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しおりを挟む河田君と共にドリンクバーに到着してコップを置くと、誰もいない部屋に突然押し込まれる。
「え!?なに?!いきなりどうしたの?」
河田君は僕の両手首を掴んで壁に押し付ける。
なぜか怒ったような表情をしていて戸惑ってしまう。
「なんで合コン来てんの??
俺行かない方が良いって言ったけど?」
「なんで合コンって…彼女作るために決まってるでしょ」
「好きなやついるのに彼女なんて作る必要あんの?必要なくない?」
河田君は僕がまだ好きであることに気づいているようだ。そんなに表情に出ていたのか。僕は顔の力を引き締める。
「…なんでそんなこと言うの??」
「え?」
「河田君はひどいよ…
僕は…僕はどんなに辛い思いして君から距離置いてるのか知らないくせに!好きな人の迷惑だけにはなりたくないから、思い断ち切ろうとしてるんだからやめてよ。
変に勘違いさせたら、またキモいやつがストーカーしてくるだけだよ…」
「……。」
「お願いだからもう好きにさせないでよ…
彼女さんもいるんだし、僕は2人の幸せ祈ってるよ。邪魔なんて絶対しない。だからこれっきりにしよ。僕ももう河田君には近づかないよ…
今まで迷惑かけて本当にごめん。」
「先輩。俺の話聞いて」
「わかってる
もう近づかないから」
「違う、そうじゃないから!」
僕は河田君の声を無視して部屋を出ていく。
飲み物のリクエストなんてもう忘れてしまった。雅也たちのいる部屋に戻り、僕は自分の鞄を持つ。
女の子たちもどうせ河田君が目当てだからぼくがいなくなろうと気にすることはないだろう。
「ごめんなさい。
急用ができたんで帰ります!」
勢いよく頭を下げて、雅也たちの言葉を聞くことなく店の外に出ていった。
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