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━1章【HAPPY ENDには程遠い】━
2.5 恋の自覚
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****♡side・鶴城
自分が頭痛がするほど鈍感だと気づいたのは、些細なこと。
初めて美崎に出逢ったのは中学三年の交流会。だがあれは見かけた程度、こんな関係になると思っていたわけではない。
K学園と言えば幼稚園から大学院まである有名な金持ち校。制服ですぐに高校名が分かったのは、単に有名なだけではなく自分の受験先でもあったから。
その事件があったのは、高校で再会して一年半の俺たちにとっては初めてのバレンタインの日であった。
それは忘れることなんて出来ない。
『じゃあ、これは要らないな』
恐らく美崎は鶴城が外部生で大して知り合いも居ないだろうと思い用意してくれていたのだと思う。意外にもバレンタインのチョコを貰っていた鶴城を見て美崎はそう言った。
当時美崎は生徒会副会長で、鶴城は彼のいる生徒会室に入り浸っていて。その理由と言えばイジメ対策がきっかけで仲良くなったからである。年上ではあるが気さくで趣味が合い、気も合った。
それは美崎が周りからやたら人気があることに気付くきっかけでもある。
あの日、彼は色んな人からチョコを渡されそうになっては断っていたのに、それに対し鶴城は生徒会の選挙の余波で義理チョコを沢山貰えたのだろうくらいに思い全部受け取ってしまう。
それが原因だなんて思ってはいなかった。
彼が鶴城にくれようとしていたチョコをゴミ箱に落とすのを、スローモーションのように見ていた。
ゆっくりと自分の中で何かが壊れるのを感じ、
『捨てなくてもいいだろ!』
慌ててそう言ったが、拾わせて貰えなくて。
──俺はあの時、貰った物を全て返しに行ってでも美崎がくれようとしたそれが欲しかった。
何故かはわからなかったけれど、初めて見せた美崎の切なそうな表情が目に焼き付いて離れない。
『安心しろ、お前には二度とやらねえ』
──その意味に今頃気づく方がどうかしてるんだ。
この想いに名前をつけるなら、それは恋だろう。
けれど美崎はもう、俺にはくれない。
「!?」
──だったら、力ずくで奪ってやる。
俺は……美崎が欲しい。
初めてこんなに誰かに執着した。
心も身体も全部欲しい。
俺に夢中にさせたい、自分が彼に夢中なように。
「なんで、鍵なんて……」
彼が先に生徒会室に入るのを見届け、使用中の札をかけると中に入り鍵をかける。
「まて、鶴城。飯、食うだけだよな?」
慌てる彼をじっと見つめた。
──俺のこと、好きなくせに。
何故、拒絶するんだよ。
それとも、今さら好きになってももう遅い?
手遅れだなんて言わないで。
小学生のときからずっと好きなヤツがいた。バカだけど周りとすぐに仲良くなれて、だけど時々すごく寂しそうな表情をするのが気になって、守ってやりたいって思った。そいつが中学に入り、恋をしていることに気付く。両想いなのにもどかしくて、余計なこともした。好きだから幸せになって欲しいそう思ってた。そういうのが好きということなんだと。
──でも、美崎はだめだ。
誰にも渡したくない。
隣にいるのが他のヤツなんて想像もしたくないんだ。
美崎だけは。
「俺、美崎が好きだ」
「は?」
──なあ? くれよ。
あの時くれなかった想いを。
自分が頭痛がするほど鈍感だと気づいたのは、些細なこと。
初めて美崎に出逢ったのは中学三年の交流会。だがあれは見かけた程度、こんな関係になると思っていたわけではない。
K学園と言えば幼稚園から大学院まである有名な金持ち校。制服ですぐに高校名が分かったのは、単に有名なだけではなく自分の受験先でもあったから。
その事件があったのは、高校で再会して一年半の俺たちにとっては初めてのバレンタインの日であった。
それは忘れることなんて出来ない。
『じゃあ、これは要らないな』
恐らく美崎は鶴城が外部生で大して知り合いも居ないだろうと思い用意してくれていたのだと思う。意外にもバレンタインのチョコを貰っていた鶴城を見て美崎はそう言った。
当時美崎は生徒会副会長で、鶴城は彼のいる生徒会室に入り浸っていて。その理由と言えばイジメ対策がきっかけで仲良くなったからである。年上ではあるが気さくで趣味が合い、気も合った。
それは美崎が周りからやたら人気があることに気付くきっかけでもある。
あの日、彼は色んな人からチョコを渡されそうになっては断っていたのに、それに対し鶴城は生徒会の選挙の余波で義理チョコを沢山貰えたのだろうくらいに思い全部受け取ってしまう。
それが原因だなんて思ってはいなかった。
彼が鶴城にくれようとしていたチョコをゴミ箱に落とすのを、スローモーションのように見ていた。
ゆっくりと自分の中で何かが壊れるのを感じ、
『捨てなくてもいいだろ!』
慌ててそう言ったが、拾わせて貰えなくて。
──俺はあの時、貰った物を全て返しに行ってでも美崎がくれようとしたそれが欲しかった。
何故かはわからなかったけれど、初めて見せた美崎の切なそうな表情が目に焼き付いて離れない。
『安心しろ、お前には二度とやらねえ』
──その意味に今頃気づく方がどうかしてるんだ。
この想いに名前をつけるなら、それは恋だろう。
けれど美崎はもう、俺にはくれない。
「!?」
──だったら、力ずくで奪ってやる。
俺は……美崎が欲しい。
初めてこんなに誰かに執着した。
心も身体も全部欲しい。
俺に夢中にさせたい、自分が彼に夢中なように。
「なんで、鍵なんて……」
彼が先に生徒会室に入るのを見届け、使用中の札をかけると中に入り鍵をかける。
「まて、鶴城。飯、食うだけだよな?」
慌てる彼をじっと見つめた。
──俺のこと、好きなくせに。
何故、拒絶するんだよ。
それとも、今さら好きになってももう遅い?
手遅れだなんて言わないで。
小学生のときからずっと好きなヤツがいた。バカだけど周りとすぐに仲良くなれて、だけど時々すごく寂しそうな表情をするのが気になって、守ってやりたいって思った。そいつが中学に入り、恋をしていることに気付く。両想いなのにもどかしくて、余計なこともした。好きだから幸せになって欲しいそう思ってた。そういうのが好きということなんだと。
──でも、美崎はだめだ。
誰にも渡したくない。
隣にいるのが他のヤツなんて想像もしたくないんだ。
美崎だけは。
「俺、美崎が好きだ」
「は?」
──なあ? くれよ。
あの時くれなかった想いを。
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