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「もういいから
勝手に家にきた僕が悪いんだし」

「なにがいいの?
何も良くないじゃん
怒ってるんでしょ?」

臣が僕の目の前に被った前髪を手で避けて、顔を覗き込んでこようとするも臣の手を払い、僕はエレベーター端に寄った

「避けないでよ」

臣はエレベーターの隅にいる僕が逃げないように目の前に立ち、両手首を掴み壁に押し付けた
臣の体が大きいせいで臣の体で視界が埋まる

「千秋先輩、誤解だから」

何を言われても、僕は臣へと視線を移さずひたすら足下だけを見た

「何が誤解なの?
何で友達の前で嘘つく必要あるの?」

僕が臣に面倒臭いと思われることは承知の上

「それは」

臣が話をしようとした瞬間、ちょうどエレベーターが一階に到着したとアナウンスが流れた
扉が開く前に臣の手が手首から離れ、お互いの距離を取ろうとするも、臣が僕の腰に腕を回してくる

幸い、エレベーターを待っている人は誰もいなかった
僕はエレベーターが開くと同時に強引に臣の腕を抜けて、早足でマンションのエントランスを出る

それを臣が後ろから駆け足で追いかけてきて、僕の腕を力強くひいた
こんな強い力で腕を引かれるのは初めてで少し驚く

「千秋先輩!待っててば!」

「…色白、清楚、巨乳、美女」

「は?え?何言ってるの?」

臣は眉を八の字に曲げて困ったような表情を浮かべる

「臣のタイプの話しただけ!」

「だから、それは違くて…
千秋先輩もわかるでしょ?俺が言わなくても
千秋先輩は特別だって」

「そんなのわかんない!
臣だったらモテるんだし、すぐそんな人恋人にできるよ!!」

こんなこと言ったら、臣が怒ったり呆れたりするのはわかっていた
けど、一度言い出したら止まらない

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