで」
「ひどーい!返して!」
「でもいい女なのは違いないよ?
あとフォークとナイフもう一つ貰ってもいい?」
「もう…」
女の子はそんな事を言う春也に見惚れている
さすが女の子の扱いがうまい
「千夏さん、おいで
こっちで食べよ」
「え?一緒に食べていいの?」
「じゃあ俺が独り占めしていい?」
「だめ!」
「わかった」
うっとりとした顔で笑顔を浮かべて僕の頭を撫でて、その後に頬を撫でる
席に移動する時、臣と目があった
臣はなぜか僕の方をじっと見つめて目を逸らさない
「店の前でイチャイチャするのやめて!!」
「わかったって
はい、千夏さん行きましょう~」
近くにあったテーブル席のような所に座る
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