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178・ホレた女のために戦え3
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178・ホレた女のために戦え3
「ふぅ……」
午後11時、場所は〇〇駅前、そこに立つ佐藤グラディアートルが苦しい呼吸を何度も落としていた。本日の物語が予定通りに回転するなら、もうすぐここに閻美がやってくる。そしてしばらく間、2人の時間ことデートと流れ込む。その事を思えば、グラディアートルが冷静でいられるはずなどない。
「お、お、お待たせ……」
そこにやってきたは白い着物……ではなく、爆乳エリートOLみたいな格好の閻美。
「お、おぉ……エンミ殿、なんとステキな……」
ドワーン! と感情が揺さぶられた男は、あいさつそっちのけでノロけ褒めをする。そのドギマギしながら相手の女をほめちぎる姿というのは、純愛でしか生きられない男子中学生みたいに見えなくもない。
「ほぉ、あれが……閻美の相手かぁ」
駅前でモジモジテレテレやっている2人の姿を、ちょい離れた所にある電柱を盾にし、ばっちり拝見するのはサキュバス。
「まぁ、あれだねぇ、あの男って性格は悪くないんだろうけど、ステキな筋肉バカって感じだねぇ。でも逆に言えば、ああいう従順なライオンみたいなタイプの方が閻美にはお似合いなんでしょう」
ひとり愉快そうにつぶやいたら、初々しいテレテレ感いっぱいに歩く2人の後をつけた。
閻美とグラディアートル、どちらもずいぶんとドキドキしており、どんな会話をしたらいいのかまったくわからないので、相手が何か言ってくれないかと思いながら無言歩行を続ける。
「えっとその……」
ここでたまらず閻美は困りすぎてギブアップ! という表情になって、どこに行く? と言った。いっしょに歩いて会話がなく、あげく目的地もないとすればそれは窒息死そうでたまらなかった。
「我は閻美殿が行きたいところでいいであります」
「そうか……じゃぁ、とりあえず歩こうか」
あぁ、横にいるのが息吹だったら……などと思いつつ、閻美は隣の男が放つ不器用なくせしてめちゃくちゃ太い純愛のオーラをビリビリ感じ取っていた。これは自分が主導権を取って積極的に動かないと、まったくたのしめない一日になってしまいそうだと思ったりもする。
「あいつら何シケたフンイキで歩いているんだか、男と女のたどり着く先なんてセックスなんだからさぁ、いきなりラブホへ突撃すればいいじゃんか」
2人を尾行しているサキュバスはイライラした。そしてそれは閻美という女をすぐに押し倒すような勢いを持てない相手の男に対して向けられる。
「公園のベンチに座って会話とかめっちゃダサい。何とかならないのかなぁ、今どき純愛なんて流行るわけないのにさぁ」
離れたところからジーっと、まるで中学生レベルとののしりたくなる2人を盗み見るサキュバス。だがこのとき、ふっと見知らぬ2人の男に声をかけられる。つまりナンパされたというわけである。
「うっほ! お姉ちゃんめっちゃくそ可愛いじゃん!」
「しかもすごい爆乳! お姉ちゃん、天国からやってきた女神っしょ?」
2人はサキュバスという女を見ながら、実に男らしい感じでニヤニヤする。でもそれは仕方のない事だと言える。たしかに女の顔はいい具合にかわいく、そしてピンクパーカーの前を広げれば、下にある無地Tシャツのふくらみ具合があって、その豊満さと透けて見える谷間やフルカップなどを目にすれば、とても黙っていられないとなるのが真っ当な男の性欲というモノ。
「あぁ、うるさい、今は取り込み中」
サキュバスはまとわりつくハエを追い払うようにシッシと手を動かす。しかしこういう上物な女を見過ごすほど2人の男は落ちぶれていなかった。
「なんだよ、冷たくしないでよ」
「そうだよ、おっぱいが大きいからっていい気になるな」
お決まり的なセリフをネチネチこぼす2人は、どうしてもサキュバスのグラマーって体を食いたいと表情に書いている。
「ったく……うぜぇなぁ」
サキュバスはイラついた。しかしここでフッといい事を閃いてしまう。このハイエナみたいなザコキャラを、公園のベンチに座っているダサいカップルにぶつけたらどうか? そうすればちょっと面白くなるかも? と、とても悪い子らしい事を考え付いた。
「ん……」
サキュバス、2人の正面に立つとほんのり頬を赤らめ、最高の小悪魔的な笑みをまったり浮かべながら、やわらかい唇に自分の右人差し指と中指の2本を当てる。
「あんぅ!」
「んぐ!」
突然に2人の性欲満タン野郎たちがびりっとなって身動き出来なくなる。そして体の力が少し抜け、トロっとした気分になって脳みそが緩くなる。
「あんたたちにはわたしよりも良い女を紹介するよ。そいつHカップのわたしよりもうちょい上位のIカップでさぁ、マジですごい美爆乳。このわたしが目にしたらドキッとするような美爆乳。あれに余裕持って接せられる男なんてこの世にいないだろうね。その女というのが、ほらアソコにいる、公園のベンチに男と並んで座っているやつ、あれこそ極上の爆乳さん」
クゥっと色っぽい感じで色白な指を公園に向ける。そうすると目をトロっとさせた2人の男が腹を空かせた野良犬みたいにハァハァやる。
「おぉ、美人……」
「あれでIカップとかすごい美爆乳とか……それもうごちそうだろう」
そんな事を言ってすぐさま息遣いが荒くなる2人の男。それらをなだめるように、どうどう……と言うサキュバスは、かわいくにんまりやりながら右手の平を双方の左胸に当てる。
「あの女はつよい、で、多分となりにいる男もつよいはず。だからあんたたち2人はエロ魔人になればいい。エロ魔人としての能力を使い、後は気になる女をモノにするって情熱で押し負かせばいい。そうしたらあの女の美爆乳を好きなだけ味わえる、たっぷりおぼれるように甘えられるよ」
大変にいかがわしい事を言いながら、サキュバスがクワっと力を入れて眼力を放つと、男2人に変化が生じる。まるでこすられ火が付いたマッチのように、ボッと赤いオーラが浮かぶ。
「さ、行ってらっしゃいな」
サキュバスが両手で2人の背中をグッと、エロ戦場へ息子を送り出す母みたいな感じで押した。
「よし、あの爆乳をゲットしに行くか!」
「おうよ、3Pにパイズリにやりたい放題やってやろうぜ!」
こうして濃厚なゲス心を持った2人の男が、純情なデートをしている最中の2人へ向かって歩き出すのだった。
「ふぅ……」
午後11時、場所は〇〇駅前、そこに立つ佐藤グラディアートルが苦しい呼吸を何度も落としていた。本日の物語が予定通りに回転するなら、もうすぐここに閻美がやってくる。そしてしばらく間、2人の時間ことデートと流れ込む。その事を思えば、グラディアートルが冷静でいられるはずなどない。
「お、お、お待たせ……」
そこにやってきたは白い着物……ではなく、爆乳エリートOLみたいな格好の閻美。
「お、おぉ……エンミ殿、なんとステキな……」
ドワーン! と感情が揺さぶられた男は、あいさつそっちのけでノロけ褒めをする。そのドギマギしながら相手の女をほめちぎる姿というのは、純愛でしか生きられない男子中学生みたいに見えなくもない。
「ほぉ、あれが……閻美の相手かぁ」
駅前でモジモジテレテレやっている2人の姿を、ちょい離れた所にある電柱を盾にし、ばっちり拝見するのはサキュバス。
「まぁ、あれだねぇ、あの男って性格は悪くないんだろうけど、ステキな筋肉バカって感じだねぇ。でも逆に言えば、ああいう従順なライオンみたいなタイプの方が閻美にはお似合いなんでしょう」
ひとり愉快そうにつぶやいたら、初々しいテレテレ感いっぱいに歩く2人の後をつけた。
閻美とグラディアートル、どちらもずいぶんとドキドキしており、どんな会話をしたらいいのかまったくわからないので、相手が何か言ってくれないかと思いながら無言歩行を続ける。
「えっとその……」
ここでたまらず閻美は困りすぎてギブアップ! という表情になって、どこに行く? と言った。いっしょに歩いて会話がなく、あげく目的地もないとすればそれは窒息死そうでたまらなかった。
「我は閻美殿が行きたいところでいいであります」
「そうか……じゃぁ、とりあえず歩こうか」
あぁ、横にいるのが息吹だったら……などと思いつつ、閻美は隣の男が放つ不器用なくせしてめちゃくちゃ太い純愛のオーラをビリビリ感じ取っていた。これは自分が主導権を取って積極的に動かないと、まったくたのしめない一日になってしまいそうだと思ったりもする。
「あいつら何シケたフンイキで歩いているんだか、男と女のたどり着く先なんてセックスなんだからさぁ、いきなりラブホへ突撃すればいいじゃんか」
2人を尾行しているサキュバスはイライラした。そしてそれは閻美という女をすぐに押し倒すような勢いを持てない相手の男に対して向けられる。
「公園のベンチに座って会話とかめっちゃダサい。何とかならないのかなぁ、今どき純愛なんて流行るわけないのにさぁ」
離れたところからジーっと、まるで中学生レベルとののしりたくなる2人を盗み見るサキュバス。だがこのとき、ふっと見知らぬ2人の男に声をかけられる。つまりナンパされたというわけである。
「うっほ! お姉ちゃんめっちゃくそ可愛いじゃん!」
「しかもすごい爆乳! お姉ちゃん、天国からやってきた女神っしょ?」
2人はサキュバスという女を見ながら、実に男らしい感じでニヤニヤする。でもそれは仕方のない事だと言える。たしかに女の顔はいい具合にかわいく、そしてピンクパーカーの前を広げれば、下にある無地Tシャツのふくらみ具合があって、その豊満さと透けて見える谷間やフルカップなどを目にすれば、とても黙っていられないとなるのが真っ当な男の性欲というモノ。
「あぁ、うるさい、今は取り込み中」
サキュバスはまとわりつくハエを追い払うようにシッシと手を動かす。しかしこういう上物な女を見過ごすほど2人の男は落ちぶれていなかった。
「なんだよ、冷たくしないでよ」
「そうだよ、おっぱいが大きいからっていい気になるな」
お決まり的なセリフをネチネチこぼす2人は、どうしてもサキュバスのグラマーって体を食いたいと表情に書いている。
「ったく……うぜぇなぁ」
サキュバスはイラついた。しかしここでフッといい事を閃いてしまう。このハイエナみたいなザコキャラを、公園のベンチに座っているダサいカップルにぶつけたらどうか? そうすればちょっと面白くなるかも? と、とても悪い子らしい事を考え付いた。
「ん……」
サキュバス、2人の正面に立つとほんのり頬を赤らめ、最高の小悪魔的な笑みをまったり浮かべながら、やわらかい唇に自分の右人差し指と中指の2本を当てる。
「あんぅ!」
「んぐ!」
突然に2人の性欲満タン野郎たちがびりっとなって身動き出来なくなる。そして体の力が少し抜け、トロっとした気分になって脳みそが緩くなる。
「あんたたちにはわたしよりも良い女を紹介するよ。そいつHカップのわたしよりもうちょい上位のIカップでさぁ、マジですごい美爆乳。このわたしが目にしたらドキッとするような美爆乳。あれに余裕持って接せられる男なんてこの世にいないだろうね。その女というのが、ほらアソコにいる、公園のベンチに男と並んで座っているやつ、あれこそ極上の爆乳さん」
クゥっと色っぽい感じで色白な指を公園に向ける。そうすると目をトロっとさせた2人の男が腹を空かせた野良犬みたいにハァハァやる。
「おぉ、美人……」
「あれでIカップとかすごい美爆乳とか……それもうごちそうだろう」
そんな事を言ってすぐさま息遣いが荒くなる2人の男。それらをなだめるように、どうどう……と言うサキュバスは、かわいくにんまりやりながら右手の平を双方の左胸に当てる。
「あの女はつよい、で、多分となりにいる男もつよいはず。だからあんたたち2人はエロ魔人になればいい。エロ魔人としての能力を使い、後は気になる女をモノにするって情熱で押し負かせばいい。そうしたらあの女の美爆乳を好きなだけ味わえる、たっぷりおぼれるように甘えられるよ」
大変にいかがわしい事を言いながら、サキュバスがクワっと力を入れて眼力を放つと、男2人に変化が生じる。まるでこすられ火が付いたマッチのように、ボッと赤いオーラが浮かぶ。
「さ、行ってらっしゃいな」
サキュバスが両手で2人の背中をグッと、エロ戦場へ息子を送り出す母みたいな感じで押した。
「よし、あの爆乳をゲットしに行くか!」
「おうよ、3Pにパイズリにやりたい放題やってやろうぜ!」
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