6 / 214
────0話*出会いと恋
2・株式会社原始人
しおりを挟む
****side■塩田(平社員)
塩田が配属された苦情係は、商品部の奥に設置されていた。
我が社(株)原始人こと株原には様々な部署があるようだ。それは玄関口に設置された部署一覧を見れば一目瞭然。
色んな自社商品を取り扱っており、専門の店舗他に外食産業やネット販売など手広く販売ルートも持っているようである。
大きな会社なので、もちろんカスタマーサービスも充実はしているようだ。
その中にはクレーム対応も含まれているのだが、近年事業の拡大に伴い名を知られるようになったからか、悪質なクレーマーが増え我が社は彼らに悩まされているらしい。
その悪質クレーマー対策として新たに設置されたのが、この苦情係なのである。
クレーマーの種類は色々あるとは思うが、その原因の一つに核家族が増えたということがあげられると思う。
専業主婦は年々減ってきているようには感じるが、結婚についても減ってきているのが現状だろう。つまり、話し相手がいないわけである。
お客様が神様なのは、大金を落とす上客。品性も備えているから神様なのだ。安物しか買わない文句たれが神様なわけがない。ただの迷惑な奴である。
しかしながら、勘違いしている人は世の中にたくさんいるということ。
『ここにかかってくる電話の相手は、お客さんと思わなくていいから』
塩田は社長からそう言われてこの部署に入ったのである。
──好きにやらせてもらうさ。
先ほど廊下に転がっていた電車はすぐに同じ部署の同僚だということが分かった。話によると上司が一人、同僚がもう一人いるという話。
そのもう一人は、塩田たちが部署に着くと先に来ていて課長こと【唯野修二】と話をしていた。
彼の名は【板井小指】という。非常に変わった名前である。
名前に反して背が高く、見るからに体育会系という体つき。こげ茶色の短髪にきっちりとスーツを着ており、礼儀正しく真面目な印象を受ける。
我が社、株原では一応スーツの着用と言う社内規定はあるが、ノーネクタイでも許されており社内ではジャケットを着用する必要もない。
そのため接客の必要がある者や営業部以外はジャケットを着用せず、カーディガンなどを着ている者の方が多い。
この苦情係の課長唯野もまた、上着を着用せずワイシャツのままであった。それでもノーネクタイとなると圧倒的に人数は減る。空調がしっかりとしているため、ネクタイは緩める程度の者が占めていた。
電車などは早速にジャケットをロッカールームにしまい、カーディガンを羽織っている。板井がどれだけ真面目なのかわかるだろう。
この時塩田は、同僚とは仲良くなれそうにないなと思っていたのだった。
塩田が配属された苦情係は、商品部の奥に設置されていた。
我が社(株)原始人こと株原には様々な部署があるようだ。それは玄関口に設置された部署一覧を見れば一目瞭然。
色んな自社商品を取り扱っており、専門の店舗他に外食産業やネット販売など手広く販売ルートも持っているようである。
大きな会社なので、もちろんカスタマーサービスも充実はしているようだ。
その中にはクレーム対応も含まれているのだが、近年事業の拡大に伴い名を知られるようになったからか、悪質なクレーマーが増え我が社は彼らに悩まされているらしい。
その悪質クレーマー対策として新たに設置されたのが、この苦情係なのである。
クレーマーの種類は色々あるとは思うが、その原因の一つに核家族が増えたということがあげられると思う。
専業主婦は年々減ってきているようには感じるが、結婚についても減ってきているのが現状だろう。つまり、話し相手がいないわけである。
お客様が神様なのは、大金を落とす上客。品性も備えているから神様なのだ。安物しか買わない文句たれが神様なわけがない。ただの迷惑な奴である。
しかしながら、勘違いしている人は世の中にたくさんいるということ。
『ここにかかってくる電話の相手は、お客さんと思わなくていいから』
塩田は社長からそう言われてこの部署に入ったのである。
──好きにやらせてもらうさ。
先ほど廊下に転がっていた電車はすぐに同じ部署の同僚だということが分かった。話によると上司が一人、同僚がもう一人いるという話。
そのもう一人は、塩田たちが部署に着くと先に来ていて課長こと【唯野修二】と話をしていた。
彼の名は【板井小指】という。非常に変わった名前である。
名前に反して背が高く、見るからに体育会系という体つき。こげ茶色の短髪にきっちりとスーツを着ており、礼儀正しく真面目な印象を受ける。
我が社、株原では一応スーツの着用と言う社内規定はあるが、ノーネクタイでも許されており社内ではジャケットを着用する必要もない。
そのため接客の必要がある者や営業部以外はジャケットを着用せず、カーディガンなどを着ている者の方が多い。
この苦情係の課長唯野もまた、上着を着用せずワイシャツのままであった。それでもノーネクタイとなると圧倒的に人数は減る。空調がしっかりとしているため、ネクタイは緩める程度の者が占めていた。
電車などは早速にジャケットをロッカールームにしまい、カーディガンを羽織っている。板井がどれだけ真面目なのかわかるだろう。
この時塩田は、同僚とは仲良くなれそうにないなと思っていたのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
14
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる