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130・愛しのスーパードールまりあ3

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130・愛しのスーパードールまりあ3


 気が付くと決心ががっちり固まっていた。よって和磨は先ほどの店員をつかまえ、そしてはっきり伝える。

「おれ、決めたから、まりあに添い遂げる」

「え、まりあちゃん? お値段とかだいじょうぶですか?」

「値段とかそういう問題じゃない。こ、これは愛だよ、おれ……まりあに心を奪われたんだ。笑いたければ笑え!」

 心にちょっと付着している恥ずかしさを蹴り飛ばすような感じで和磨が言うと、急に店員は涙ぐんで見せる。

「え、なんだよ急に……」

「いえ、まりあちゃんも幸せになれるんだと思うと嬉しくて」

「そ、そうか……」

「お客さん、それではまりあちゃんの詳しい説明をさせていただきたいのですが、いいですか?」

「あ、あぁ……ぜひとも聞きたい」

「ではこちらに」

 和磨は言った店員の後についていき、大きな買い物をする客のためって感じに満ち溢れたスペースで豪華っぽいテーブルを前にイスに座る。

 店員はあれこれ書類みたいなモノを持ってきたが、まずはまりあという魅力的な存在の説明からやり始めた。それを和磨はタバコを吸いながらしっかり耳を傾けて聞き入る。

「えっとですね、まりあちゃんは身長165cm、スリーサイズは上から110-66-96cm、ブラジャーのサイズはJカップ、J80ですね。つまりショートレイヤーがよく似合うすごいグラマーさんって事です」

「う、うん……」

「では、ここから大事なのですが……」

「お、おぅ、しっかり聞く心は出来ているぜ」

「まず、まりあちゃんは特殊電池によって動きますので、一度動かすと50年はそのまま止まりません。オフする事もできません。つまり一生涯の連れ合いとなるわけです」

「ご、50年?」

「失礼ですが、お客さんはいまおいくつですか?」

「おれは26歳だけど」

「だったらお客さんが76歳になるまで、まりあちゃんはあの魅力的爆乳さんとしてあなたに寄り添ってくれるのです、すばらしいと思いませんか?」

「最高だよな、マジで……」

「もちろん、動かすと同時に人肌の温度のみならず女体のいいニオイも湧き上がり50年消える事はありません」

「マジで!」

「おどろくのはまだ早いですよ」

「そ、そうなのか?」

「まりあちゃんにはAIこと人工知能が搭載されています。最初からあなた好みで動くはもちろん、際限なくあなたの理想として成長し続けるのです。言葉遣いもしゃべり方も動作も仕草も行動思考もその他モロモロすべて!」

「おぉ……」

「それでですね、お客さんには本日より3日間、これを着けてもらいたいと思います」

「ウォークマン? ヘッドホン?」

「いえ、ウォークマンではありませんしヘッドホンでもありません。お客さんが思い焦がれる女性像、そしてこんな女の子と甘い時間を過ごしたいという妄想、それら脳に沸くモノをヘッドホンがキャッチしてこの機械に送ります。すると内部にあるメモリーカードに情報が書き込まれます。そのメモリーカードを抜いてまりあちゃんにセットすると、不完全とはいえ最初からあなた好みの女の子として動いてくれるわけです」

「すげぇ……」

「まりあちゃんの左手首にメモリーカードを差すところがあるので、動かす前に差してください。まぁ、差さないと動かないって親切設計ではあるんですけどね」

「聞けば聞くほどすごいな……マジで興奮しそうになってきた」

「ただし、ちょっと注意点もあります」

「え、なんだ? こんなすごいモノにどんな注意点があると?」

「まりあちゃんはものすごくいい子なのですが、限りなく人間へ近づけるため、マイナスの感情も学びます。つまり嫉妬とかそういうモノですね。そして不満かが溜まりすぎるとネガティブモードを発動する危険性があるのです」

「ね、ネガティブモード?」

「かんたんに言えば嫉妬なのですが、あまりにもつよく嫉妬やら怒りを抱えると、仕込んである武器やら自爆装置が出てくるかもしれません」

「なんだよそれ、急に怖いこと言うなよ!」

「だいじょうぶです、ネガティブモードさえ発動させなければ、どこにそんなモノがあるかわからないです。そしてまりあちゃんは人間そのものです」

「もし、ネガティブモードが発動したら、まさか人を殺してしまうような、そういう事って発生したりするのか?」

「話の内容によっては起こりえるかもしれません」

「そ、そんな……」

「でもそれは持ち主が悪いのです。まりあちゃんに対する愛を裏切ったという事ですから報いを受けて当然ではありませんか? いかなる者やモノであれ愛と真実に背中を向けてはいけない、そうでしょう?」

「ま、まあな……」

「この機械とヘッドホン、先にお渡しします。だから支払いが完了してまりあちゃんが到達となるまでは仕込み期間と考えてくださればいいです」

「支払いが済まない内からもらってもいいのか?」

「どうせ、そのマシーンだけあっても意味はありませんしね」

「わかった」

「あと、まりあちゃんは人間と同じですから、ちゃんと下着や服を着せてあげてください。だから仕込み期間の間に揃えてあげてください」

「わ、わかった。で、支払いなんだけど……」

「はい、どうされますか?」

「おれは現金一発主義なんだ。だから今日は無理だとしても、明日はに支払う。だからまりあは売約済みとしてくれ。明日、必要な金額を全部持ってくる。だから言ってくれ、いくらだ?」

「100万円に手数料やら保険などが色々かかります。保険は強制ですけど仕方ないと思ってください。それらによる140万円に10%の税金がかかりますからして、合計は154万円となります。だいじょうぶですか?」

「よし、わかった。明日必ず154万円を持ってくる」

「では色々な書類やらの説明をさせてもらいます」

「了解した」

 こうして和磨は店員から色々と話を聞いたり、面倒な書類のいくつかに記入したりとやった。だがこの時点ですでに心はここにあらず状態。彼の頭の中および心は初恋に突っ走りたい男子モード。

「あ、そうだ。ここってブラジャーとかも売っているよな、まりあが着けるサイズのブラジャーとかは?」

「あっと、まりあちゃんはすごいグラマーさんですから……そうですねJカップは置いてないですね。J80ってまりあちゃんサイズは無いです」

「それってやっぱりランジェリーショップとか行かないとダメなのか?」

「いや、Jカップは通常のランジェリーショップでは買えないでしょう。だからグラマーサイズを扱っているネットショップで購入されるのがよろしいかと。一応、ここにまりあちゃんのスリーサイズが書いてあるので、必要とあらばこの数字を使ってください」

「わ、わかった」

 ここでやっとこさ立ち上がった和磨、ひとまずの書類を持っているビジネスリュックに入れる。それからもう一度まりあを見ようかなとわざとらしくつぶやき、どうぞ見てあげてくださいと店員に突っ込まれてから、再び驚異のガラスケース前に到着。そして再びすごい事だと震えながら息を飲む。

「何回見てもすげぇ……だ、だけど……これは動いてしゃべって、おれ好みの女としておれに寄り添ってくれる。しかも人肌の温もりや女のニオイや柔らかさが一杯って、信じられねぇ……こんな夢みたいな話があるなんてよ」

 言いながらまた両手をガラスに当てた。そして思った、これでもうさみしい人生に終止符が打てると。女って存在に焼け焦がれくるしい思いをする人生から解放されのだと。そしてまりあって素晴らしいグラマー女性に、自分のすべてを包み込んでもらえる日々が始まるのだと。
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